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大学・研究所にある論文を検索できる 「Midwifery scale to support shared decision-making for unplanned pregnancies: A cross-sectional study」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Midwifery scale to support shared decision-making for unplanned pregnancies: A cross-sectional study

上野 陽子 広島大学

2022.08.31

概要

Midwifery scale to support shared decision-making
for unplanned pregnancies: A cross-sectional study
(「助産師が意図しない妊娠をした女性の意思決定を
共有しながら支援するための尺度開発:横断研究」)

主指導教員:岡村

仁教授

(医系科学研究科

精神機能制御科学)

副指導教員:祖父江

育子教授

(医系科学研究科

小児看護開発学)

副指導教員:花岡
(医系科学研究科

秀明教授
老年・地域作業機能制御科学)

上野

陽子

(医歯薬保健学研究科

保健学専攻)

意図しない妊娠は、若年、経済的問題、両親・パートナーとの関係、文化的背景など様々な要
因で発生する。また、意図しない妊娠は児童虐待発生の予測因子と考えられている。意図しない
妊娠をした女性は、妊娠継続や子どもを産み育てるかなど内的葛藤を引き起こす。そのため、女
性やパートナー、家族と意思決定を共有しながら支援するプロセスが重要となる。意図しない妊
娠をした女性が意思決定において積極的に関与しながら、個人、家族、社会全体をつなぐ支援を
受けることは、その女性の自律的な意思決定を促進すると考えられる。
意図しない妊娠をした女性の意思決定支援は、助産師の必要な実践能力の1つであり、助産師
には他職種と連携しながら継続的な支援を行う重要な役割が求められている。しかし、日本には
意図しない妊娠をした女性に対して、意図しない妊娠をした女性に対して、共有型の意思決定を
促進することに焦点をあてた助産実践は明らかになっていない。助産師は自己評価を行うことで、
この重要な役割に対する自己認識を高め、意図しない妊娠をした女性への理解を深めることによ
り、意思決定を共有する支援において質の高いケアを提供できると考える。
以上より、本研究は、意図しない妊娠をした女性が妊娠判明時から妊娠継続か中断かの意思決
定するプロセスにおいて、助産師が意思決定を共有しながら支援する助産実践能力を自己評価す
る尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検証することを目的とした。
まず、意図しない妊娠をした女性の意思決定支援のケア提供者にインタビュー調査を行い、妊
娠継続や産み育てることに関する意思決定を共有して支援するためのプロセスを質的に分析し
た。この研究結果と文献レビューを基盤として 109 項目の質問項目を作成し、尺度項目の内容
的妥当性の検討を行い、パイロット調査を経て 45 項目の助産実践能力を自己評価する尺度を作
成した。この尺度を用い医療機関に勤務する助産師を対象に調査を行い、構成概念と基準関連の
妥当性、内部一貫性の信頼性を検討した。本研究は、広島大学疫学倫理委員会の承認を得て実施
した。
450 施設に対して研究依頼を行い、573 名から回答を得た(回答率 37.1%)
。調査票への回答
が欠落している対象者を除外し、531 名の回答者を分析対象とした(有効回答率:34.4%)。ま
ず 45 項目の尺度より記述統計量と天井効果および床効果を算出し、天井効果を示した 3 項目を
削除した。I-T 相関が 0.30 以下の項目はなかった。残りの 42 項目について探索的因子分析を行
った結果、因子負荷が 0.40 未満の 7 項目を削除し、35 個の変数からなる 5 因子構造の尺度を得
た。これらの因子のうち、因子 I「女性の環境の理解と支援」と因子 II「専門職や重要なチーム
メンバーとの協働」は、医療システム(マクロ、メゾレベル)に関連し、因子 III「女性との信
頼関係を築きながら意思決定の場をつくる」
、因子 IV「女性の真のニーズの焦点化」
、因子Ⅴ「女
性の自律的な意思決定の促進」は、助産師の個人レベル(マイクロレベル)での助産実践能力の
評価に関連していた。これらの 5 つの因子間の相関は、0.45 から 0.72(p<0.01)の範囲であっ
た。また、本尺度全体の Cronbachα 係数は 0.951、因子 I~V の α 係数はそれぞれ 0.863、0.858、
0.872、0.854、0.874 であり、内部一貫性が確認された。また、本研究で作成した尺度と対象者
が意思決定のプロセスにどの程度関与しているかを測定する「共有意思決定についての質問票」
(The Questionnaire about Shared Decision Making for Doctor)の間には 0.37 から 0.56 の

相関が見られた(p< 0.01)。中程度の相関が認められたことより、併存的妥当性を提示できると
考えられた。しかし、仕事への関与を測定する日本語版ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント
尺度と望ましい看護実践環境を測定する The Practice Environment Scale of the Nursing
Work Index 日本語版とは、それぞれ 0.21 と 0.32 の弱い相関が得られた(p < 0.01)。これら
より、助産師の意図しない妊娠をした女性への共有意思決定支援が、必ずしも職務・職場満足に
つながらない可能性が示唆され、この2つの尺度からの併存的妥当性の判断は十分ではなかった。
今後の課題として、これらのネガティブな結果との関連を見ていく必要性がある。また、既知グ
ループ法では、意図しない妊娠をした女性の意思決定を支援する研修に参加した経験のある助産
師と、経験のない助産師との平均点は、すべての因子において有意な差があり、研修に参加した
経験のない助産師は、5 つの因子すべてにおいて低いスコアを示した。
以上より、意図しない妊娠をした女性の共有意思決定支援における助産実践能力を測定する 5
つの領域を持ち 35 項目で構成される尺度を作成し、その信頼性と妥当性が確認された。
今後の活用法として、本尺度を助産教育効果測定指標として、また臨床現場では、助産師が自
身の実践を評価し、意図しない妊娠をした女性の共有型の意思決定支援がどのようなものなのか
認識できる尺度として適用できることが示唆された。

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