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大学・研究所にある論文を検索できる 「胆道閉鎖症患者におけるミトコンドリア/核DNA損傷と細胞老化との関連性に関する病理組織学的検討:葛西手術例と肝移植例との比較」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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胆道閉鎖症患者におけるミトコンドリア/核DNA損傷と細胞老化との関連性に関する病理組織学的検討:葛西手術例と肝移植例との比較

中島 雄大 東北大学

2022.03.25

概要

【背景】胆道閉鎖症(BA)は新生児期から乳児期に発症する現時点では原因不明の硬化性炎症により肝外胆管が閉塞する臨床予後が不良な疾患である。一般的には葛西手術(KP)による早期外科介入を必要とされるが、最終的に肝移植(LT)が必要になる場合も少なくない。この理由として胆管閉塞に伴う胆汁酸の蓄積が酸化ストレスを引き起こし、細胞老化、ミトコンドリア機能障害などのさまざまな細胞損傷を引き起こすことが考えられている。しかしこれらの細胞学的変化の病態進行に伴う臨床的意義については未解明のままである。そこで私は今回細胞老化、ミトコンドリア機能障害が病態進行とどのように関連するかを検討することを目的として本研究を行った。

【対象と方法】2001 年から 2017 年に東北大学病院で KP を受けた BA 症例(54 例)の肝生検標本、および KP後に LT を施行された 14 例の移植時の摘出肝臓標本を対象とした。更に肝疾患または代謝性疾患の病歴のない新生児および乳児の剖検肝 11 例をコントロール群(NL)として本研究では使用した。
これらの組織標本を用いて細胞老化(p16 および p21)、核二本鎖 DNA 損傷(γH2AX)およびオートファジー(p62)のマーカー、および BA 患者の mtDNA 損傷(mtDNA コピー数)を解析し、個々の症例の種々の臨床病理学的因子との相関性を検討した。

【結果】肝組織中で肝細胞では、p21 の発現は KP で有意に増加していたが、胆管細胞では、p16 は LT で有意に増加し、p21 は KP で有意に増加した。 p62 は、肝細胞の KP および胆管細胞の LT で有意に増加し、肝組織での mtDNA コピー数はコントロールと比較して KP と LT で有意に減少した。

【結論】BA の肝細胞におけるミトコンドリア DNA の障害や核 DNA 損傷の一表現型としての細胞老化が病態の進行と平行して進行している事が今回の私の研究で初めて明らかになった。また細胞老化の進行に伴い、損傷した細胞を除去する機構としてのオートファジーの障害が生じるがその進行は肝細胞と胆管細胞の間で異なることも初めて明らかにさせる事が出来た。今回の私の研究で BA の病態進行における細胞老化、ミトコンドリア DNA の障害、オートファジー障害の重要性が明らかにされ、今後これらを対象とした BA の新しい治療に向けても重要な知見を供した。

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