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大学・研究所にある論文を検索できる 「実験的肺気腫モデルにおけるCC chemokine ligand 17/Thymus and activation-regulated chemokine (CCL17/TARC)の役割」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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実験的肺気腫モデルにおけるCC chemokine ligand 17/Thymus and activation-regulated chemokine (CCL17/TARC)の役割

町田 浩祥 山形大学

2021.03.31

概要

【背景・目的】慢性閉塞性肺疾患(COPD)は長期の喫煙曝露によって肺気腫、肺機能低下を来し、全世界の死因の3位を占める。肺機能の低下は、COPD患者の予後不良と強く関連している。当講座では、CC chemokine ligand 17/Thymus and activation-regulated chemokine (CCL17/TARC)がCOPD患者の肺機能の低下を予測することを報告した。しかし、COPDの病態におけるCCL17の役割は不明である。また気道上皮がCCL17を産生することが知られているが、喫煙との関連は明らかでない。今回、CCL17産生と、CCL17が肺気腫形成に与える影響について、喫煙曝露及び肺気腫の実験モデルであるエラスターゼ誘導肺気腫モデルを使用し検討した。

【方法・結果】気道上皮とCCL17産生の関連をin vivo、in vitroで検討した。C57BL/6マウスを喫煙曝露したところ、肺組織中のCCL17発現が増加し、免疫染色ではCCL17陽性細胞は気道上皮に特異的であった。また、ヒト気道上皮細胞株であるBEAS-2B細胞をタバコ煙抽出液及び過酸化水素で刺激した結果、CCL17発現が増加した。続いて、CCL17が生体に与える影響を明らかにするために、C57BL/6マウスにCCL17を経鼻投与したところ、気管支肺胞洗浄液(BALF)中及び肺組織中の細胞数がマクロファージを中心に増加した。更に、喫煙とCCL17の両刺激では、それぞれの単独刺激と比較して有意にBALF中のマクロファージ数が増加したが、マクロファージの特性は変化しなかった。肺気腫に対するCCL17の影響をエラスターゼ誘導肺気腫モデルで評価した結果、CCL17の経鼻投与によりエラスターゼ誘導肺気腫が増強した。CCL17欠損マウスに対して同様に喫煙曝露、エラスターゼによる肺気腫誘導を行った結果、マクロファージの増加及び肺気腫の形成が抑制された。これらの機序を明らかにするために、マウス単球マクロファージ細胞株であるRAW264.7細胞をCCL17で刺激したところ、CC chemokine ligand 2 (CCL2)発現が増加した。また、受容体であるCC chemokine receptor 4 (CCR4)のノックダウンによりCCL2発現は抑制された。さらに、CCL17の投与によりRAW264.7細胞の遊走能が活性化することを認めた。

【考察】気道上皮は喫煙に応答してCCL17を産生する。CCL17はCCL2の増加を介して、また直接の遊走により肺中のマクロファージ数を増強させ、肺気腫形成を増強させる可能性が示唆された。この増強は、CCL17-CCR4系の欠損により抑制された。

【結論】
CCL17はCOPDの病態に関与しており、治療標的になる可能性がある。

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