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大学・研究所にある論文を検索できる 「高齢マウスの下顎に特徴的な細胞外マトリックス分解酵素の発現に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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高齢マウスの下顎に特徴的な細胞外マトリックス分解酵素の発現に関する研究

影山 曜子 東北大学

2020.03.25

概要

組織は細胞と細胞外マトリックスから成り、細胞外マトリックスは細胞に外部環境を提供して細胞の分化や機能を制御している。細胞外マトリックスには多様なタンパク質が含まれ、細胞はそのタンパク質の産生と分解を通して細胞外環境をリモデリングする。皮膚等では、組織の老化に細胞外マトリックスの分解が関与することが示唆されているが、歯や歯周組織の老化に関する情報は乏しく、細胞外マトリックス分解酵素の老化への関与については不明である。そこで本研究では、歯と歯周組織の老化に関わる細胞外マトリックス分解酵素の特定を目的とし、定量性に優れたcapan alysisof gene expression(CAGE)法を用いて、若齢マウスと高齢マウスの下顎を対象に発現遺伝子を網羅的に解析した。生後10週齢(若齢)と生後50週齢(高齢)のC57BL/6系雄性マウスの下顎を摘出し、皮膚と筋を除去して、歯根・歯根膜・歯槽骨を含む下顎臼歯部を採取した。採取した試料を破砕後、トータルRNAを抽出してCAGE法による網羅的遺伝子解析を行い、高齢で発現の高い細胞外マトリックス分解酵素を同定した。さらに、同定した細胞外マトリックス分解酵素について、Real-time PCR法を用い、10週齢と50週齢のマウス下顎臼歯部におけるmRNA発現量を調べて統計学的に解析した。また、同定した細胞外マトリックス分解酵素の組織における分布を免疫組織化学的に検討した。

CAGE法による解析の結果、検出された23,290個の遺伝子のうち、362個の遺伝子が10週齢よりも50週齢で発現が増加した(FDR<0.01)。さらに、高齢で発現の高い362個の遺伝子の中に、細胞外マトリックス分解酵素であるMMP3,MMP10およびMMP12が含まれていた。また、これらのMMPについてReal-time PCR法で定量解析を行ったところ、MMP3とMMP10のmRNA発現量は10週齢より50週齢で有意に高かった。MMP12については、50週齢でmRNA発現量が高くなる傾向がみられたものの、統計学的に有意差は認められなかった。免疫組織化学的な検討では、歯槽骨周囲の結合組織や根尖部の歯根膜に、MMP3の免疫反応が散在性にみられた。さらに、歯槽頂付近の歯根膜細胞にもMMP3の免疫反応が認められた。MMP10の免疫反応は、歯槽骨とセメント質の歯根膜側表層やセメント質と象牙質の境界部に局在し、10週齢と比較して50週齢でより広範で強い免疫反応が認められた。

以上のことから本研究により、マウスの下顎におけるMMP3とMMP10の発現量は加齢に伴って増加し、細胞外マトリックスの分解を亢進することで、歯と歯周組織の老化に関与する可能性が示された。

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