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大学・研究所にある論文を検索できる 「CME時における火星大気流出機構に関する研究 : EUV放射照度及び固有磁場強度による比較」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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CME時における火星大気流出機構に関する研究 : EUV放射照度及び固有磁場強度による比較

堺, 正太朗 関, 華奈子 京都大学

2022.03

概要

研究目的 (Research Objective):
惑星の固有磁場や太陽風パラメター,X 線及び極端紫外線 (XUV) 放射照度は大気流出を考える上で非常に重要な物理量である.固有磁場強度は太陽風と地球型惑星間の相互作用に影響を与え (e.g., Seki et al., 2001),流出機構自体を変えてしまう可能性がある.火星は,約 40 億年前は温暖湿潤な機構であったが,その後大気や水が失われ,現在では薄い大気を残すのみとなった.つまり,火星は過去から現在までに大規模な大気流出を経験した.近年の研究では,火星の誕生後約 5 億年以内にほとんどの大気を失ったことが提案された(Lammer et al., 2013).大気流出の主要機構の一つに,周辺磁場の影響及び XUV 放射照度に関連した超高層大気からのイオン流出が挙げられる.太古の火星には,現在の火星地殻に残留磁化が存在していることから,全球的な固有磁場が存在していた可能性が考えられている.また,過去太陽からの XUV放射照度は現在のものよりも高かったと考えられている (e.g., Tu et al., 2015) .固有磁場や XUV 放射照度が大気流出機構へ与える影響を調査することは,火星が過去から現在までに起こった気候変動の理解へとつながるのである.更に,XUV 放射照度の高い恒星は近年発見が相次いでいるハビタブルゾーンを持つ系外惑星系にも多く見られ,本研究ぱ恒星系全体の理解へもつながるものである.

Sakai et al. (2021) では,火星赤道表面で 100 nT の固有磁場の下,太陽風パラメターの一つである惑星間空間磁場 (IMF) の向きが大気流出機構・流出率にどのような影響を与えるか調査した.すると,固有磁場に平行な北向き IMF の時にはパーカースパイラル型や反平行な南向き IMF の時と比べて一桁程度小さくなることが明らかとなった.これは非磁化火星でのイオン流出率よりも小さい値であり,このことから北向き IMF は大気流出が抑制されることが示された.一方で,パーカースパイラル型や南向き IMF では流出率がほとんど変わらなかった.先行研究では北向き,パーカースパイラル型,南向き IMF の 3 ケースのみ調査されたが,流出率が増大する決定的な要因はよくわかっていない.そこで本研究では,北向き IMF から南向き IMFに至るまでにどのような条件で流出率が増大するのかを IMF を回転させることで調査を行う.これは,コロナ質量放出 (CME) 時に起こる IMF の変動に似ていることから,CME 時の大気流出応答の理解につながる研究である.また,高 XUV 環境下である系外惑星(系赤色矮星・M 型星)のハビタブルゾーン内に火星型惑星が存在すると仮定した時の大気流出についても調査を行う.

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