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大学・研究所にある論文を検索できる 「Development of the Measurement of Taurine Concentration by the Skin Blotting : A Non-Invasive Identifying Method for Chronic Dehydration of Vulnerable Older People in Home Care Setting」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Development of the Measurement of Taurine Concentration by the Skin Blotting : A Non-Invasive Identifying Method for Chronic Dehydration of Vulnerable Older People in Home Care Setting

東村, 志保 東京大学 DOI:10.15083/0002006471

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 東村 志保
本研究は、在宅療養高齢者の慢性高張性脱水を非侵襲的に同定するために、皮膚のタウ
リンに着目し、この濃度が体液の浸透圧に伴って変動するという仮説のもと、スキンブロ
ッティング法を用いて採取したタウリンを定量化し、血清浸透圧を推定する方法を開発し
たものである。研究は、Study1 と Study 2 からなり、以下の結果が得られている。
1.Study 1 では、皮膚のタウリン濃度を検出することを目的に、陰イオン交換膜と
ニトロセルロースメンブレンをタウリンの非侵襲的な採取に使用し、ニンヒドリ
ンによる呈色反応の吸光度により定量化する新しいスキンブロッティング法を開
発した。4つの段階により、次の結果を得た。すなわち、Step 1 で、陰イオン交
換膜上においてニンヒドリンによるタウリンの呈色反応が得られることを確認し
た。Step 2 で、タウリンのニンヒドリン反応が特異的であることをグリシンとウ
シ胎仔血清との比較により確認した。Step 3 で、450 nm におけるタウリンの呈
色反応の吸光度測定について、変動係数を求めて安定した測定値が得られること
を確認した。さらに、ヒトの血清タウリン濃度の範囲におけるタウリンの濃度と
ニンヒドリン呈色反応の吸光度が有意な線形の関係を有することを確認した。最
後に、Step 4 で、ラットを用いた動物実験により、スキンブロッテインング法に
よるタウリンの吸光度と高速液体クロマトグラフィによるラットの皮膚タウリン
濃度が有意な線形の関係性にあることを確認した。以上により、皮膚タウリン濃
度を定量化する方法として、新しいスキンブロッティング法が確立されたと結論
した。
2.Study 2 では、訪問看護ステーションのサービスを利用する在宅療養高齢者 33 名
を対象に新しいスキンブロッティング法を用いた血清浸透圧の推定を行い、スキ
ンブロッティング法によるタウリンの吸光度と血清浸透圧のあいだに有意な相関
があることを確認した。一方、血清浸透圧に基づき脱水を 291 mOsm/L 以上と操
作的に定義したとき、同協力者において血清浸透圧が 291 mOsm/L 以上であった
人は 66.7%、300 mOsm/L 以上は 36.4%であり、虚弱な在宅療養高齢者における
高張性脱水の高い有症率が示された。さらに、スキンブロッティング法において
タウリン吸光度 0.272 をカットオフポイントにしたとき、血清浸透圧 291
mOsm/L 以上の高張性脱水を感度 77.3%、特異度 81.8%で判別できることが示さ
れた。高血清浸透圧を呈した協力者のなかに急性の脱水症状を有する人がなかっ
たこと、さらに、従来の脱水の症状は血清浸透圧との関連がなかったことから、

在宅療養高齢者における高張性脱水は慢性的かつ潜行性に進行することが示唆さ
れた。
以上、本論文は、在宅療養高齢者における高張性脱水を非侵襲的に同定する新しい手法
を確立したものである。また、同対象における高血清浸透圧について、これまで報告がな
い有症率を示し、高齢期における同病態の健康への影響の解明や予防的な看護介入の可能
性につながる重要な貢献を成すものと考えられる。
よって、本論文は博士(保健学)の学位請求論文として合格と認められる。

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