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Fanctional analysis of microglia in adult hippocampal neurogenesis

亀井, 亮佑 東京大学 DOI:10.15083/0002006924

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 亀井 亮佑
本研究は、成体での海馬ニューロン新生におけるミクログリアの生理的な役割を解明す
るため、特にミクログリアの貪食細胞としての側面に着目し、共焦点顕微鏡を用いた組織
学的観察と二光子励起顕微鏡を用いた in vivo タイムラプス観察とを有機的に組み合わせ
ることで、下記の結果を得ている。
1. マウス成体脳におけるニューロン新生の場である、海馬歯状回(DG)の顆粒細胞下帯
(SGZ)について組織学的な解析を行い、ミクログリアの細胞体ではなく突起が主に、ア
ポトーシスした新生細胞に接触しそれを包み込んでいることを明らかにした。この時貪食
に携わるミクログリアは、死細胞貪食への寄与が知られるアメボイド型ではなく、複雑に
分岐した多数の突起を有するラミファイド型のままであった。
2. ミクログリアによる新生ニューロンの貪食という、ダイナミックで不可逆なプロセスを
描出するために、SGZ を含めた DG の全層を、高分解能に明らかな炎症応答を起こさずに
観察できる、in vivo 二光子タイムラプスイメージング法を確立した。
3. 上記イメージング法を、ミクログリアと新生ニューロンとが異なる色の蛍光タンパク質
で標識されたトランスジェニックマウスに適用することにより、DG のラミファイド型の
ミクログリアが、細胞体は動かずに突起を盛んに伸縮させるという、突起主体の運動性を
示すことを明らかにした。また、ラミファイド型のミクログリアが新生ニューロンを貪食
するプロセスを、4.の通り詳細に描出した。
4. ミクログリアによる新生ニューロンの貪食は、周囲を探索する高い運動性を持つ突起
が、効率よくアポトーシス細胞に接触することで開始され、突起の先端で死細胞を丸ごと
速やかに貪食することで実現されることが明らかになった。また、形成されたファゴソー
ムは、近位の突起長の短縮を伴って細胞体に向かって間欠的にゆっくりと移動し、この間
細胞体は不動であった。ファゴソームはこの移動過程において、突起内で経時的にサイズ
を減少させた。
5. リソソームマーカーの免疫組織化学的な評価により、この突起内でのファゴソームのサ
イズの減少は、形成されたファゴソームの速やかなファゴリソソームへの成熟とその内容
物の消化の開始を、反映していることが示唆された。
6. ミクログリアの急性除去を行うと、DG のミクログリアによるアポトーシス細胞の貪食
除去が著明に障害され、この時、新生ニューロンの分裂後の短期的な生存が抑制された。

以上、本論文は、生理的な成体脳のラミファイド型ミクログリアによる、突起を主体と
したユニークな死細胞貪食様式を明らかにした。DG のミクログリアはこのような貪食に
よって、海馬の神経回路に組み込まれる前の新生ニューロンの、効率的な選択・除去に貢
献している可能性がある。本研究はミクログリアが成体脳の恒常性維持にどのように関与
するかについて、重要な示唆を与えるものと言える。また、確立された in vivo イメージ
ング手法は、DG におけるダイナミックな現象をとらえることができ、今後の研究の発展
に役立つと思われる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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