リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「TAS-115 inhibits PDGFRα/AXL/FLT-3 signaling and suppresses lung metastasis of osteosarcoma」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

TAS-115 inhibits PDGFRα/AXL/FLT-3 signaling and suppresses lung metastasis of osteosarcoma

安田, 直弘 大阪大学

2021.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
骨肉腫の治療は化学療法の導入により大幅に治療成績が向上し、初診時転移のない骨肉腫の5年生存率は約70%となった。一方で転移例での5年生存率は約20%と非常に予後不良で転移が生じた骨肉腫に対する新規治療薬の開発が期待される。TAS-115はMultiple Tyrosine Kinase Inhibitorで、c-METやVEGFRs, PDGFRs, TAM kinasesへの阻害作用を持ち、比較的副作用が少なく臨床応用が期待されている。ヒト胃癌、肺癌、滑膜肉腫に対する有効性が基礎実験で示されており、再発進行性骨肉腫に対する第3相臨床試験が進行中であるが、骨肉腫に対する基礎実験の報告は過去にない。本研究の目的は、骨肉腫に対するTAS-115の抗腫瘍効果とその作用機序を解析し、肺転移を有する骨肉腫に対する新規治療薬としての可能性を探索することである。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
Luciferaseで標識したLM8を使用し、TAS-115のin vitroでの増殖抑制効果、in vivoで皮下注射後の局所腫瘍と肺転移の増大、尾静脈注射後の肺転移増大を検討した。次にin vitroで培養したcell lysateとin vivoでの原発巣、肺転移巣のlysateを用いてTAS-115によるtyrosine kinaseのリン酸化の変化を検討した。最後にヒト骨肉脈細胞株(HOS, MG63, 143B, U20S, and SaOS2)を用いて、in vitroでのシグナル活性と増殖抑制効果を確認した。
 in vitroにおいてTAS-115はLM8の細胞増殖を抑制した。細胞周期解析では、G0/G1期の比率の上昇を認め、アポトーシスに関してはウェスタンブロットで確認し、明らかなcleaved PARPの上昇は認めなかった。in vivoではLM8皮下注射モデルにおいてTAS-115投与群で著明な局所腫瘍と肺転移巣の増大抑制効果を認めた。さらにLM8尾静注モデルによる一旦肺で形成された腫瘍においてもTAS115投与群で腫瘍の増大抑制効果を認めた。Phospho-RTK arrayではin vitroにおいてPDGFR αの著しい活性化をみとめ、in vivoの局所腫瘍と肺転移巣のlysateを用いたPhospho-RTK arrayではPDGFR αだけでなく、AXLやFLT-3の活性化が認められた,また、それらのシグナルはTAS-115投与後のlysateでは抑制されていた。ウェスタンブロットでもこれら3つのシグナルは活性化を認め、TAS投与群でウェスタンブロットヒト骨肉腫細胞株においても、PDGFR α、AXL, FLT3のリン酸化を認め、これらの選択的阻害剤の投与によって、多くの細胞株で増殖の抑制がみられた。また、これらの細胞株はいずれもTASH5の投与によって増殖の抑制がみられた。

〔総括(Conclusion)〕
本研究でTAS-115は骨肉腫に対して、PDGFR α、AXL, FLT- 3のシグナル伝逹を部分的に阻害することで抗腫瘍効果を発揮することが示唆された。TAS-115は骨肉腫の転移•再発を有する患者の治療薬として有望な選択肢となる可能性がある。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る