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大学・研究所にある論文を検索できる 「Temporal trends in the emergency care and outcomes of geriatric patients with acute myocardial infarction in Miyagi, Japan -A report from the Miyagi AMI Registry Study-」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Temporal trends in the emergency care and outcomes of geriatric patients with acute myocardial infarction in Miyagi, Japan -A report from the Miyagi AMI Registry Study-

佐藤 公一 東北大学

2020.03.25

概要

【背景】
急性心筋梗塞(Acute Myocardial Infarction AMI)は罹患者の約半数が死亡に至る循環器疾患領域を代表する急性疾患である。近年、急性期の冠動脈血行再建術(primary percutaneous coronary interventionプライマリーPCI)をはじめとする急性期治療が飛躍的に進歩を遂げたことによりAMIの予後は大きく改善した。その一方で、我が国は人口の高齢化が世界で最も急速に進展しており、AMI患者においても例外ではない。治療方法や患者背景が時代とともに大きくかわりつつある昨今、本研究において高齢AMI患者の臨床的特徴と予後の経時変化を来院時心不全の合併の有無別に検討した。

【方法】
宮城県内のAMI患者全例前向き登録研究である宮城AMIレジストリー研究に2005年〜2016年の12年間の間に登録された70歳以上の高齢AMI患者6,596名(男/女;4,141/2,455名)を対象とした。それら高齢患者を年代別に3群(70歳〜79歳、80歳~89歳、90歳以上)に分けて来院時心不全合併率の経年的な変化、来院時心不全を合併した場合と合併しない場合におけるプライマリーPCIの施行率・短期予後の経年変化、さらに生存例(n=5,619例)における30日以上の長期入院を要した症例の割合の経年変化を検討した。

【結果】
対象高齢AMI患者の17.6%がKillip分類2度以上の来院時心不全を合併した重症例であった。来院時心不全合併と関わる因子について多変量ロジスティック回帰解析を行ったところ、年齢、女性、糖尿病、心筋梗塞の既往が来院時心不全発症との相関が認められた。年代別の3群全てにおいて2005年から2016年の観察期間の間に来院時心不全合併率は有意に上昇していた。さらに、来院時心不全合併に関わらずプライマリーPCI施行率は経時的な増加が認められた。一方で院内死亡率に関しては来院時心不全合併群、非合併群ともに有意な変化は認められず、横ばいであった。プライマリーPCIの予後改善効果を各年代別にロジスティック回帰分析を用いて検討したところ、来院時心不全を合併する重症群であっても70代と80代ではプライマリーPCI施行は院内死亡の改善に有意に関与していた[オッズ比(95%信頼区間)70代0.58(0.36‐0.93)、80代0.64(0.43‐0.95)、90代以上0.99(0.44-2.21)]。しかしながら、生存退院症例において来院時心不全を合併する重症群では、どの年代でもプライマリーPCIの施行が長期入院の減少効果と相関していなかった[オッズ比(95%信頼区間)70代0.90(0.52-1.54)、80代0.66(0.38-1.14)、90代以上0.38(0.068-2.10)]。

【結語】
高齢AMI患者において、来院時心不全の合併率とプライマリーPCI施行率は両者とも経時的に増加しており、それらが相殺する結果として院内死亡率は横ばいに推移していると考えられる。