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大学・研究所にある論文を検索できる 「A Human iPSC-Derived Cardiomyocyte Model for TNNT2 Δ160E-Induced Cardiomyopathy」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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A Human iPSC-Derived Cardiomyocyte Model for TNNT2 Δ160E-Induced Cardiomyopathy

Kondo, Takumi 大阪大学

2022.06.30

概要

[目的(Purpose)]
肥大型心筋症の原因適伝子の多くは、サルコメアを構成する Thick filament、Thin filamentをコードする伝子であり、Thin filamentを構成するトロポニン遺伝子変異は、肥大型心筋症のおよそ1割に同定される。Thin filamentの遺伝子変異は、肥大型心筋症において拘束性障害や収縮力低下をきたすリスク因子であることが知られている。中でもトロボニンTをコードするTNN72道伝子におけるA160E変異は肥大型心筋症症例で同定された病原性の高い稀少変異であり、同変異をもつ症例の予後は不良である。しかし、トロポニン遺伝子変異がヒト心筋細胞においてどのように肥大型心筋症の病態形成に関わるのかは明らかでない。そのため我々はTNN?2 A160E変異をもつ家族性肥大型心筋症症例から疾患特異的iS細胞由来分化・心筋細胞を作成し、アインジェニック細胞との比較により病態を解明することを目的とした。

[方法ならびに成 (Methods/Results)]
我々は進行性の左室収縮障害をきたし重症心不全に至った家族性肥大型心筋症症例よりヘテロ接合型の3塩基欠損(c.478 480del) を同定した。結果としてグルタミン酸1分子の欠損を伴うA160E変異であり、過去文献ではトロポニンTのLinker部分の可動性が低下し、トロポニンCでのカルシウム親和性が元進することが報告されている。また、本症例の右室心筋生検検体を用いた心臓組織染色において、コントロールとなる心筋症症例と比較して頭著な心筋細胞の肥大を認めた。次に我々はゲノム編集技術を用いてアイソジェニックiPS細胞を作成した。両アレルにA160E変異を導入したホモ接合型A160E株、また変異を修復したWT株を作成し、平面分化法を用いてヘテロ接合型A160E株、ホモ接合型△160E株、wT株の3株を・心筋細胞へと分化誘導させた。ヘテロ接合型A160E ips細胞由来分化心筋細胞はWT株と比較して細胞質カルシウム度の減衰時間が延長し、収縮動態における緩障害、多電極アレイにおけるField Potential
Durationの延長によび心筋細胞の肥大をした。さらにこれらの表現型はホモ接合型160匹株においてより頭著であった。ホモ接合型、ヘテロ接合型A160E株におけるカルシウム動態の異常とトロポニンのカルシウム親和性との関連を調べるため、正常iPS細胞由来心筋細胞にアデノ随伴ウイルスを用いて、カルシウム蛍光タンパクであるRGECOとトロポニンTの融合タンパクを強制発現させた。A160E変異トロポニンTは、サルコメア局所のカルシウム動態においてカルシウム濃度の減衰時間や上昇時間を延長させた。このことから4160E変異によりサルコメアにおけるカルシウムの滞留が生じ、細胞質のカルシウムトランジェント〜影響していることが考えられた。ハイコンテントイメージングシステムを用いた解析によりA160E ips細胞由来分化・心筋細胞、特にホモ接合型A160E株においてNFATclの核内移行が進していることが判明し、A160E変異が変異トロポニンTの発現量に比例して肥大シグナルを活性化させていることが示唆された。またホモ接合型A160E株、ヘテロ接合型A160株においてはカルシウム制御タンパクであるCaMKITSのリン酸化、およびそのターグットであるホスホランバンの17番スレオニンでのリン酸化も元進していた。カルシウム感受性を低下させることが知られている没食子酸エピガロカテキン(EGCG)はA160E株において延長していたカルシウム濃度の減衰時間および収縮動態における弛緩時間を短縮させた。

[総括(Conclusion)]
TNNT2A160E変異は、サルコメア局所におけるカルシウム動態の異常から弛緩障害やカルシウム制御path wayの元進をもたらし肥大型心筋症の病態に寄与することが示され、アインジェニックiPS細胞由来分化心筋細胞は肥大型心筋症の病態解明及び治療法開発のための有用なヒトモデルであると考える。

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