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書き出し

吸入麻酔薬を用いた全身麻酔下の脳波波形の年齢による影響の検討

田浦, 志央吏 TAURA, Shiori タウラ, シオリ 九州大学

2023.03.20

概要

九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository

Age-related effects of three inhalational
anesthetics at one minimum alveolar
concentration on electroencephalogram waveform
田浦, 志央吏

https://hdl.handle.net/2324/6787525
出版情報:Kyushu University, 2022, 博士(歯学), 課程博士
バージョン:
権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (2)

(様式3)





:田浦

志央吏

論 文 名

:Age-related effects of three inhalational anesthetics at one minimum alveolar
concentration on electroencephalogram waveform
(吸入麻酔薬を用いた全身麻酔下の脳波波形の年齢による影響の
検討)



:甲

















【緒言】皮膚切開の刺激に対して、50% の個体が疼痛反応として体動を示さない時の肺胞内吸入麻
酔薬濃度を最小肺胞内濃度(minimum alveolar concentration: MAC)と定義している。この MAC は
これまで鎮痛を基本とする麻酔深度の指標として利用されてきた。近年、脳波(electroencephalogram:
EEG)を用いた麻酔深度評価が普及しているが、MAC が同じになるように吸入麻酔薬を投与して
いても、EEG の振幅が小児で大きいことが観察される。このことから全身麻酔中の EEG 波形が年
齢によって影響を受け、これまでの MAC による麻酔深度評価と合致していない可能性が考えられ
た。そこで、MAC を一定にした状態で、年齢群ごとの EEG の変化を検討した。
【方法】歯科口腔外科手術を受ける重篤な基礎疾患のない患者を小児(15 歳以下)・成人(16~64
歳)・高齢者(65 歳以上)の 3 群に分け、さらにこの 3 群を使用する吸入麻酔薬別(セボフルラ
ン、イソフルラン、デスフルラン)に 3 つの群に分けた。小児群では緩徐導入、成人群と高齢者群
ではプロポフォールを用いた急速導入を行い、気管挿管後に吸入麻酔維持濃度を 1 MAC に固定し、
EEG の振、95% スペクトルエッジ周波数(SEF95)および BIS(Bispectral index)を評価した。EEG
は the Bispectrum Analyzer BIS A2000 version(BDSS Ver. 3.22 B.2)を使用して記録した。評価中の
10 秒間隔の 7 つの時点の平均値を分析した。実験データの統計的評価はノンパラメトリック法を
適用し、3 群間の比較は Bonferroni 補正による二元配置分散分析を使用した。
【結果】総計 180 名の症例で検討した。各吸入麻酔薬において EEG の振幅は、小児群で有意に大
きく、年齢上昇に伴い小さくなるが(セボフルランの場合:小児群 32.9 ± 2.9 µV、成人群 16.4 ± 3.6
µV、高齢者群 11.0 ± 2.1 µV)、SEF95、BIS は成人群に比較して高齢者群で大きい傾向にあり、一
部の吸入麻酔薬で年齢による有意差が認められた。さらに、3 群ともにデスフルランで低く推移す
る傾向が認められた。
【考察】EEG の振幅は年齢によって明らかな減少傾向を認めたが、SEF95 および BIS は小児から
成人では減少傾向を認めたものの、成人から高齢者では逆に増加傾向を示した。つまり、これまで
利用されてきた MAC による評価と EEG に基づいた麻酔深度評価とは年齢によって乖離がある
ことが示唆された。それだけではなく、EEG による評価においても、振幅と SEF95 および BIS に
よる評価には違いが認められ、今後はより適切な麻酔深度評価をどのように行うかについて十分に
検討を進める必要がある。
【結論】循環動態の評価は個人差があるため、EEG モニタリングで麻酔深度の評価を行うことは有
用であるが、それぞれの評価項目には年齢や吸入麻酔薬の種類によって乖離が認められる。そのた
め全身麻酔中は EEG を総合的に評価し、慎重に麻酔管理をすることが求められる。

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