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マイクログリアによるシナプス貪食メカニズムのリアルタイムイメージングによる解明

安藤, めぐみ 東京大学 DOI:10.15083/0002007101

2023.03.24

概要

















マイクログリアによるシナプス貪食メカニズムのリアルタイムイメ ー ジングによる解明




安藤

めぐみ

脳内免疫細胞マイクログリアは、 発達や疾患の過程で神経細胞シナプスを貪食する。 しかし、
これらの知見は固定標本の観察に基づいており、マイクログリアが生きた神経細胞からシナプス
を貪食することを示す報告は無かった。安藤は、 生体脳におけるマイクログリアの形態と機能を
再現する新規培簑系を構築し、マイクログリアによるシナプス貪食のリアルタイムイメ ー ジング
を試みた。 さらに、 マイクログリアが貪食するシナプスを選定するメカニズムの解明を試みた。
安藤は、 マイクログリアによるシナプス貪食をリアルタイムで詳細に観察するため、 培蓑系を
利用した。従来の培渡方法では、 マイクログリアが生体脳で見られる細長く分岐した突起を失う
ため、 シナプス貪食の検証には不適切であった。 そこで、 マイクログリアを脳内他種細胞と共培
挫し、 培挫条件を詳細に検討することで、 生体脳に近い環境を構築した。 その結果、 生体脳マイ
クログリアの形態を培蓑環境において再現することに成功した。 次に、 この共培渡系において、
マイクログリア、 プレシナプス、 神経細胞膜をそれぞれ緑、 赤、 近赤外の蛍光で標識し、 三者の
同時リアルタイムイメ ー ジングを可能にした。そして、 マイクログリアが生きた神経細胞の突起
構造を切断することなく、 シナプスを貪食する 一 連の過程を捉えることに成功した。
次に、この共培挫系を用いてマイクログリアが貪食するシナプスを選定するメカニズムの解明
を試みた。発達脳においてシナプス貪食を促進する古典的補体経路に着目し、 その 一 部を担う補
体分子ClQサブユニットA C
( lQA )を共培挫系に添加することで、 シナプス貪食が促進される可
能性を検証した。 その結果、 単位時間あたりのシナプス貪食数はコントロ ー ル群とClQA 添加群
で同程度であり、 シナプス貪食の促進には別の因子が必要であることが示唆された。 そこで、 神
経活動上昇がマイクログリアの突起運動性を上昇させるとの先行研究に着目し、神経活動上昇に
よりマイクログリアがシナプスに付着した補体を認識しやすくなる可能性を考えた。そして、興
租性のDREADD (Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drug )を用いて神経
活動を上昇させ、 シナプス貪食のリアルタイムイメ ー ジングを行った。 その結果、 ClQA存在下
で神経活動を上昇させた群でのみシナプス貪食数が有意に増加した。以上より、 神経活動上昇が
補体依存的なシナプス貪食を促進することが示された。
上記の結果がマイクログリアによるシナプスヘの接触促進によるものである可能性を検証す
るため、 マイクログリアと神経細胞の接触度合を測定した。しかしながら、神経活動上昇により
接触度合が変化せず、神経活動上昇はマイクログリアによるシナプスヘの接触促進とは別のメカ
ニズムによりシナプス貪食を促進する可能性が示された。そこで安藤は、 アポトー シス関連分子
に着目した。 近年、 Cleaved Caspase-3 (CC-3)やPhosphatidylserine P( S)が発現するプレシ
ナプスに補体が共局在することが示されている。これらの報告から、 神経活動上昇がプレシナプ
スにおけるアポトー シス関連分子の発現を増加させ、 補体の付着を促進する可能性を考えた。
CC-3はPSの露出を促進することが知られている。 そこで、 PSに結合するAnnexinVを用いてプ
レシナプス表面におけるPS量を測定したところ、 神経活動上昇により有意に増加した。 以上の
結果から、神経活動上昇がマイクログリアによる補体依存的なシナプス貪食を促進すること、 そ
してそれがプレシナプスにおけるアポトー シス関連分子の発現を介している可能性が示された。

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