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大学・研究所にある論文を検索できる 「神経保護治療の実用化に資するカルパイン活性化の生体内イメージングシステムの開発」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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神経保護治療の実用化に資するカルパイン活性化の生体内イメージングシステムの開発

浅野 俊文 東北大学

2020.03.25

概要

【背景と目的】
網膜神経節細胞(retinal ganglion cell: RGC)は生体内において視覚情報を中枢へと送る重要な働きを担う。 RGC は生体内で増殖しないため、障害されると不可逆的視機能障害を来す。RGC は緑内障など様々な疾患で障害され、その機序の一つにカルパインの活性化が関与していることから、神経保護治療としてカルパイン阻害薬の開発が進められている。しかし、生体内での網膜のカルパイン活性化を評価する手法は、未だ確立されておらず、神経保護治療薬の効率的な開発のためにも、その評価法の開発が期待されている。そこで、本研究では蛍光プローブを活用して生体内でカルパイン活性を評価可能な生体内イメージングシステムを開発した。

【方法】
カルパイン活性検出蛍光プローブ Acetyl-L-leucyl-L-methionine- hydroxymethyl rhodamine green(Ac-LM-HMRG)の毒性評価をLactate dehydrogenase(LDH) 放出アッセイ、網膜組織切片の観察と網膜電図 Electroretinograms (ERG)を用いて評価した。ヒトカルパイン-1 に対する酵素反応を評価した。またカルパイン活性検出における有効性を、In vitro では、ラット網膜から単離した初代培養RGC にグルタミン酸障害をかけ評価した。In vivo では Brown Norway ラットの眼球に N-メチル-D-アスパラギン酸(N-methyl-D-aspartate: NMDA)を硝子体内投与して網膜興奮毒性障害を引き起こし、NMDA 投与後 6 時間にAc-LM-HMRG の硝子体内投与を行い、 共焦点走査型ダイオードレーザー検眼鏡を用いて評価した。またカルパイン阻害薬である SNJ-1945 のカルパイン活性化抑制効果の評価も検討した。

【結果】
Ac-LM-HMRG による明らかな細胞毒性及び網膜毒性は認めなかった。ヒトカルパイン-1 による Ac-LM-HMRG の加水分解が生じ、産生されたHMRG の蛍光を検出することが可能であった。グルタミン酸で処理した後、単離した RGC の HMRG による蛍光は陰性対照群よりも増強した。一方、SNJ-1945 を投与することで HMRG の蛍光は減弱した。NMDA 障害眼ではコントロール眼と比較し Ac-LM-HMRG によって標識された蛍光陽性細胞数の有意な上昇を認め、またその蛍光陽性細胞数は SNJ-1945 を投与することで有意に減少し、網膜細胞におけるカルパイン活性化を生体内で定量的に評価することが可能であった。

【結論】
Ac-LM-HMRG を用いた生体内イメージングシステムは、NMDA 硝子体内投与による網膜細胞内のカルパインの活性化と SNJ-1945 によるカルパイン活性化阻害効果を評価可能であり、また明らかな網膜毒性は認められなかった。本手法はカルパイン阻害薬 SNJ-1945 のコンパニオン診断システムとして新たな神経保護治療の開発に役立つことが期待される。

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