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大学・研究所にある論文を検索できる 「Physiological functions of neurosteroids produced by steroid 7α-hydroxylase CYP7B1 in mice」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Physiological functions of neurosteroids produced by steroid 7α-hydroxylase CYP7B1 in mice

前畑, 佳納子 東京大学 DOI:10.15083/0002006454

2023.03.24

概要

論文審査の結果の要旨
氏名

前畑

佳納子

本論文は、マウス脳内において新規に発見したニューロステロイドがマウスの行動および
脳機能に対して果たす役割について論じており、全5章で構成されている。
第1章では、当該分野における研究背景について概説されている。ステロイドの生合成経
路や機能を説明し、それらのステロイドの中で論文提出者が着目した 7α-ヒドロキシプレグネ
ノロン (7α-OH-Preg) と 7α-ヒドロキシデヒドロエピアンドロステロン (7α-OH- DHEA) は哺
乳類において生理的役割が十分に解明されていなかったことが述べられている。
第2章では、本論文で用いた実験材料と実験方法が述べられている。
第3章では、
7α-OH-Preg および 7α-OH-DHEA の生理機能の探索についてまとめられている。
論文提出者は、マウス脳内におけるステロイド生合成酵素の mRNA 発現の有無を探り、
7α-OH-Preg および 7α-OH-DHEA の生合成に必須と考えられる水酸化酵素 CYP7B1 の mRNA
が海馬に強く発現していることを見出した。さらに、ステロイド本体の検出に向けて
LC-MS/MS 分析方法の最適化を行い、negative mode の分析によって哺乳類の脳内に
7α-OH-Preg および 7α-OH-DHEA が存在することを明らかにした。一方、哺乳類におけるこれ
らのステロイドの生理機能を探るために、Cyp7b1 KO マウスに対して種々の行動実験を実施
した。その結果、明期の初期に Cyp7b1 KO マウスは野生型マウスと異なる行動を示し、鬱様
傾向が高くなること、また、空間記憶の長期保持ができないことを発見した。さらに、Cyp7b1
KO マウスに 7α-OH-Preg および 7α-OH-DHEA を脳室内投与すると、空間記憶の長期保持効率
が野生型マウスと同程度まで向上することを見出した。
第4章では、第3章の結果が要約され、それぞれの結果について十分な考察がなされてい
る。論文提出者は、7α-OH-Preg および 7α-OH-DHEA が記憶の長期保持を増強する仕組み、鬱
様傾向の制御における CYP7B1 の役割、7α-OH-Preg と哺乳類の行動量の関係、鬱様行動や長
期記憶のような高次脳機能に時刻による違いが生じる生理的意義について議論し、今後の展
望として受容体の探索に言及している。本研究は、哺乳類において新しいニューロステロイ
ドを発見し、これらが動物の重要な脳機能の一つである長期記憶保持に関与することを明ら
かにした。このことから、本研究には新規性があり、意義があると考えられる。
第5章では、第2章から第4章までの研究結果や考察を踏まえた総括が述べられている。
なお、本論文に記述されている内容は、深田 吉孝 教授、清水 貴美子 助教、池野 知子 博
士、衛 澤峰 氏、櫻井 文香 氏 (以上、東京大学)、高尾 敏文 教授、Qiuyi Wang 氏、Yue Pan
氏 (以上、大阪大学) との共同研究であるが、論文提出者が主体となって研究を立案・遂行し
たものであり、論文提出者の寄与が十分であると判断する。
したがって審査委員会は、博士 (理学) の学位を授与できると認める。

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