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大学・研究所にある論文を検索できる 「難治性潰瘍性大腸炎に対する内科治療の検証〜自施設データと大規模データベースから考察する〜」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

難治性潰瘍性大腸炎に対する内科治療の検証〜自施設データと大規模データベースから考察する〜

高橋, 隆宏 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
難治性潰瘍性大腸炎に対する内科治療の検証
〜自施設データと大規模データベースから考察する〜

東北大学大学院医学系研究科 医科学専攻
内科病態学講座
氏名 Name

消化器病態学分野
高橋

隆宏

研究背景

入院例を中心とした中等症から重症の潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis: UC)に対する標準的な一次治療
はステロイドであるが、それに不応の場合は手術回避としてタクロリムス(tacrolimus: Tac)あるいはイン
フリキシマブ(infliximab: IFX)が選択される。しかし、2 剤の有効性を比較した報告は症例数の少ない後
方視的な解析に限られ、その使い分けは確立していない。そこで、当科における Tac と IFX の治療成績を比較
した(検討 1)。さらに、診療群分類包括評価(diagnosis procedure combination: DPC)に基づく大規模デ
ータベースを用いて、Tac と IFX の治療成績を比較した(検討 2)


方法

検討 1: 2010 年 3 月から 2022 年 8 月までに当科で Tac あるいは IFX を開始した中等症から重症の UC 症例を対
象とした。臨床的活動性指標である clinical activity index(CAI)が 2 以上低下した場合を臨床的有効、
臨床的有効かつ CAI が 4 以下であった場合を臨床的寛解と定義し、Tac 群と IFX 群の短期成績(治療 8 週後の
手術率、臨床的有効率、臨床的寛解率)および長期成績(8 週以降の手術率)を比較した。
検討 2: 2016 年 4 月から 2020 年 3 月までに DPC システムを採用する病院において入院で Tac あるいは IFX の
投与を開始した UC 症例を抽出した。性別、年齢、body mass index、喫煙歴、Charlson 併存疾患指数、緊急
入院/非緊急入院、大学病院/非大学病院、併用薬(ステロイド、チオプリン製剤)を共変量として傾向スコア
(propensity score: PS)matching を行い、Tac 群と IFX 群の短期成績(入院中の薬剤変更率、手術率)と長
期成績(退院後の累積薬剤変更率、累積再入院率、累積手術率)を比較した。
1

(書式18)
結果
検討 1: 当科で Tac あるいは IFX を開始した 206 例のうち、軽症例や観察期間が 8 週未満の症例を除外し、144
例(Tac 群 86 例、IFX 群 58 例)を解析対象とした。8 週までに Tac 群 12 例(14.0%)
、IFX 群 6 例(10.3%)が
手術を要したが、手術率に差を認めなかった(P = 0.61)
。8 週後に Tac 群 62 例(72.1%)
、IFX 群 43 例(74.1%)
が臨床的有効と判定され、有効率に差を認めなかった(P = 0.85)
。一方、Tac 群 40 例(46.5%)
、IFX 群 38
例(65.5%)が臨床的寛解と判定され、寛解率は Tac 群で低かった(P = 0.03)
。8 週後までの手術を回避しえ
た症例で長期成績を解析すると、IFX 群(9/52 例、17.3%)と比較して Tac 群(28/74 例、37.8%)で手術例が
多く、累積手術率は Tac 群で高かった(P = 0.02)

検討 2: 観察期間における UC 入院例は 29,239 例で、そのうち Tac あるいは IFX が投与されたのは 6,671 例で
あった。入院前に投与歴を有する症例などを除外し、4,565 例(Tac 2,170 例、IFX 2,395 例)を解析対象と
したが、
PS matching 後に Tac 群と IFX 群が各々1,787 例抽出された。
入院中の薬剤変更例は Tac 群 214 例
(12.0%)

IFX 群 82 例(4.6%)であり、薬剤変更率は Tac 群で高かった(P <0.01)
。これらの症例を除外した手術例は
Tac 群 123/1,573 例(7.8%)
、IFX 群 71/1,705 例(4.2%)であり、手術率は Tac 群で高かった(P <0.01)
。次
に、薬剤変更せずに退院しえた Tac 群 1,450 例、IFX 群 1,634 例において、退院後の薬剤変更例は Tac 群 412
例(28.4%)
、IFX 群 280 例(17.1%)
、再入院例は Tac 群 325 例(22.4%)
、IFX 群 251 例(15.4%)であり、累積
薬剤変更率と累積再入院率は Tac 群で高かった(P <0.01)
。一方で、退院後の手術例は Tac 群 48 例(3.3%)

IFX 群 44 例(2.7%)であり、累積手術率に差を認めなかった(P = 0.22)


結語

Tac と IFX のいずれも手術回避に有効であったが、短期的にも長期的にも IFX の有効性が高かった。 ...

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