リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「糖尿病網膜症における不飽和アルデヒドの病的意義に関する探索的研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

糖尿病網膜症における不飽和アルデヒドの病的意義に関する探索的研究

福津, 佳苗 北海道大学

2023.03.23

概要

【背景と⽬的】糖尿病網膜症(diabetic retinopathy, DR)は重篤な視機能障害を
きたすため、その病態解明は眼科学における重要な課題である。Müller 細胞は
網膜特異的なグリア細胞であり、網膜全層にわたって網膜の⽀柱をなす形状で
存在し、神経伝達物質の取り込みや網膜の栄養・代謝、⾎流調整などを担ってい
る。⼀⽅、
Müller 細胞は DR 病態において活性化され、⾎管内⽪増殖因⼦(vascular
endothelial growth factor, VEGF)や種々のサイトカインおよびケモカインを分
泌し、その病態形成において重要な役割を演じることも知られている。また、活
性化された Müller 細胞は硝⼦体腔に遊⾛し、線維⾎管組織と呼ばれる網膜硝⼦
体界⾯の増殖組織形成に寄与すると考えられているが、その詳細な機序は現在
ま で 不 明 で あ る 。 我 々 は 過 去 に 、 増 殖 糖 尿 病 網 膜 症 (proliferative diabetic
retinopathy, PDR)患者の線維⾎管組織に存在する網膜グリア細胞にアクロレイ
ンと呼ばれる物質の結合蛋⽩が蓄積すること、そしてアクロレインが Müller 細
胞の遊⾛を惹起することなどを報告してきた。アクロレインは反応性が⾼い不
飽和アルデヒドの⼀種であり、様々な蛋⽩と結合することでその機能異常を引
き起こすため、神経変性疾患や悪性腫瘍などの疾患病態でも注⽬されている分
⼦である。
今回、アクロレインが Müller 細胞の活性化・遊⾛を促進するメカニズムについ
て、rho-associated coiled-coil-containing protein kinase 1(ROCK1)と monocyte
chemoattractant protein-1(MCP-1)に着⽬して検討をおこなった。ROCK は細
胞⾻格のアクトミオシン束に作⽤して細胞遊⾛を促進する分⼦であり、ROCK1
と ROCK2 の 2 つのアイソフォームが同定されている。
DR 病態において ROCK
経路が活性化しているとする既報がある⼀⽅、MCP-1 は炎症細胞の遊⾛を促す
炎症メディエーターとして DR 眼内での増加および病態への関与が報告されて
いる。しかし、DR 病態における Müller 細胞の活性化とこれらの分⼦との関連
はこれまで明らかになっていない。本研究の⽬的は、DR 病態においてアクロレ
インが果たす病的意義について検討することであり、1)アクロレインは、
ROCK1 を介して Müller 細胞の遊⾛を惹起する、2)アクロレインは、Müller 細
胞から MCP-1 の放出を促進して炎症細胞の遊⾛を促す、という 2 つの仮説を⽴
てて研究を⾏った。
【材料と⽅法】
1) アクロレインと ROCK を介した Müller 細胞遊⾛に関する検討
PDR 患者から採取した線維⾎管組織を⽤いて、ROCK1/2 に対する免疫染⾊
を⾏った。 ...

この論文で使われている画像

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る