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大学・研究所にある論文を検索できる 「西南日本のメガスラスト地震サイクルにおける内陸断層のクーロン応力変化に基づく地震活動シミュレーション」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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西南日本のメガスラスト地震サイクルにおける内陸断層のクーロン応力変化に基づく地震活動シミュレーション

水戸川, 司 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23016

2021.03.23

概要

西南日本の南海トラフ沈み込み帯では、プレート境界で発生するM8級のメガスラスト地震が約100-200年間隔で発生する。この地域では過去の歴史記録より、大陸地殻内で発生する内陸地震は、メガスラスト地震の50年前から10年後の期間に発生率が高まることが知られており、「内陸地震の活動期」と呼ばれてきた。内陸地震の活動期は、先行研究によりクーロン破壊応力変化(ΔCFS)を用いたモデルによって再現されているが、媒質の粘弾性緩和の影響や近年の測地観測データに基づく地殻変動分布は十分考慮されていなかった。本研究では、弾性・粘弾性2層構造を仮定し、地殻変動観測データを考慮したメガスラスト地震サイクルにおける内陸断層のΔCFSの計算から、西南日本の内陸地震の活動期を再現するモデルを構築し、地域や断層タイプごとにモデルから予測される内陸地震の活動時期の傾向を調査した。

初めにメガスラスト断層から内陸断層までの距離に着目した2次元モデルを用いて、メガスラスト地震サイクルにおける内陸地震が発生可能な時期を調べた。その結果、逆断層では走向・傾斜によらず、メガスラスト地震前に活発化する傾向があるが、横ずれ断層は走向によって活発化の傾向が異なることが明らかになった。また、西南日本における右横ずれ断層で歴史時代にメガスラスト地震前に地震が起こったものがあることから、内陸断層の見かけの摩擦係数は0.1以下であることが示唆された。内陸断層固有の応力載荷速度は、地質・地震学的ひずみ速度に対応する1kPa/年を与えると活動期が再現されるものの、測地学的ひずみ速度に対応する5kPa/年を与えるとメガスラスト地震サイクルのいつでも内陸地震が発生し、顕著な活動期が再現できないことがわかった。粘弾性の影響を考慮することにより活発期での地震発生率の変化なども再現出来ることがわかった。次に、測地観測データに基づくメガスラスト断層の固着・すべり分布と内陸断層のジオメトリやすべり速度を用いて内陸断層のシミュレーションモデルを構築し、結果を過去の地震活動と比較した。九州を除く西南日本の断層群について地震間10年ごとの過去の地震発生割合を再現するためには、内陸断層の見かけの摩擦係数が0.1以下、粘弾性層の粘性率が1-2×1019Pa s、固着率が0.05-0.10程度であることが必要であることがわかった。このモデルからメガスラスト地震の数十年前から、四国、山陰、近畿地方などで内陸地震が増加し、大規模な内陸地震も発生しやすくなる傾向が予測される。

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