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書き出し

食道癌の根治的放射線治療における骨格筋のラジオミクス解析の予後的意義

岩下, 和真 神戸大学

2023.03.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

Prognostic Value of Radiomics Analysis of
Skeletal Muscle After Radical Irradiation of
Esophageal Cancer

岩下, 和真
(Degree)
博士(医学)

(Date of Degree)
2023-03-25

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8684号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100485868
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(課程博士関係)
学 位 論 文 の 内 容 要 旨

Prognostic Value of Radiomics Analysis of Skeletal Muscle After Radical
Irradiation of Esophageal Cancer

食道癌の根治的放射線治療における骨格筋のラジオミクス解析
の予後的意義

神戸大学大学院医学研究科医科学専攻
放射線腫瘍学
(指導教員:佐々木良平教授)
岩下 和真

背景
加齢や慢性疾患による骨格筋や機能の低下はサルコペニアと呼ばれ、いくつかの腫瘍で
は生存の独立した予後因子と考えられている。サルコペニアは現在、筋肉量、筋力、身体機
能の測定値の組み合わせに基づいて診断されている。サルコペニアは、様々な画像診断技術
を使用して骨格筋量を評価することでも診断されており、その中でもコンピュータ断層撮
影(CT)が簡便であり最も用いられている。腹部 CT における第 3 腰椎(L3)での筋肉の
断面積は、全身の骨格筋量と相関があるため、体組成を推定するためのゴールドスタンダー
ドと考えられており、現在サルコペニアの定義に用いられている。その他にも骨格筋密度が
生存率と高い相関がある可能性があり、筋密度の上昇は予後の改善と関連することが報告
されている。
骨格筋画像は予後判定に重要な役割を果たす可能性があり、骨格筋をより精密に画像解
析するために、ラジオミクス解析が有用であると思われる。ラジオミクス解析は、多数の自
動化されたデータ特性化アルゴリズムを用いて、画像データを高次元の採掘可能な特徴空
間に変換する新しい分野である。近年のラジオミクスの進歩は、予後、サブタイプ分類、リ
ンパ節転移、遠隔転移、治療効果評価に関連する癌診療における個別化医療への可能性をも
たらしている。
食道癌は予後とサルコペニアとの関連性が最もよく研究されている癌の一つである。サ
ルコペニアは食道癌手術後の罹患率や死亡率と関連することが報告されている。また食道
癌のラジオミクス解析がこれまでに行われており、生命予後や治療関連合併症の発生率と
相関があることが判明している。しかし、ほとんどの研究は、原発巣の画像データについて
ラジオミクス解析を行ったものであり、骨格筋のラジオミクス解析を用いて生存予後を決
定した研究は今回が初めてである。このアプローチの一般化は、食道癌患者におけるサルコ
ペニアに基づく予後の確立に役立つと考えられる。治療前に予後不良と予測される患者を
特定することで、治療計画の変更や治療の強化が可能となり、不必要な毒性を減らし予後を
改善することが期待される。
本研究の目的は、骨格筋のラジオミクス特徴量を用いて、根治的照射を受けた食道癌患者
の予後予測モデルを構築することである。

対象と方法
2008 年 4 月から 2017 年 12 月までに当院で化学療法を併用または併用せずに根治的照
射を受けた食道癌患者を抽出した。本研究では、組織学的に証明された食道癌で、食道領域
の放射線治療の既往がない 20 歳以上の患者を対象とした。すべての患者は、骨格筋の評価
のために治療前の CT データを十分に有していた。腹腔リンパ節または鎖骨上リンパ節への
転移以外の遠隔転移がある、もしくは早期癌を除く重複癌がある患者は除外した。食道切除
術後または内視鏡的粘膜下層剥離術後に予防照射を受けた患者も除外した。治療前の CT が
L3 レベルまで撮影されていない患者や、画像アーチファクトのために画質が低い状態で撮

影された患者も除外した。抽出された患者 98 人を無作為に 2 群に分け,それぞれ 69 人と
29 人をモデル構築用データと検証用データに登録した。
本研究では以下の臨床変数を収集し評価した:性別、年齢、パフォーマンスステータス、
腫瘍部位、化学療法の有無、照射線量、選択的リンパ節領域照射(ENI)の有無、TNM ス
テージ。血液サンプルは照射 30 日前以内のものを用い、白血球、赤血球、好中球、リンパ
球、単球、血小板、ヘモグロビン、CRP、乳酸脱水素酵素、アルブミン値を評価し、好中球
-リンパ球比(NLR)
、血小板-リンパ球比(PLR)を算出した。その他に栄養状態の評価と
して、修正グラスゴー予後スコア、CRP/Alb 比、予後栄養指標(PNI)をそれぞれ算出した。
NLR、PLR、CRP/Alb 比、PNI については独自の最適カットオフ値を作成し 2 群に分けた。
全例に 3 次元コンフォーマル放射線治療を行った。線量は 50.4Gy または 60Gy(1 回あ
たり 1.8Gy または 2Gy で照射)
、ENI には 41.4Gy または 40Gy が処方された。総線量中
央値は 60Gy(範囲=50-66Gy)であった。81 人の患者(83%)が ENI を受けた。
化学療法の使用とレジメンは、各患者の状態、臨床経過、臓器機能に応じて医師が決定し
た。84 名(86%)の患者が化学放射線療法を受けた。同時併用化学療法は、5-フルオロウ
ラシルとシスプラチンが 72 例、5-フルオロウラシルが 9 例、エトポシドとシスプラチンが
3 例であった。
すべての患者は、最初の 1 年間は 1-2 ヶ月ごとに、その後は 3 ヶ月ごとに、局所再発や
遠隔転移の有無を確認するためにフォローアップされた。フォローアップには、血液検査、
上部消化管内視鏡検査、および CT スキャンが含まれた。フォローアップデータは電子カル
テから取得した。
骨格筋ラジオミクスは、治療計画 CT の L3 椎体レベルの中央の 1 軸スライスから抽出し
た。骨格筋は解剖学的に同定され、ハンスフィールド単位の閾値(-29〜+150)を用いて定
量化され、大腰筋、脊柱起立筋、腰方形筋、腹壁筋が含まれていた。椎骨、肋骨、脂肪、臓
器などの構造物は、手動で削除した。関心領域(ROI)は、放射線治療医が市販のソフトウ
ェア Velocity(version 4.0, Varian, Palo Alto, CA, USA)を用いて描出した。L3 骨格筋、
大腰筋、脊柱起立筋、腰方形筋、腹壁筋の 5 つの ROI が作成された。L3 レベルの総筋肉面
積を患者の身長の 2 乗(メートル)で割って骨格筋指数を算出した。同様に L3 レベルの大
腰筋指数を算出した。
統計解析は、R ソフトウェアパッケージ(The R Foundation for Statistical Computing,
Vienna, Austria)を用いて実施した。生存期間は、放射線照射開始日から死亡または生存
患者の最終フォローアップ日までの月数で計算した。死亡率に関連する最適なカットオフ
値は、ROC 曲線上の感度、特異度を最大化する点値で推定した。高次元データの回帰には
glmnet パ ッ ケ ー ジ を 基 礎 と す る LASSO (The least absolute shrinkage and

selection operator) Cox 回帰分析を用いた。さらに、ラジオミクス特徴間の相互関係は、
分散インフレーション因子(VIF)分析を用いて評価した。VIF を用いて、VIF > 10 の因

子を除去した。LASSO はモデル構築時に、それぞれの回帰係数にペナルティをかけること
で特徴選択を行い、このペナルティが大きくなるとより多くの回帰係数がゼロに縮小され、
より正則化されたモデルとなる。10 回交差検証を行い、モデル構築用データの全候補特徴
の中から最も有意な予測特徴を選択した。次に単変量および多変量解析を行い、統計学的に
有意差のある特徴量を生存予測に適した因子として選択し予測ノモグラムを構築した。ノ
モグラムは R の rms パッケージを使用して構築した。ノモグラムの予測性能は ROC 曲線
と C-index を使用して評価し、R の Hmisc 内にある Rcorrp.cens パッケージを使用して比
較した。各ポイントを合計してカットオフ値を設定し、1 年生存率と 2 年生存率について低
リスク群と高リスク群に分けた。生存曲線は Kaplan-Meier 法を用いて算出し、log-rank 検
定を用いて比較した。本研究では、臨床モデル、ラジオミクスモデル、および複合モデルの
3 種類の予測モデルを作成した。

結果
我々の施設で根治的放射線治療を行った 98 例の食道癌患者を本研究に組み入れた。観察
期間の中央値は 57.5 ヶ月(範囲=1-98 ヶ月)であった。年齢中央値は 70.5 歳(範囲=5287 歳)
、組織学的サブタイプは 94 人(96%)で扁平上皮癌であった。2 つのデータ間にお
いて患者背景に有意差は認められなかった。
各 ROI について合計 837 のラジオミクス特徴量を抽出し、合計で 4,185 の特徴量を抽出
した。LASSO-COX 回帰分析および VIF 分析を用いて、モデル構築用データ中の生存率と
関連する最適なラジオミクス特徴量が選択され、35 のラジオミクス特徴量を抽出した。次
に単変量解析および多変量解析により、臨床モデルにおいて 6 つの臨床的特徴、ラジオミ
クスモデルにおいて 8 つのラジオミクス特徴量、複合モデルにおいて 8 つのラジオミクス
特徴量と 5 つの臨床的特徴が独立した生存予測因子であることが示された。これらの因子
を用いてそれぞれノモグラムを作成し、1 年および 2 年生存率について、患者を低リスク群
と高リスク群に分類した。
その結果、臨床モデル、ラジオミクスモデル、複合モデルにおいて、低リスク群と高リス
ク群の 2 年生存率に有意差が認められた(それぞれ p = 0.0039、0.027、0.00012)。検証デ
ータの複合モデルにおいて、生存予測の感度、特異度、ROC 曲線下面積(AUC)は、それ
ぞれ 75%、92%、0.86 であった。また、臨床モデル、ラジオミクスモデル、複合モデルの
C-index はそれぞれ 0.76、0.80、0.88 で複合モデルが最も高かった。

考察
本研究では、臨床データと骨格筋ラジオミクスデータを組み合わせることで、食道癌の予
後をより正確に評価できることを見出した。我々の知る限り、骨格筋のラジオミクス解析を
用いて生存予後を決定した研究は本研究が初めてである。
サルコペニアは、食道癌の先行研究において、治療合併症の増加や生存成績の悪化と関連

している。この相関は、食道癌患者に関するいくつかの報告では観察されず、これまでの報
告では骨格筋の断面積を評価しており、サルコペニアの診断として不十分な可能性がある。
筋肉の密度も生存予後と相関するという報告がされており、CT を用いて総合的に骨格筋を
評価するのにラジオミクスが有用であるかもしれない。
本研究は、骨格筋のラジオミクス特徴量が放射線治療を受けた食道癌患者の予後と関連
することを示唆するものである。骨格筋のラジオミクスは、サルコペニアの病態をより正確
に反映している可能性がある。検証データにおける複合モデルの C-index は 0.88 であり、
高い精度の予測能力を示している。
結論として、骨格筋ラジオミクスデータと臨床データを用いた予測モデルは、根治的放射
線治療を受けた食道癌患者の生存成績を予測するのに有用である可能性がある。

神戸大学大学院医学(
系)研究科(博士課程)


ぅ 三と司蒔芝臨ミクつ糸吉 長艮 ク> 至廷 旨示

論文題目

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甲第

3286 号





受 付 番号

岩下

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食道癌の根治的放射線治療における骨格筋のラジオミクス解析の予
後的意義

主 査
審査委員

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和真

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オ叶及召松

村 上 昇 遠/

(要旨は 1
, 000字∼ 2, 000字程度)

ゴヒ早
自 尽

サルコペニアの診断にはコンピュータ断層撮影 (C
T
) 汎用されて い る。第 3腰 椎 (
L3)での筋掬の
断面積は、体組成を推定するためのゴールドスタンダードと考えられており、現在サルコペニアの定義
に用いられている。 ラジオミクス解析は、多数の自動化されたデータ特性化アルゴリズムを用いて、画
像データを高次元の採掘可能な特徴空間に変換する新しい分野である 。本研究の目的は、骨格筋のラジ
オミクス特徴量を用いて、根治的照射を受けた食道癌患者の予後予測モデルを構築することである 。

対象 と方法
2008年 4月から 2017年 1
2月までに当院で化学療法を併用または併用せずに根治的照射を受けた食
道癌患者を抽出した。本研究では、組織学的に証明された食道癌で、食道領域の放射線治療の既往がな
い 20歳以上の患者を対象とし、遠隔転移がある患者、重複癌がある患者、予防照射を受けた患者は除
外した。抽出された患者 98人を無作為に 2群に分け、それぞれ 6
9人と 29人をモデル構築用データと
検証用データに登録した。
全例に 3次元コンフォ ーマル放射線治療を行った。線最は 5
0.
4
Gyまたは 60G
y(
1回あたりl.8G
y
または 2G
yで照射) 、選択的リンパ節領域照射 (ENI)には 41
.4G
yまたは 40G
yが処方された。総線
量 中央値は 60G
y(範囲= 5
0・
66G
y)であった。 8
1人の患者 (
83%) が ENIを受けた。
骨格筋ラジオミクスは、治療計画 CTの L3椎体レベルの中央の 1軸スライスから抽出した。骨格筋


2
9 +150)を用いて定饂化され、大腰筋、脊
は解剖学的に同定され、ハンスフィールド単位の閾値 (
柱起立筋、腰方形筋、腹壁筋が含まれていた。 関心領域 (
ROI)は、放射線治療 医が市販のソフトウェ
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,CA,USA) を用いて描出した。

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tパッケージを基礎とする LASSO(
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)Cox回帰分析を用いた。 さらに、ラジオミクス特徴
l
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a
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間の相互 関係は、分散インフレーシ ョン因子 (
VIF) 分析を用いて評価した。 次に単変鏃および多変址
解析を行い、統計学的に有意差のある特徴緻 を生存予測に適した因子 として選択し予測ノモグラムを構
築した。 ノモグラムの予測性能は ROC 曲線と ・
Ci
ndex を使用して評価し、 R の Hmi
s
c 内にある

Rcor
r
p.
c
e
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sパッケー ジを使用して比較した。本研究では、臨床モデル、ラジオミクスモデル、および
複合モデルの 3種類の予測モデルを作成した。


根治的放射線治療を行った 98例の食道癌患者が本研究に組み入れられた。観 察期間の中央値は 5
7
.
5
ヶ月(範囲= 1

98ヶ月)であった。年齢中央値は 7
0
.
5歳(範囲 =5
2

8
7歳)、組織学的サプタイ プは 94
人 (
96%) で扁平上皮癌であった。 2つのデータ間において患者背最 に有意差 は認められなかった。
各 ROI について合計 83
7 のラジオミクス特徴屈 を抽出し、合計で 4
,
1
8
5 の特徴贔を抽出した。

LASSO-COX回帰分析および VIF分析を用いて、モデル構築用データ中の生存率 と関連する最適な ラ
5 のラジオ ミクス特徴量 を抽出した。 次に単変量解析お よび多変饂解
ジオミクス特徴最が選択され、 3

析により、臨床モデルにおいて 6つの臨床的特徴、ラジオミクスモデルにおいて 8つのラジオミクス特
徴量、複合モデルにおいて 8つのラジオミクス特徴量と 5つの臨床的特徴が独立した生存予測因子 であ
ることが示された。 これらの因子を用いてそれぞれノモグラムを作成し、 1年および 2年生存率につい
て、患者を低リスク群と高リスク群に分類した。
その結果、臨床モデル、ラジオミクスモデル、複合モデルにおいて、低リスク群と高リスク群の 2年
生存率に有意差が認められた(それぞれ p=0
.
0
0
3
9、0
.027、0
.
0
0
0
1
2)
。検証データの複合モデルにお

8
6であった。
いて、生存予測の感度、特異度、 ROC曲線下面積(AUC) は、それぞれ 75%、92%、0.
Ci
ndexはそれぞれ 0
.
7
6、0
.
8
0、0.
8
8で複合
また、臨床モデル、 ラジオミクスモデル、複合モデルの ・
モデルが最も高かった。


本研究では、臨床データと骨格筋ラジオミクスデータを組み合わせることで、食道癌の予後をより 正
確に評価できることを見出した。骨格筋のラジオミクス解析を用いて生存予後を決定した研究は本研究
が初めてである 。
サルコペニアは、食道癌の先行研究において、治療合併症の増加や生存成績の悪化と関連している。
この相関は、食道癌患者に関するいくつかの報告では観察されず、これまでの報告 では骨格筋の断面積
を評価し ており 、サルコペニアの診断として不十分な可能性がある 。筋関の密度も 生存予後と相関する
とい う報告 がなされており、 CT を用いて総合的に骨格筋を評価するのにラジオミクスが有用であるか
もしれない。
本研究は、骨格筋のラジオミクス特徴誠が放射線治療を受けた食道癌患者の予後と関連することを示
唆するものである。骨格筋のラジオミクスは、サルコペニアの病態をより 正確に反映している可能性が

i
nd
exは 0
.
8
8であり、高い精度の予測能力を示している 。
ある 。検証データにおける複合モデルの C・
結論として 、骨格筋ラジオミクスデータと臨床デー タを用いた予測モデルは、根治的放射線治療を受
けた食道癌患者の生存成績を予測するのに有用である可能性がある 。

本研究は、ラジオミクスを用い骨格筋の特徴贔の評価が放射線治療を受 けた食道癌患者の予後と関連
することを示 し、臨床データと併用することにより予後を予測し得る可能性を示した価値ある業績であ
ると認める 。 よって本研究者は、博士 (
医学)の学位を得る資格があるものと認める

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