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大学・研究所にある論文を検索できる 「傾向スコアマッチングを用いたIntensive Care Unit入室患者の退院時Activities of Daily Livingに影響する因子についての検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

傾向スコアマッチングを用いたIntensive Care Unit入室患者の退院時Activities of Daily Livingに影響する因子についての検討

松本, 健 神戸大学

2023.03.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

Predictors of Activities of Daily Living in
Intensive Care Unit Survivors: A Propensity
Score Matching Analysis

松本, 健
(Degree)
博士(医学)

(Date of Degree)
2023-03-25

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8687号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100485871
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(課程博士関係)

学位論文の内容要旨
Predictors of Activities of Daily Living in Intensive Care Unit Survivors:
A Propensity Score Matching Analysis

傾向スコアマッチングを用いた Intensive Care Unit 入室患者の
退院時 Activities of Daily Living に影響する因子についての検討

神戸大学大学院医学研究科医科学専攻
リハビリテーション機能回復学
(指導教員:酒井 良忠特命教授)
松本 健

【目的】
集中治療を受ける患者は増加している一方で医学の発展に伴い死亡率は低下している。
しかし Intensive care unit (ICU) を退室した患者には退院後も続く Activities of daily
living (ADL) の低下が散見されている。その原因として安静や人工呼吸管理、投薬による
筋萎縮や筋力低下が考えられている。重症敗血症を来した患者の 1/3 には ADL の障害が生
じると過去に報告されている。
これまでに一般的な患者群において握力と ADL には正の相関があるということや、下腿
周囲径が低下すると ADL が低下するなど、ADL は基本的な身体所見と関連することが報
告されている。しかしこれらの一般的な身体所見と ICU 入室患者の退院時 ADL との関連
を検討した研究は少ない。また、これまでに ICU 入室患者の身体所見を経時的に評価して
退院時 ADL との関連を検討した研究はない。
今回我々は ICU 入室患者に対してベッドサイド上で簡便に計測が可能な身体所見である、
握力、上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚を経時的に測定し、退院時 ADL に影響を与
える因子に関して傾向スコアマッチングを用いて検討した。
【対象と方法】

研究デザインと対象
研究デザインは傾向スコアマッチングを用いた後ろ向き観察研究とした。対象患者は
2018 年 4 月から 2020 年 10 月までに当院集中治療室に緊急入室した成人とした。除外基準
は、ICU を死亡退室した患者、ICU 退室後に死亡退院した患者、麻痺を来す脳血管疾患や
脊髄疾患の患者、退院時評価が出来なかった患者とした。

患者背景
患者背景は年齢、性別、ICU 入室前の要介護度を調査した。

評価項目
ICU 入室時、ICU 退室時、退院時に評価した。評価項目は Acute Physiology and Chronic
Health Evaluation (APACHE II) 、Sequential Organ Failure Assessment (SOFA) 、身
体所見(Medical Research Council scale [MRC] 、握力、上腕周囲径、下腿周囲径、大腿
四頭筋厚)
、 ICU mobility scale (IMS) , Barthel Index (BI)、人工呼吸器装着期間、ICU 在
室日数、在院日数とした。APACHEⅡは重症度評価として ICU 入室時に行い、SOFA は
ICU 入室時と ICU 退室時に評価した。身体所見は ICU 入室時、ICU 退室時、退院時に評
価した。IMS は ICU 入室時と退室時の ADL として評価し、BI は ICU 入室時、ICU 退室
時と退院時の ADL として評価した。

介護保険

要介護度の情報を介護保険制度から得た。要支援1がもっとも低い介護度であり、要介護
5 が最も高い介護度である。要支援1を1,要介護 5 を7として統計解析を行った。

握力
握力の測定は臥位、もしくは座位にて測定した。患者が人工呼吸管理を受けている際には
麻酔科医による抜管のために鎮静剤が減量されている間に実施した。意識障害や認知症に
より握力が測定できない場合には欠損値として扱った。

上腕・下腿周囲径
上腕周囲径の測定は臥位、もしくは座位にて肘関節を伸展位にし、肩峰と肘頭の中点にお
いて周囲径を測定した 。下腿周囲径の測定は臥位にて、下腿の最も太い部位を測定した。

大腿四頭筋厚
大腿四頭筋の筋厚の測定は臥位にて、上前腸骨棘と膝蓋骨上縁の正中を結ぶ線の中点を、
超音波画像診断装置を用いて計測した。

握力、上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚の変化率
握力・上腕周囲径・下腿周囲径・大腿四頭筋厚の変化率に関しては、
「ICU 入室時から ICU
退室時」と「ICU 入室時から退院時」の間の変化率をそれぞれ求めた。

High ADL 群、Low ADL 群
エンドポイントは退院時の BI とした。退院時 BI が 70 点以上の患者を High ADL 群、
70 点未満の患者を Low ADL 群とし、各評価項目に関して比較検討した。

統計学的解析
患者背景を標準化するために ICU 入室時の評価項目を用いて傾向スコアマッチングを行
った。連続変数の比較には Mann-Whitney の U 検定、カテゴリ変数の比較にはカイ二乗検
定を行った。ICU 入室時、ICU 退室時、退院時の差は Friedman 検定を行った後、Wilcoxon
の符号付順位検定を、Boferroni 補正を用いて多重比較を行った。Mann-Whitney の U 検
定で有 意差のあった 身体所見 の退院時 ADL に対す るカットオフ 値を求め るために
Receiver operating characteristic curve (ROC) 解 析 を 行 っ た 。 統 計 解 析 に は SPSS
(version 19.0; IBM, Armonk, NY, USA) を用いた。有意確率は 5%未満とした。
【結果】
411 名の患者を評価し、除外患者を除いた 306 名(男性 189 名、117 名)について検討し
た。

ICU 入室時の患者背景と身体所見
傾向スコアマッチング前において、High ADL 群は Low ADL 群に比べて年齢、介護度、
APACHEⅡが有意に低く、握力、上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚、IMS が有意に
高かった。傾向スコアマッチングを行うと患者数は 114 名となり、ICU 在室期間のみ High
ADL 群で有意に短かったが、その他の項目は両群間に有意な差は認めなかった。

傾向スコアマッチング前の身体所見の推移
全 306 名の ICU 入室患者のうち、High ADL 群は 199 名、Low ADL 群は 107 名であっ
た。退院時の MRC は、両群とも ICU 入室時に比べて高かった。握力は、High ADL 群で
は ICU 入室時から退院時にかけて経時的に高くなっていたが、Low ADL 群では変化がな
かった。上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚は、両群とも経時的に低下していた。また
MRC、握力、上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚は、ICU 入室時、ICU 退室時、退院
時の各評価時において、すべて High ADL 群が Low ADL 群より有意に高かった。

傾向スコアマッチング後の身体所見の推移
MRC と握力は、High ADL 群では経時的に高くなっていたが、Low ADL 群では変化が
なく、ICU 退室時と退院時において、High ADL 群が Low ADL 群より有意に高かった。上
腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚は、両群とも経時的に低下していた。上腕周囲径と大
腿四頭筋厚は各評価時において両群間の差は認めなかった。しかし下腿周囲径は、ICU 退
室時と退院時において、High ADL 群が Low ADL 群より有意に大きかった。

ICU 入室時から ICU 退室時の間と、ICU 入室時から退院時の間の身体所見の変化率
ICU 入室時から ICU 退室時までの身体所見の変化率は、
どの項目も High ADL 群と Low
ADL 群の間に有意な差は認めなかった。しかし ICU 入室時から退院時までの下腿周囲径と
大腿四頭筋厚の減少率は、High ADL 群が有意に低かった。
(下腿周囲径変化率:High ADL
群 −2.4±12%, Low ADL 群 −8.0±13%, p<0.01)(大腿四頭筋厚変化率:High ADL 群
−11±24%, Low ADL 群 −27±23% , p<0.01)

ROC 解析
ICU 入室時から退院時の間での下腿周囲径変化率における High ADL 群に対するカット
オフ値は-7.89%(感度 0.778,特異度 0.556)であった。また大腿四頭筋厚変化率における同
様のカットオフ値は-28.1%(感度 0.810,特異度 0.588)であった。
【考察】
今回の我々の研究の結果では、全体の ICU 患者において、退院時 ADL の高い患者は筋
力、周囲径、筋厚などの身体所見が、退院時 ADL の低い患者より、ICU 入室時から高く、

それは退院時まで同様であった。また患者背景として、年齢が若く、重症度が低く、要介護
度が低かった。
過去の報告でも ICU 患者において、
年齢や重症度や入院前の身体機能と ADL
との関連は報告されており、我々の結果と同様であった。さらに詳細に身体所見の推移と退
院時 ADL との関連を評価するためには患者背景の標準化が必要と考え、傾向スコアマッチ
ングを行った。
傾向スコアマッチングにて患者背景や ICU 入室時の身体所見をそろえて評価すると、
High ADL 群は ICU 退室時の筋力、下腿周囲径、ADL が高く、ICU 在室日数が短かった。
全体として ICU 入室時から退院時にかけて下腿周囲径や大腿四頭筋厚は経時的に低下した
が、High ADL 群ではその減少率が軽度だった。また今回、High ADL 群に対する下腿周囲
径変化率のカットオフ値が-7.89%、大腿四頭筋厚変化率のカットオフ値が-28.1%と求める
ことができ、それ以下の ICU 患者においては、退院時 ADL が低い可能性が示唆された。
下腿周囲径、大腿四頭筋厚ともにベッドサイドで非侵襲的に測定が可能であり、退院時 ADL
の予測のための身体所見として有用であると考えられた。
我々は High ADL 群の患者では下腿周囲径が大きく、その減少率は ICU 入室時から退院
時にかけて軽度であることを見出した。また High ADL 群は ICU 退室時も退院時も Low
ADL 群と比較して四肢の筋力が高かった。下腿周囲径は、下肢筋量や全身骨格筋量との関
連が報告されている。また筋肉量と筋力は相関するため、下腿周囲径の低下は下肢筋量や筋
力や全身骨格筋量の低下を反映している可能性がある。我々の研究では ICU 入室時から退
院時にかけて大腿四頭筋厚は下腿周囲径と同様に減少しており、筋肉量と下腿周囲径に関
連がある可能性があると考えられた。
今回の研究では上腕周囲径は退院時 ADL との関連を認めなかった。退院時の ADL を予測
するには歩行能力との関連がある下肢に関する身体所見の方が有用と考えられた。
本研究の限界としては、後方視的観察研究であり、今後は前向きコホート研究でこのカッ
トオフ値の信頼性について検討が必要である。また入院中の患者についての評価であるた
め、退院後の長期的予後についてはさらなる検討が必要である。
【結論】
本研究は ICU 入室患者において、入院中の身体所見の経時的な変化と退院時 ADL の関
係について傾向スコアマッチングを用いて検討した。退院時 ADL が高い ICU 入室患者は、
ICU 退室時の筋力が強く、下腿周囲径が大きかった。さらに入院中の下腿周囲径や大腿四
頭筋厚の減少率が少なかった。下腿周囲径や大腿四頭筋厚を経時的に測定することで、退院
時 ADL の予測が出来る可能性が示唆された。

神戸大学大学院医学(系)研究科(博士課程)

論 文 審 査の 結 果の 要 旨
受 付 番号





3289号





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松本 健

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井上

茂亮

掛地

吉弘

岡田

健次


要旨は 1,000字∼ 2
, 000字程度)
【目的】
集中治療を受ける患者は増加している 一方で医学の発展に伴い死亡率は低下している。しかし

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ICU)を退室した患者には退院後も続く Ac
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ADL
)の低下が
散見されている。その原因として安静や人工呼吸管理、投薬による筋萎縮や筋力低下が考えられている。
重症敗血症を来した患者の1/
3には ADLの障害が生じると過去に報告されている。
これまでに一般的な患者群において握力と ADLには正の相関があるということや、下腿周囲径が低
下すると ADLが低下するなど、 ADLは基本的な身体所見と関連することが報告されている。しかしこ
れらの一般的な身体所見と I
CU入室患者の退院時 ADLとの関連を検討した研究は少ない。また、これ

Lとの関連を検討した研究はない。
までに ICU入室患者の身体所見を経時的に評価して退院時 AD
今回我々は I
CU入室患者に対してベッドサイド上で簡便に計測が可能な身体所見である、握力、上
腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚を経時的に測定し、退院時 ADLに影響を与える因子に関して傾
向スコアマッチングを用いて検討した。

【対象と方法】
絣究デザインと対象
研究デザインは傾向スコアマッチングを用いた後ろ向き観察研究とした。対象患者は 2018年 4月か
ら 2020年 10月までに当院集中治療室に緊急入室した成人とした。除外基準は、 ICUを死亡退室した
患者、 ICU退室後に死亡退院した患者、麻痺を来す脳血管疾患や脊髄疾患の患者、退院時評価が出来な
かった患者とした。
呼個項百

ICU入室時、 ICU退室時退院時に評価した。評価項目は Acu
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I)、人工呼吸器装着期間、 ICU在室日数、在院日数とした。 APACHEIは重
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症度評価として ICU入室時に行い、 SOFAは ICU入室時と ICU退室時に評価した。身体所見は ICU
入室時、 ICU退室時、退院時に評価した。 IMSは ICU入室時と退室時の ADLとして評価し、 BIは ICU
入室時、 ICU退室時と退院時の ADLとして評価した。

エンドポイントは退院時の BIとした。退院

時B
Iが 7
0点以上の患者を Hi
g
hADL群
、 7
0点未満の患者を LowADL群とし、各評価項目に関して
比較検討した。
【結果】

4
1
1名の患者を評価し、除外患者を除いた 306名(男性 189名
、 1
1
7名)について検討した。
ICU
入室勝の原者歎景と身体所鬼

傾向スコアマッチング前において、 Hi
g
hADL群は LowADL群

に比べて年齢、介護度、 APACHEIが有意に低く、握力、上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚、 IMS
が有意に高かった。傾向スコアマッチングを行うと患者数は 1
1
4名となり、 ICU在室期間のみ Hi
g
hADL
群で有意に短かったが、その他の項目は両群間に有意な差は認めなかった。
俵洵スコアマッチング剃の弟体所易の描移

全 306名の ICU入室患者のうち、 Hi
g
hADL群は 199


、 LowADL群は 107名であった。退院時の MRCは、両群とも ICU入室時に比べて高かった。握力

、 Hi
g
hADL群では ICU入室時から退院時にかけて経時的に高くなっていたが、 LowADL群では変
化がなかった。上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚は、両群とも経時的に低下していた。また MRC、
握力、上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚は、 ICU入室時、 ICU退室時、退院時の各評価時におい
て、すべてHig
hADL群が LowADL群より有意に高かった。
俵廊スコアマッチンン後の劣体所鬼の淮移

MRCと握力は、 Hi
g
hADL群では経時的に高くなって

いたが、 LowADL群では変化がなく、 ICU退室時と退院時において、 Hi
g
hADL群が LowADL群よ
り有意に高かった。上腕周囲径、下腿周囲径、大腿四頭筋厚は、両群とも経時的に低下していた。上腕

周囲径と大腿四頭筋厚は各評価時において両群間の差は認めなかった。しかし下腿周囲径は、 ICU退室
時と退院時において、 Hi
g
hADL群が LowADL群より有意に大きかった。

ICU
入室勝から ICU
返室峙の閻と、 ICU
入室勝から退院陪の閻の劣体所鬼の変化率 ICU入室時から
ICU退室時までの身体所見の変化率は、どの項目も Hi
g
hADL群と LowADL群の間に有意な差は認め
なかった。しかし ICU入室時から退院時までの下腿周囲径と大腿四頭筋厚の減少率は、 Hi
g
hADL群が
有意に低かった。(下腿周囲径変化率: Hi
g
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%
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hADL群 ー 1
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,LowADL群 ー27
士2
3%,p
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1
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解折
ROC

ICU入室時から退院時の間での下腿周囲径変化率における Hi
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hADL群に対するカット

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.
8
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% (感度 0
.
7
7
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.
5
5
6
) であった。また大腿四頭筋厚変化率における同様のカット
オフ値は 2
8
.1%(感度 0
.
8
1
0,特異度 0
.
5
8
8
) であった。
【結論]
本研究は ICU入室患者において、入院中の身体所見の経時的な変化と退院時 ADLの関係について傾
向スコアマッチングを用いて検討した。退院時 ADLが高い ICU入室患者は、 ICU退室時の筋力が強く、
下腿周囲径が大きかった。さらに入院中の下腿周囲径や大腿四頭筋厚の減少率が少なかった。下腿周囲
径や大腿四頭筋厚を経時的に測定することで、退院時 ADLの予測が出来る可能性が示唆された。
よって本研究者は、t専士(医学)の学位を得る資格があると認める。

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