書き出し
心房細動のカテーテルアブレーション後の成績に, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群における夜間低酸素血症が与える影響
概要
心房細動 (atrial fibrillation, AF)は脳卒中や死亡, 末梢塞栓症のリスク上昇に関
与している 1. 日本では高齢化社会に伴い, AF の有病率は増加傾向にあり, 2030 年に
は全国で約 1000 万人は発症すると予測されている 2. AF の医療に関しては高額な医
療費が伴い, 日本では AF への薬物療法に 1 ヵ月あたり約 5,000 円~2 万円, 1 回の高
周波カテーテルアブレーションに関する費用として約 100~200 万円の費用がかかる
と算出されている 3. AF に至る介入可能な危険因子を特定し, 適切な予防手段を講じ
ることは, 医療経済の負担を減らし 4, 患者の Quality of life の改善といった点で重要
な役割を果たす可能性がある 5. また, カテーテルアブレーションにより AF が抑制さ
れることは, 症候性の患者にとって症状の緩和となり薬剤投与から解放される可能性
があり, 低左心機能の患者にとっては生命予後が改善する可能性もある 6,7. ...