書き出し
心不全の病態と治療
概要
慢性心不全chronic (congestive) heart failure
“慢性の心筋障害により心臓のポンプ機能が低下し,末梢主要臓器の酸素需要量に見合うだけの血液量を絶対的・相対的に駆出できない状態であり,肺または体静脈系にうっ血をきたし生活機能に障害を生じた病態”慢性心不全治療ガイドラインJpn.Circ.J.,64(SupplIV):1023-79,2000
左心室の収縮不全は、通常は進行し改善はしない。左心室収縮不全とその症状が進行するにつれ、死亡率は上昇し、進行を止めることは困難となる。筋細胞損失と線維化は回復できなくなる。左心室不全の進行が始まる以前、あるいは早期に効果的な予防措置をとる必要がある。
急性心不全acute heart failure
急性心不全は機能的・構造的異常が急激に発生し(例:心筋梗塞myocardial infarction),低下した心ポンプ機能を代償する時間がないか,代償が充分でない重篤な障害による病態である.臨床的には以下の三状態を含む
1)心原性肺水腫pulmonary edema
2)心原性ショックshock3)慢性左室不全の急性増悪
急性心不全治療ガイドラインJpn.Circ.J.,64(SupplIV):1129-65,2000