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大学・研究所にある論文を検索できる 「子宮内膜癌のスルファサラジン併用療法ーグルタチオン産生経路に関する基礎研究ー」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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子宮内膜癌のスルファサラジン併用療法ーグルタチオン産生経路に関する基礎研究ー

仙道 可菜子 山形大学

2021.03.31

概要

【背景】抗酸化作用のあるグルタチオン(GSH)は、癌の治療抵抗性に関わる重要な分子のひとつである。GSHを構成するアミノ酸であるシステイン(Cys)は、xCTを介して細胞に取り込まれたシスチンから合成されるか、細胞内のメチオニンからtrans-sulfuration経路を介して合成される。本研究では、xCTを治療標的とすることが、子宮内膜癌の治療において有望な戦略となりうるかどうかを検討するとともに、その治療の有効性を予測できる因子を検討した。

【方法】子宮体部漿液性癌(USC)細胞株のUSPC-1とSPAC、類内膜癌(EmC)細胞株のHHUA、HEC1A、HEC59、HEC265を用いた。USC細胞株とEmC細胞株の細胞内GSH濃度を比較し、xCT阻害薬であるスルファサラジン(SAS)のIC50値を測定した。続いて、シスプラチン(CDDP)とSAS投与による細胞増殖能への効果を検討した。CDDPとSAS併用による効果はUSPC-1の異種移植モデルでも検討を行った。次に、CDDPとSAS投与による細胞死について検討した。細胞内GSH濃度を低下させることによる効果を検討するため、ブチオニンフルフォキシミン(BSO)による子宮内膜癌細胞株のGSH濃度に対する効果とCDDPとの併用による効果を検討した。また、GSH産生経路に関連するタンパク質発現を評価した。

【結果】USC細胞株はEmC細胞株に比べ細胞内GSH濃度が高く、SASのIC50が低かった。USC細胞株ではSAS処理により細胞内GSHレベルが有意に低下し、CDDPとSASを併用投与すると、CDDP単剤またはSAS単剤と比較して有意に細胞増殖が阻害された。CDDPとSASの併用投与による腫瘍増殖抑制の傾向は異種移植モデルでも確認された。一方、EmC細胞株ではSAS処理で細胞内GSHレベルは低下せず、CDDPとSASの併用による有効性を認めなかった。USC細胞株においてCDDPとSASを併用すると、細胞内にROSが蓄積し、アポトーシスが誘導されていた。BSO処理によりUSC細胞株およびEmC細胞株の細胞内GSHレベルは低下し、CDDPとの併用で細胞増殖抑制効果を認めた。USC細胞株は、xCTの発現が高く、trans-sulfurtaion経路の酵素であるシスタチオニンガンマリアーゼ(CGL)の発現が低かった。一方、EmC細胞株は、CGLが高発現またはxCTが低発現であった。

【結論】USC細胞株においてSASはCDDPの抗腫瘍効果を増強する。xCTおよびCGLの発現は、SASの有効性のマーカーおよび治療のための臨床的なバイオマーカーとなる可能性がある。GSH合成経路に基づくアプローチにより治療対象を選択することで、SASが子宮内膜癌におけるGSH関連の治療抵抗性の治療選択となり得ることを示唆している。

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