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書き出し

C–O/C–N 結合切断型新反応の開発

楊, 沢堃 東京大学 DOI:10.15083/0002006400

2023.03.24

概要

審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 楊 沢堃

これまでの有機合成では、
「化石資源から有用物質への分子変換」を命題としてきたため、C–
H 結合を如何にうまく酸化しつつ官能基を導入するかが核心課題となってきた。今後は、天然・
生物資源や機能性分子に多く含まれる高度に酸化された結合(C–O, C–N 結合など)から“還
元的に”分子変換する手法がますます重要になると考えられる。しかしながら、C–O / C–N 結
合は結合エネルギーが極めて高く、切断しつつ分子変換に用いることはこれまで限定的であった。
そこで楊 沢堃は、(1) C–O / C–N 結合切断型村橋カップリング反応の開発、 (2) 遷移金属触
媒による C–O / C–N 結合切断を基盤とする重縮合反応の開発、(3) 可視光下での C(sp3)–N 結
合の切断による立体選択的なアルケンの官能基化反応の開発、に挑戦した。
(1) C–O / C–N 結合切断型村橋カップリング反応の開発
有機リチウム化合物は、有機合成の
様々な用途に広く利用されてきた。1975
年に村橋らは、ニッケル触媒に限定され
てきたクロスカップリング反応が、有機
リチウム試薬を用いるとパラジウム触媒
存在下に円滑に進行することを見いだし、
大きなブレークスルーとなった。しかし、
その後に開発された有機ホウ素試薬や亜
鉛試薬などを用いるクロスカップリング
反応に取って代わられることになる。そ
の原因は、有機リチウム試薬が高活性で
あり、ハロゲン-リチウム交換反応や脱
Figure 1. Cross-Coupling of Organolithium with Ethers or Aryl Ammonium Salts
水素反応などの副反応が競合し、反応選
択性が一般に低いと考えられてきたためである。近年、C–O / C–N 結合切断型クロスカップリ
ング反応が、ハロゲン化物を用いない新規アプローチとして注目されている。C–O / C–N 結合
を含む求電子剤は自然界や機能性分子に多く見られ、入手容易、低コスト、低毒性などの利点を
持っている。今回、楊は有機リチウム試薬の高い反応性・潜在能力に着目し、C–O / C–N 結合
切断型クロスカップリング反応の開発に取り組んだ (Fig. 1)。
反応条件を検討した結果、トルエン中、1.5 当量フェニルリチウムと 1 当量のエーテルに、
、SIMes 配位子(10 mol%)を加えて、室温下 12 時間反応させたところ、
Ni(cod)2(10 mol%)
高収率にて目的物が得られた。この条件を最適条件として、基質一般性の検討を行った。その結
果、電子供与基/電子求引基を有する様々なアリールリチウムや立体的に嵩高いアリールリチウ
ムにおいても、中程度から高収率にて目的物を与えることが判明した。また、複素環を有するア
リールリチウムを用いた場合にも高収率にて反応が進行し、多様な分子骨格を構築できることが
わかった。さらに、ビニル基上において立体保持でカップリング反応が進行した。また、アルキ
ルリチウムも高収率にて反応した。エーテル基質(求電子剤)上にも様々な官能基が共存可能で
あった。複素環、sp3 炭素-酸素結合を有する基質を用いた場合にも反応が円滑に進行すること
を確認した。
続いて、天然にも多く存在するアミンの誘導体であるアンモニウム塩を基質として、C–N 結
合切断型クロスカップリング反応を検討した。ヨウ化アリールから調製した有機リチウム試薬と

アンモニウムヨージドを基質として用いて反応条件を種々検討した結果、THF 中、市販のパラ
ジウム触媒であるジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 5 mol% 存在下、室温に
おいて高収率にて反応が進行した。基質一般性の検討を行った結果、電子求引基/電子供与基を
有するアリールリチウム、アンモニウム塩いずれにおいても、中程度から高収率にて生成物が得
られた。
(2) 遷移金属触媒による C–O / C–N 結合切断を基盤とする重縮合反応の開発
14 samples,
Catalyst A or B
π共役系高分子は、優 BrMg Ar MgBr + MeO Ar OMe
up to 96% isolated yield,
Ar
Ar
0.3 M in toluene, T °C, 12 h
up to 23.6 kDa M
n
れた光・電子機能を有す
3
1
2
Catalyst A: NiCl (PCy ) (5 mol%), PCy (10 mol%); Catalyst B: Ni(cod) (5 mol%), ICy (10 mol%)
Selected Examples
るため、発光材料・セン
C H
サー・光電変換材料など
C H
C H
C H
C H
2a
2a
2b
N
1a
1a
1b
様々な分野で広く利用
n
n
n
されてきた。これらの高
3ba
3ab
3aa
Catalyst A, rt., 96% yield
Catalyst A, rt., 92% yield
Catalyst A, rt., 96% yield
分子は主に有機金属化
M = 23.2 kDa, PDI = 3.02
M = 17.9 kDa, PDI = 2.58
M = 23.6 kDa, PDI = 2.73
C H
合物と有機ハロゲン化
Me
C H
C H
Me
C H
C H
C H
C H
2d
2e
物との重合反応によっ
2c
1a
1a
1a
Me
て合成されてきた。今後、
Me
n
n
n
3ac
3ad
3ae
さらに多様な応用が期
Catalyst B, 70 °C, 80% yield
Catalyst B, 70 °C, 82% yield
Catalyst B, 70 °C, 88% yield
M = 14.3 kDa, PDI = 2.33
M = 9.2 kDa, PDI = 2.11
M = 12.1 kDa, PDI = 2.32
待されており、π共役系
高分子への需要が増え
Figure 2. Selected examples of polycondensation between Grignard reagents and methoxyarenes.
続けていくと予想されている。そこで、楊は安定・安価で、容易に入手可能なアリールエーテル
あるいはアニリン誘導体を求電子モノマーとして選択し、新たな C–O / C–N 結合切断型重合反
応の開発に着手した。
まず、機能性分子に多く見られるフルオレン構造を骨格とする “di-Grignard” 試薬 1a と 2,6ジメトキシナフタレン 2a をモノマーとして、市販のニッケル錯体(Catalyst A, Fig. 2)を触媒
として用い、重縮合反応の検討を行った。通常の条件下(削状マグネシウム、ジブロモアレーン、
THF 溶媒、加熱還流)で調製した 1a を用いて、反応を行ったところ、重縮合反応は進行した
ものの、生成した 3aa は低収率、低い数平均分子量にとどまった。原因を精査した結果、
“di-Grignard” 試薬は非常に不安定であり、加熱を伴う調製法では、片側の C–Mg 結合が THF
と反応し、水素化された “mono-Grignard” 種が多く生成し重縮合反応を阻害していることが明
らかとなった。そこで、楊は Rieke 法を利用し、–78 °C で高純度な “di-Grignard” 試薬を調製
し、本反応に用いた。その結果、重合反応が円滑に進行し、高収率かつ高い数平均分子量にてポ
リマーが得られた。また、電子豊富なイミダゾールリガンド(Catalyst B)を用いることで、酸
化的付加活性の極めて低いアリールエーテル 2c-e もモノマーとして利用可能になった。さらに、
本条件下では、Grignard 試薬のみならず、有機リチウム試薬も有効であった。
一方、アニリン誘 BrMg Ar MgBr + TfO·Me N Ar NMe ·OTf PdCl (PPh ) (1 mol%)
0.3 M in THF, rt., 12 h
導体からのアンモニ
1
4
ウム塩 4 をモノマ
Ph
ーとする C–N 結合
C H
C H
C H
C H
4g
4f
4f
S
切断型重縮合反応の
1a
1a
1c
C H
C H
C H
C H
開発も行った。種々
n
n
n
3af
3cf
3ag
95% yield, M = 23.4 kDa, PDI = 2.64
84% yield, M = 13.5 kDa, PDI = 2.48
88% yield, M = 24.0 kDa, PDI = 2.51
検討の結果、市販の
パラジウム触媒を用
Figure 3. Polycondensation between Grignard reagents and ammonium salts.
い、室温下、高収率
かつ高い数平均分子量にてポリマーを得ることができた(Fig. 3)。本手法では、溶解性に優れ
た THF を溶媒として用いるため、長いアルキル鎖を持たない “di-Grignard” 種 1c なども利用
可能であり、機能性材料に多く見られるチオフェン構造の導入にも成功した。
1

2

1

2

n

2

3 2

3

2

n

n

6 13

n

n

6 13

n

6 13

n

3

2

n

6 13

2

3 2

3

n

n

6 13

n

n

6 13

n

6 13

n

n

6 13

n

6 13

n

6 13

n

6 13

n

6 13

n

1

n

n

n

6 13

n

6 13

n

n

n

n

12 25

6 13

6 13

n

6 13

6 13

n

6 13

(3) 可視光下での C(sp3)–N 結合の切断による立体選択的なアルケンの官能基化反応
本研究では、新たな反応駆動力として「光エネルギー」を活用して、電子励起状態の積極利用
による C(sp3)–N 結合切断を企画した。具体的には、種々のアミンから容易に調製可能なアル
キルピリジニウム塩(Katritzky 塩)を用い、可視光による C(sp3)–N 結合切断を基盤とするア
ルケンのラジカル型官能基化(Heck 型)反応の開発に着手した。
Ph

R1

H

R1

Ph

NH2

O

BF4
Ph

facile preparation

Ph
R1

R2
H
(1.1 eq.)

Ph
N
Ph
(1 eq.)

fac-Ir(ppy)3 (1 mol%)
blue LEDs, rt., 12 h,
0.1M in DMSO,

without
external base

BF4

R2

H

Z-stereoselectivity
29 samples,
up to 99% isolated yield

H

[Ru(bpy)3](PF6)2 (1 mol%)

R2

blue LEDs, rt., 12 h,
0.1M in DMSO,

R1

E-stereospecificity

Figure 4. Photo-Induced C(sp3)–N Bond Cleavage Leading to Stereoselective Syntheses of Alkenes

種々検討の結果、室温で可視光(455 nm、青色 LED)照射下、市販の光触媒を用いることで、
C–N 結合切断反応が円滑に進行し、目的のアルケンが高収率にて得られることを見出した(Fig.
4)。さらに本反応では、触媒の選択により立体選択性の能動的制御が可能であった。fac-Ir(ppy)3
を光触媒として用いた時には Z–アルケンが主生成物として得られたが、[Ru(bpy)3](PF6)2 を用
いた場合には、Z–異性体の生成を伴わず、選択的に E–アルケンが得られた。
本反応の反応機構や選択性の起源を解明するために、ラジカル捕捉反応(Fig. 5a)や光によ
る異性化反応(Fig. 5b-c)などの検証実験を行い、
「Step 1: Katritzky 塩の光触媒(励起状態)
1
による一電子還元および C–N 結合の切断(R • ラジカルの発生)」
「Step 2: アルケンに対する
付加反応」
「Step 3: 一電子授受による触媒の再生」
「Step 4: カチオン中間体の脱離反応(アル
ケンの生成)
」からなる触媒サイクル(Fig. 5d)を明らかにした。また、本反応の立体選択性は、
Ir 触媒系では光によるアルケンの E / Z 異性化(Step 5)、Ru 触媒系では脱離反応(Step 4)
によって決定されると結論づけられた。
(a)
TEMPO 2 eq.

Ph

fac-Ir(ppy)3 (1 mol%)
or
[Ru(bpy)3](PF6)2 (1 mol%)

MeO2C
Ph

(b)

Ph

Ph

N

Ph

BF4

5a (1 eq.)

+

0.1 M in DMSO
blue LEDs, rt., 12 h
OMe
6a (1.1 eq.)

Ph
MeO2C

Ph
Me

O
Me

fac-Ir(ppy)3 (5 mol%)
0.1 M in DMSO
blue LEDs, rt., 12 h

MeO2C

Me

7aa

OMe

without photocatalyst
0.1 M in DMSO
blue LEDs, rt., 12 h

MeO2C 100% E

N

90% Z : 10% E

no transformation

Ph

Me

OMe

Detected by ESI-MS

MeO2C

OMe

[Ru(bpy)3](PF6)2 (5 mol%)
0.1 M in DMSO
blue LEDs, rt., 12 h

Not Detected
100% Z

(c)

no transformation

(d)
Ph
Ph

N

PC*

R1

visible
light

H+
R1

PC

R2
Step 4

R2

R1

PC = [Ir(III)] or [Ru(II)]

Ph

with [Ir(III)]

e

with [Ru(II)]
Ph

with [Ir(III)]
with [Ir(III)]

Ph

e

PC+

Step 1

Step 3

N
R1
Step 2

Ph

R1

PC = [Ir(III)]
visible light

R2

Step 5

R1
photo-induced
isomerization

R2

R2

Figure 5. Mechanistic study.

以上、楊は、理論と実験の協奏により、適切な金属試薬と遷移金属触媒の選択により様々なク
ロスカップリング反応、重縮合反応、ならびに可視光下での C(sp3)–N 結合の切断による立体
選択的な Heck 型反応を開発した。天然資源や機能性分子に多く含まれる C–O / C–N 結合を
C–C 結合に変換することを実現した。本研究にて設計・開発した方法論や、新たに合成を可能
にした化合物群が、今後の低分子から高分子の医薬品や機能性分子などの創製・創出に資するこ
とが期待される。
よって本論文は博士(薬科学)の学位請求論文として合格と認められる。

この論文で使われている画像

参考文献

第一章

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第⼆章

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Y. Matsumoto, K. Tanaka, J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 8404; e) M. Uchiyama,

Y. Kobayashi, T. Furuyama, S. Nakamura, Y. Kajihara, T. Miyoshi, T. Sakamoto,

Y. Kondo, K. Morokuma, J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 472; f) T. Furuyama, M.

Yonehara, S. Arimoto, M. Kobayashi, Y. Matsumoto, M. Uchiyama, Chem. Eur. J.

2008, 14, 10348.

2-6) K. Ouyang, W. Hao, W.-X. Zhang, Z. Xi, Chem. Rev. 2015, 115, 12045.

2-7) E. Wenkert, A.-L. Han, C.-J. Jenny, J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1988, 975.

2-8) a) S. B. Blakey, D. W. C. MacMillan, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 6046; b) K. R.

Buszek, N. Brown, Org. Lett. 2007, 9, 707; c) P. Maity, D. M. Shacklady-McAtee,

G. P. A. Yap, E. R. Sirianni, M. P. Watson, J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 280; d)

J. T. Reeves, D. R. Fandrick, Z. Tan, J. J. Song, H. Lee, N. K. Yee, C. H.

Senanayake, Org. Lett. 2010, 12, 4388; e) L.-G. Xie, Z.-X. Wang, Angew. Chem.

Int. Ed. 2011, 50, 4901; Angew. Chem. 2011, 123, 5003; f) H. Zhang, S. Hagihara,

95

K. Itami, Chem. Eur. J. 2015, 21, 16796; g) F. Zhu, J.-L. Tao, Z.-X. Wang, Org.

Lett. 2015, 17, 4926; h) D. Hu, H. Sun, W. Cai, X. Pu, Y. Zhang, Z. Shi, J. Org.

Chem. 2016, 81, 14; i) T. Uemura, M. Yamaguchi, N. Chatani, Angew. Chem. Int.

Ed. 2016, 55, 3162; Angew. Chem. 2016, 128, 3214; j) T. Moragas, M. Gaydou,

R. Martin, Angew. Chem. Int. Ed. 2016, 55, 5053; Angew. Chem. 2016, 128, 5137.

第三章

3-1) T.Ito, H. Shirakawa, S. Ikeda, J. Polym. Sci., Polym. Chem. Ed., 1974, 12, 11.

3-2) H. Shirakawa, E. J. Louis, A. G. MacDiarmid, C. K. Chiang, A. J. Heeger, J. Chem.

Soc., Chem. Commun.1977, 16, 578-580.

3-3) a) S. Günes, H. Neugebauer, N. S. Sariciftci, Chem. Rev. 2007, 107, 1324–1338;

b) P. M. Beaujuge, J. M. J. Fréchet, J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 20009–20029;

c) A. C. Grimsdale, K. Leok Chan, R. E. Martin, P. G. Jokisz, A. B. Holmes, Chem.

Rev. 2009, 109, 897–1091; d) P. Lin, F. Yan, Adv. Mater. 2011, 24, 34–51.

3-4) a) A. Kiriy, V. Senkovskyy, M. Sommer, Macromol. Rapid Commun. 2011, 32,

1503–1517; b) T. Yokozawa, A. Yokoyama, Chem. Rev. 2009, 109, 5595–5619;

c) J. Sakamoto, M. Rehahn, G. Wegner, A. D. Schlüter, Macromol. Rapid

Commun. 2009, 30, 653–687; d) B. Carsten, F. He, H. J. Son, T. Xu, L. Yu, Chem.

Rev. 2011, 111, 1493–1528; e) T. Yokozawa, Y. Ohta, Chem. Rev. 2016, 116,

1950–1968; f) Y. C. Teo, H. W. H. Lai, Y. Xia, Chem. Eur. J. 2017, 23, 14101–

14112.

3-5) R. D. Rieke, Science 1989, 246, 1260–1264.

3-6) a) E. Hevia, R. E. Mulvey, Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 6448–6450. b). A. D.

Benischke, M. Ellwart, M. R. Becker, P. Knochel, Synthesis 2016, 48, 1101–1107.

3-7) L. Pu, Acc. Chem. Res. 2017, 50, 1032–1040.

3-8) a) S. B. Blakey, D. W. C. MacMillan, J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 6046–6047; b)

J. T. Reeves, et al. Org. Lett. 2010, 12, 4388–4391; c) L.-G. Xie, Z.-X. Wang,

Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 4901–4904; d) F. Zhu, J.-L. Tao, Z.-X. Wang,

Org. Lett. 2015, 17, 4926–4929; e) H. Zhang, S. Hagihara, K. Itami, Chem. Eur.

J. 2015, 21, 16796–16800; f) J. Hu, et al. J. Org. Chem. 2016, 81, 14–24; g) T.

Moragas, M. Gaydou, R. Martin, Angew. Chem. Int. Ed. 2016, 55, 5053–5057; h)

D.-Y. Wang, Nat. Commun. 2016, 7, 12937; i) D.-Y, Wang, K. Morimoto, Z.-K.

Yang, C. Wang, M. Uchiyama, M. Chem. Asian J. 2017, 12, 2554–2557; j) H.

Ogawa, et al. ACS Catal. 2017, 7, 3988–3994; k) Z.-K. Yang, et al. Chem. Eur. J.

2016, 22, 15693–15699.

96

第四章

4-1)

For examples on reactions of activated alkyl (e.g., benzyl or propargyl)

ammoniums, see: a) P. Maity, D. M. Shacklady-McAtee, G. P. A. Yap, E. R. Sirianni,

M. P. Watson, J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 280–285; b) Y.-Q. Yi, W.-C. Yang,

D.-D. Zhai, X.-Y. Zhang, S.-Q. Li, B.-T. Guan, Chem. Commun. 2016, 52, 10894–

10897; c) C. H. Basch, K. M. Cobb, M. P. Watson, Org. Lett. 2016, 18, 136–139;

d) M. Guisán-Ceinos, V. Martín-Heras, M. Tortosa, J. Am. Chem. Soc. 2017, 139,

8448–8451; e) W. Yu, S. Yang, F. Xiong, T. Fan, Y. Feng, Y. Huang, J. Fu, T. Wang,

Org. Biomol. Chem. 2018, 16, 3099–3103; f) T. Pillaiyar, E. Gorska, G.

Schnakenburg, C. E. Meller, J. Org. Chem. 2018, 83, 9902–9913. g) For a recent

report on photo-induced benzyl ammonium C–N cleavage reaction, see: L.-L. Liao,

G.-M. Cao, J.-H. Ye, G.-Q. Sun, W.-J. Zhou, Y.-Y. Gui, S.-S. Yan, G. Shen, D.-G.

Yu, J. Am. Chem. Soc. 2018, 140, 17338–17342.

4-2) A. R. Katritzky, G. De Ville, R. C. Patel, Tetrahedron 1981, 37, 25–30.

4-3) a) J. B. Bapat, R. J. Blade, A. J. Boulton, J. Epsztajn, A. R. Katritzky, J. Lewis, P.

Molina-Buendia, P.-L. Nie, C. A. Ramsden, Tetrahedron Lett. 1976, 17, 2691–

2694; b) A. R. Katritzky, U. Gruntz, D. H. Kenny, M. C. Rezende, H. Sheikh, J.

Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1979, 430–432.

4-4) a) C. H. Basch, J. Liao, J. Xu, J. J. Piane, M. P. Watson, J. Am. Chem. Soc. 2017,

139, 5313–5316; b) J. Liao, W. Guan, B. P. Boscoe, J. W. Tucker, J. W. Tomlin, M.

R. Garnsey, M. P. Watson, Org. Lett. 2018, 20, 3030 –3033.

4-5) a) F. J. R. Klauck, M. J. James, F. Glorius, Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 12336–

12339; Angew. Chem. 2017, 129, 12505–12509; b) J. Wu, L. He, A. Noble, V. K.

Aggarwal, J. Am. Chem. Soc. 2018, 140, 10700–10704; c) F. Sandfort, F. StriethKalthoff, F. J. R. Klauck, M. J. James, F. Glorius, Chem. Eur. J. 2018, 24, 17210–

17214; d) M.-M. Zhang, F. Liu, Org. Chem. Front. 2018, 5, 3443–3446; e) M.

Ociepa, J. Turkowska, D. Gryko, ACS Catal. 2018, 8, 11362–11367; f) F. J. R.

Klauck, H. Yoon, M. J. James, M. Lautens, F. Glorius, ACS Catal. 2019, 9, 236–

241. g) For a thermo-induced SET reaction, see: J. Hu, G. Wang, S. Li, Z. Shi,

Angew. Chem. Int. Ed. 2018, 57, 15227–15231; Angew. Chem. 2018, 130,

15447–15451.

4-6) X. Jiang, M.- M. Zhang, W. Xiong, L.-Q. Lu, W.-J. Xiao, Angew. Chem. Int. Ed.

2019, 58, 2402–2406; Angew. Chem. 2019, 131, 2424–2428.

97

第六章

6-1) C. Wang, T. Ozaki, R. Takita, M. Uchiyama, Chem. Eur. J. 2012, 18, 3482.

6-2) H. Minami, T. Saito, C. Wang, M. Uchiyama, Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 4665.

6-3) D. Yu, M. Yu, B Guan, B. Li, Y. Zheng, Z. Wu, Z. Shi, Org. Lett. 2009, 11, 3374.

6-4) H. Minami, X. Wang, C. Wang, M. Uchiyama, Eur. J. Org. Chem. 2013, 35, 7891.

6-5) M. Giannerini, M. F. Mastral and B. L. Feringa, Nat. Chem. 2013, 5, 667.

6-6) L. Zhao, C. Bruneau, H. Doucet, ChemCatChem, 2013, 5, 255.

6-7) M. S. Eom, J. Noh, H. Kim, S. Yoo, M. Hana, S. Leeb, Org. Lett. 2016, 18, 1720.

6-8) M. Leiendecker, C. Hsiao, L. Guo, N. Alandini, M. Rueping, Angew. Chem. Int. Ed,

2014, 53, 12912.

6-9) L. J. Rono, H. G. Yayla, D. Y. Wang, M. F. Armstrong, R. R. Knowles, J. Am. Chem.

Soc. 2013, 135, 17735.

6-10) Y. Y. Zhou, C. Uyeda, Angew. Chem. 2016, 128, 3223.

6-11) Y. H. Chen, D. J. Cheng, J. Zhang, Y. Wang, X. Y. Liu, B. Tan, J. Am. Chem. Soc.

2015, 137, 15062.

6-12) D. Heijnen, J. B. Gualtierotti, V. Hornillos, B. L. Feringa, Chem. Eur. J. 2015, 22,

3991.

6-13) D. Y. Wang, C. Wang, M. Uchiyama, J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 10488.

6-14) I. N. Shishkina, I. A. Dotsenko, V. M. Demyanovich, N. A. Bumagin, N. S. Zefirov,

Doklady Chemistry. 2012, 445, 166.

6-15) L. Zhou, Z. Liu, Y. Liu, Y. Zhang, J. Wang, Tetrahedron, 2013, 69, 6083.

6-16) A. K. Szardenings, W. Zhang, H. C. Kolb, D. K. Cashion, G. Chen, D. Kasi, C.

Liu, A. Sinha, E. Wang, C. Yu, U. B. Gangadharmath, J. C. Walsh,

US20150030540 A1 2014.

6-17) D. K. Cashion, G. Chen, D. Kasi, H. C. Kolb, C. Liu, A. Sinha, A. K. Szardenings,

E. Wang, C. Yu, W. Zhang, U. B. Gangadharmath, J. C. Walsh, EP2550255 A1;

2013.

6-18) M. Tobisu, A. Yasutome, H. Kinuta, K. Nakamura, N. Chatani, Org. Lett. 2014, 16,

5572.

6-19) S. E. Denmark, R. C. Smith, W. T. T. Chang, J. M. Muhuhi, J. Am. Chem. Soc.

2009, 131, 3104.

6-20) B. T. Guan, Y. Wang, B. J. Li, D. G. Yu, Z. J. Shi, J. Am. Chem. Soc. 2008, 130,

14468.

6-21) A. R. Jagdale, J. H. Park, S. W. Youn, J. Org. Chem, 2011, 76, 7204.

98

6-22) F. J. R. Klauck, M. J. James, F. Glorius, Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 12336;

Angew. Chem. 2017, 129, 12505.

99

謝辞

本研究を遂行するにあたり、日頃から温かいご指導をいただき、また本論文の主査と

して貴重なご指摘、ご討論を賜りました本学大学院薬学系研究科 基礎有機化学教室 内

山真伸 教授に心より感謝申し上げます。

本論文の副査として有益なご討論、ご助言を賜りました本学大学院薬学系研究科 有

機合成化学教室 金井求 教授、生長幸之助 講師、天然物合成化学教室 長友優典 講師、

基礎有機化学教室 平野圭一 特任准教授に深く感謝申し上げます。

本研究を行う長期に渡って、常に懇切丁寧なご指導を賜り、または本論文の査読を行

ってくださいました本学大学院薬学系研究科 基礎有機化学教室 王超 助教に心より感

謝申し上げます。

研究に際して有益なご指導を賜りました本学大学院薬学系研究科 宮本和範 准教授、

平野圭一 特任准教授、王東宇 博士(現 中国科学院上海薬物研究所)

、理化学研究所 村

中厚哉 専任研究員、滝田良 副チームリーダー(現 本学薬学系研究科)に深く感謝い

たします。

本研究の遂行にあたり、実験をともに行ってくださいました 徐寧馨 学士に深謝いた

します。

本研究は多数の方との議論により達成できました。本学薬学系研究科 金澤純一郎 助

教、斉藤竜男 助教(現 東京農業大学生命科学部)、吉田健吾 研究員(現 日本分光株

式会社)

、金井美紗衣 博士に心から感謝いたします。

本研究の量子化学計算には、理化学研究所情報基盤センターの RIKEN Integrated

Cluster of Clusters、Hokusai GreatWave、Hokusai BigWaterfall を利用させていただき

ました。関係諸氏に感謝いたします。

佐藤玄 博士(現 本学薬学系研究科)

、藤井正哉 博士、北沢裕 博士(現 信州大学先

鋭材料研究所)、鳥海尚之 博士(現 東京工業大学大学院理工学研究科)

、永島佑貴 博士

(現 東京工業大学物質理工学院)

、増本優衣 博士、手塚則亨 博士をはじめ、研究室の

学生の皆さまから有形無形のご支援を賜りましたことに深く感謝いたします。

日本での生活をサポートしていただきました本学薬学系研究科国際交流室の皆様に

深く感謝いたします。

大学院生リサーチ・アソシエイト(理化学研究所)または JSPS 特別研究員(日本

学術振興会)として採用していただき、効率よく研究を遂行することができましたこと

に深くお礼を申し上げます。

最後に、あらゆる場合で筆者を支え、励ましてくれた家族と友人に心から感謝いたし

ます。

2020 年 6 月

楊沢堃

100

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