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Masticatory function assessment of adult cleft lip and palate patients after orthodontic treatment

三浦 紗由美 広島大学

2021.03.23

概要













Masticatory function assessment of adult cleft lip
and palate patients after orthodontic treatment
(矯正歯科治療後における成人口唇口蓋裂患者の咀
嚼機能評価)

主指導教員:谷本

幸太郎教授

(医系科学研究科

歯科矯正学)

副指導教員:柿本
(医系科学研究科

直也教授

歯科放射線学)

副指導教員:上田 宏准教授
(医系科学研究科 歯科矯正学)

三浦

紗由美

(医歯薬保健学研究科

医歯薬学専攻)

口唇口蓋裂(CLP)患者の矯正歯科治療において顎顔面骨格や歯列,咬合などの形態評価と比
較して,機能評価は十分確立されていないのが現状である。そこで本研究は,矯正歯科治療終了
後の CLP 成人患者の咀嚼機能を様々な機器を用いて分析し,対照群と比較することを目的とした。
当院矯正歯科において,矯正歯科治療が終了した CLP 成人患者 15 名(片側性 CLP 患者 12 名,
両側性 CLP 患者 3 名)を被験者とし,対照群は個性正常咬合を有する成人ボランティア 21 名と
し,矯正歯科治療の既往のあるものは除外した。また CLP 患者の咬合の特徴を明らかにするため
にアメリカ矯正歯科専門医認定委員会(ABO)の基準を元に,矯正歯科治療終了後の歯列模型評
価(パノラマエックス線写真評価も含む)を行った。また,顎顔面形態の特徴を明らかにするた
めに側面頭部エックス線規格写真分析を行った。その結果 CLP 群の咬合および顎顔面形態は良好
であることが確認された。さらに CLP 群の平均歯数は 26.3 ± 1.5 本であり,第一および第二大
臼歯の欠損はなく,対照群の 28 本と著しい差のないことが確認された。
本研究の実験内容としては,まずグルコース測定装置を使用し咀嚼能率検査を実施した。咀嚼
能率検査の結果をふまえて,咀嚼機能分析として,咬合接触面積に起因する咬合力,第一大臼歯
の咬合力,筋電図,下顎運動について検討した。咬合接触面積,咬合力および平均咬合圧は,咬
合力測定フィルムを用いて測定した。被験運動は咬頭嵌合位での 3 秒間の最大咬みしめとした。
また,第一大臼歯部における最大咬みしめ時の咬合力を咬合力測定装置により測定した。筋活動
記録は咬筋および側頭筋を被験筋とし両側で記録した。筋活動積分値を算出し,最大咬みしめ時
の筋活動量,側頭筋咬筋活動比率(TM 比)およびガム咀嚼時の筋活動量を最大咬みしめ時の筋
活動量で除した筋活動比率を用いて評価を行った。下顎運動は 6 自由度顎運動測定装置を用いて
測定した。異常な運動軌跡を示した回数を求め,これを総咀嚼回数で除したものを Error index
(EI),チューインガム自由咀嚼運動における,咀嚼回数の左右差を総和で除した絶対値を,非対
称性指数 Asymmetry index(AI)として算出し,評価パラメータとして用いた。
上記項目の分析より明らかになった結果を以下に示す。咀嚼能率は対照群が CLP 群より有意に
高い値を示した。また,CLP 群の咬合力および咬合接触面積ともに,顎裂側と非顎裂側に有意差
は認められなかった。CLP 群の総咬合力は対照群と比較して,男性のみ有意に小さな値を示した。
歯列上の平均咬合圧は,男女ともに対照群との間に有意差は認められなかった。第一大臼歯部位
での咬合力は,顎裂側,非顎裂側および対照群との間に有意差は認められなかった。さらに最大
咬みしめ時の筋活動量は,咬筋,側頭筋ともに CLP 群と対照群との間に有意差は認められなかっ
た。また,TM 比と筋活動比率も,CLP 群と対照群との間に有意差は認められなかった。ガム咀嚼
時の EI は顎裂側,
非顎裂側ともに CLP 群が対照群より有意に大きな値を示した。AI については,
両群間に有意差は認められなかった。最後に咀嚼能率との相関分析の結果から,総咬合力との間
に有意な正の相関があり,また,咀嚼運動異常経路を評価する EI との間に有意な負の相関があ
ることが明らかとなった。
以上の結果より,健常な顎関節を有し矯正歯科治療によって不正咬合が改善された成人の CLP
患者は,個性正常咬合群と比較した場合,咀嚼能率が低いことが明らかとなり,このことは総咬
合力および咀嚼運動異常に関連することが示された。

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