書き出し
The Feasibility of Gastroesophageal Manometry for Continuously Evaluating the Degree of Expiratory Effort during Successful Crescendo Phonation
概要
〔目的(Purpose)〕
消化管内圧計を用いた消化管内圧測定により、呼吸努力の程度を連続的に評価しうるか盃かを検討する。
〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
健常人(18例)を対象に、4チャンネルの消化管内圧計のぷろーべを経鼻的に胃まで挿入して、圧センサーを下咽頭、 頸部食道、胸部食道、胃内に位置させ、持続母音を発声しながら声の大きさを徐々に増大していく発声タスク(VCT)を施行中の各内圧と音圧レベルを同時かつ連続的に記録し、音圧レベルに伴う各内圧の推移について検討した。
結果として、全例でVCT施行中の下咽頭内圧・頸部食道内圧で細かな変動が、9例(50%)で胸部食道内圧・胃内圧では 大きな変動が認められ、それぞれ声帯振動と消化管蠕動運動に起因すると考えられた。またVCT施行中の音圧レベルの経時的増大に伴い、胸部食道内は陰圧から腸圧へ、胃内圧は陽圧のままで徐々に増大した。
〔総括(Conclusion)〕
全部位の圧に非定型的変化が認められたものの、対象者の50%では胸腔内圧および胃内圧の経時的増大を認め、それぞれ胸腔内圧と腹腔内圧を反映していることが示唆された。以上から、消化管内圧計を用いた消化管内圧測定は、発声中の呼気努力の程度の連続的評価に有用である可能性が示唆された。