呼吸機能と関連があるヒトRAGE一塩基多型ノックインマウスの作製とその機能解析

概要

近年、⼭⽥らは東北メディカル・メガバンク機構にて、⽇本⼈を対象とした呼
吸機能のゲノムワイド関連解析（Genome-Wide Association Study: GWAS）を
実施した。その結果、努⼒肺活量に対する 1 秒量の⽐である、1 秒率と最も強い関
連のある遺伝⼦座である AGER rs2070600 が同定され、RAGE（receptor for
advanced glycation endproducts）の 82 番⽬のグリシンがセリンに置換される箇所
（G82S）に相当した。AGER rs2070600 は RAGE G82S 多型があるマイナーアレ
ル群が慢性閉塞性肺疾患（chronic obstructive pulmonary disease: COPD）の発症リ
スクが低いことが報告されているが、RAGE G82S 多型についてはヒトを対象とし
た疫学的な調査が主であり、直接的な原因は明らかになっていない。本研究はゲノ
ム編集法でヒト RAGE G82S ⼀塩基多型に対応する、RAGE G81S 変異マウスを作
製し、同変異がマウスの呼吸機能や肺構造に与える影響を検討することで、ヒトで
得られた疫学的な研究結果と関連があるか否かを検討した。
ゲノム編集法とその後の交配を重ね、RAGEG81S/WT及びRAGEG81S/G81Sマウスを
得た。 ...

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