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大学・研究所にある論文を検索できる 「二相撮像FDG-PETを用いた中咽頭癌患者におけるp16発現の関連性および予後予測に関する検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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二相撮像FDG-PETを用いた中咽頭癌患者におけるp16発現の関連性および予後予測に関する検討

川村 悠太 山形大学

2021.09.30

概要

背景:中咽頭癌においてヒトパピローマウイルス(HPV)の感染の有無が治療反応性および予後に影響を与えることが知られている。中咽頭癌の術前検査として一般的に行われる FDG-PET 検査における Standardized uptake value(SUV)は、組織におけるブドウ糖代謝の程度を反映する。一般に腫瘍組織では SUV は高くなるとされ、様々な腫瘍の評価に用いられている。また、腫瘍悪性度の評価をより高める工夫として早期相と後期相からなる二相撮像がある。二相撮像における FDG-PET から得られるパラメーターから中咽頭癌症例の HPV 感染の有無の推定、患者の予後予測を行った研究は、これまでにない。本研究の目的は、二相撮像された FDG-PET の SUV における早期相および後期相から種々のSUV 変化率を解析し、これらのパラメーターと HPV のSurrogate marker である p16 発現の有無、および中咽頭癌患者の予後との関連性について検討することである。

対象と方法:2008 年 11 月〜2017 年 12 月に治療された中咽頭癌症例のうち、二相撮像 FDG-PET を実施した中咽頭癌症例 25 例(平均年齢 65.4±9.2 歳、男:女=23:2、p16陽性 19 例、陰性 6 例)を対象とした。1 名の頭頸部を専門とする放射線診断専門医が腫瘍の位置を同定し、早期相、後期相それぞれで腫瘍部位内に 3 箇所ずつ small ROI(関心領域)を設定し、各 ROI 内の SUV の最小値(SUVmin)、最大値(SUVmax)、平均値(SUVmean)を測定し、これら 3 か所の ROI の値の平均値を測定値とした。また、早期相および後期相での変化率((後期相 SUV−早期相 SUV) / 早期相 SUV)に関しても検討した。有意差の得られたパラメーターと p16 発現との関連性を統計学的に解析した。また、有意差の得られたパラメーターと、生存期間(全生存率、原病生存率)との関連性とをログランク検定を用いて解析した。

結果:SUV の単独パラメーターでは、早期相、後期相ともに有意差は認められなかった。SUV 変化率は p16 陽性例が陰性例と比較して低値を示す傾向があり、SUVmin と SUVmax においてそれぞれ有意差を認めた(p<0.05)。各パラメーターの ROC 解析では結果は、有意差の見られた SUV 変化率では、SUVmin において AUC が 0.716、感度が 100%そして特異度が 50%であった。生存解析では、SUVmax 変化率において、各症例群間でいずれも有意差は認められなかったものの、変化率がカットオフ値より低い症例群では全生存率、原病生存率ともに予後良好となる傾向が認められた。

結論:中咽頭癌症例において二相撮像 FDG-PET 検査における SUV 変化率が p16 の発現の有無との間に有意差を認めた。今後新たな HPV 感染の予測因子として有用となる可能性がある。また、SUVmax 変化率が低い症例では、有意差は認めないまでも全生存率、原病生存率ともに高くなり、予後良好である傾向が見られた。これは新たな中咽頭癌の予後因子になるかもしれず、今後症例を重ねて検討する必要がある。

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