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大学・研究所にある論文を検索できる 「リモートセンシングによる海面養殖施設マッピング手法の開発と適用」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

リモートセンシングによる海面養殖施設マッピング手法の開発と適用

村田 裕樹 東北大学

2021.02.28

概要

【目的】
 沿岸域の持続可能な利用のため,海洋利用の状況把握が国内外の各種政策において求められている。本研究はリモートセンシングにより沿岸域に設置された海面養殖施設の地図を作成(マッピング)するための効率的な手法を開発し,その手法を適用することで汎用性を確認することを目的とした。

【方法】
 人工衛星から撮影された高分解能光学衛星画像を用いた海面養殖施設の自動抽出手法の開発をおこなった。また、航空機に搭載された合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar: SAR)によって取得されたデータを用いて海面養殖施設の検出・種類判別手法の開発を行った。調査海域は三陸沿岸とした。高分解能光学衛星画像による手法開発は岩手県山田湾に設置された筏式養殖施設と延縄式養殖施設を対象としておこなった。SARによる手法開発では宮城県松島湾に設置された筏式,延縄式,木架式の3種類の養殖施設を対象とした。その後,これらの開発手法を山田湾および岩手県・宮城県の県境の位置する広田湾に適用し,汎用性について確認した。

【分析結果】
 高分解能光学衛星画像から筏式養殖施設を台数ベースで99.7%,面積ベースで92.5~99.8%の精度で自動抽出できることを明らかにした。一方,延縄式養殖施設の自動抽出精度は低かったため目視判読によるマッピングが有効であった。
 SARの単偏波観測画像からは海面養殖施設の種類を判別することは困難であった。そこでSARの全偏波観測データを2回反射,体積散乱,表面散乱の3成分に分解した結果,木架式養殖施設と延縄式養殖施設では2回反射の散乱寄与パーセント値が重複しないことから,これらを判別できることが分かった。延縄式養殖施設と筏式養殖施設は3成分分解の結果からは判別することができなかったものの,その大きさが異なることから目視判別が可能であった。このように,3種類の海面養殖施設を検出・種類判別できることを明らかにした。
 これらの開発手法を山田湾と広田湾に適用した。山田湾では過去に遡った解析を行い,東日本大震災前後での養殖施設の台数・空間配置が変化したことを明らかとした。広田湾では人工衛星に搭載されたSARから海面養殖施設の設置されている区画ごとに種類判別が可能であることを明らかとした。これらの結果から,開発した手法は汎用性があることが分かった。

【結論】
 高分解能光学衛星による海面養殖施設の自動抽出とSARによる海面養殖施設の検出・種類判別手法を開発し,その汎用性を確認した。これらの手法によって,これまでは各地域の漁協が自主的に管理してきた海面養殖施設の台数・空間配置を上空からのリモートセンシングデータを用いて効率的に把握できることを示した。
 今回開発した手法は漁業に関連する分野はもちろんのこと,船舶航行安全や環境影響評価などの他の分野においても利用が期待できる。

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