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大学・研究所にある論文を検索できる 「麻疹ウイルスの薬剤耐性獲得機構に基づく新規膜融合阻害ペプチドの設計指針」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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麻疹ウイルスの薬剤耐性獲得機構に基づく新規膜融合阻害ペプチドの設計指針

平田 和成 東北大学

2021.03.25

概要

【研究目的】 麻疹ウイルス(measles virus; MeV)は、ワクチン開発によって急速に減少したが、近年でも散発的なアウトブレイクが報告されており、途上国では年間約 10 万人が麻疹が原因で死亡している。そのため、MeV 感染症に対する治療薬開発は重要な課題である。研究室レベルでの化合物の開発は行われているが、MeV 感染症の治療薬は存在しない。また、薬剤耐性菌 (AMR) や多剤耐性ヒト免疫不全ウイルス (HIV) の出現が問題視されているように、感染症治療における大きな課題の一つとして、感染性微生物の薬剤耐性獲得が挙げられる。そこで、本研究では高度にアミノ酸配列が保存されている膜融合タンパク(fusion protein; FP)を標的とした膜融合阻害ペプチド M1 および M2 を用いた MeV の耐性獲得機序の解析と、より強力で薬剤耐性を生じにくい新規抗 MeV ペプチドの開発を目的とした。

【研究方法】 M1 および M2 を用いた耐性誘導試験によって MeV の耐性誘導を行い、得られた耐性ウイルスの FP の配列解析を行った。CD スペクトル解析および同じクラスⅠ型 FP を有する他のウイルスの相同性解析を用いて薬剤耐性機構を解析した。更に、MTT 色素法により新規 M1 及び M2 誘導体の抗 MeV 活性を評価した。

【結果と考察】 本研究により、M1 およびM2 耐性 MeV 変異株 (MeV M1RP29、MeV M1RP62 およびMeVM2RP44)の誘導に成功した。配列解析の結果、M1、M2 耐性獲得に重要な 2 つのアミノ酸変異 (A167E および N158S)を特定した。また、MeV 野生株および変異株に対して高い抗 MeV 活性を発揮する新規抗 MeV ペプチド (MEK35 シリーズ) の同定に成功した。更に、MEK35 シリーズとその他のペプチドのアミノ酸配列、二次構造および抗ウイルス活性の比較から MeV 阻害機構の詳細を検討し、MeV が M1 耐性を獲得するメカニズムの詳細と M1 耐性 MeV に薬効を発揮するペプチドの設計戦略に資する成果を得た。

【結論】 これらの成果は、強力な活性を示し、薬剤耐性が生じにくい MeV 阻害ペプチドの発展に資するだけでなく、クラスI 型FP を有する種々のウイルスに対しても応用可能であり、膜融合阻害ペプチド開発に有用な知見となる。

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