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大学・研究所にある論文を検索できる 「カルシニューリン阻害薬はドナーT細胞疲弊抑制を介して免疫寛容導入を阻害する」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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カルシニューリン阻害薬はドナーT細胞疲弊抑制を介して免疫寛容導入を阻害する

千丈, 創 北海道大学

2023.09.25

概要

【背景と目的】 移植⽚対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)は同種造⾎細胞
移植(allogeneic hematopoietic cell transplantation: allo-HCT)における重要な合併症の
⼀つである。現在、カルシニューリン阻害剤(Calcineurin inhibitor: CNI)を⽤いた
GVHD 予防が広く⽤いられているが、依然として約半数の症例が慢性 GVHD を発
症し、数年にわたる免疫抑制剤による治療が必要になり、患者の QOL を著しく低下
させる。慢性 GVHD の病態には、T 細胞を介した胸腺障害によるネガティブセレク
ションが障害されることや、制御性 T 細胞(Treg)の恒常性の乱れ、ドナーB 細胞
の異常な活性化、ドナーT 細胞や⾻髄細胞の慢性活性化が関与することが⽰されてい
る。また、CNI による GVHD 予防が失敗するメカニズムの⼀つとして、CNI の IL2 シグナル遮断に伴う Treg の減少が関与すると考えられている。しかしながら、
我々の研究グループでは、allo-HCT 後にドナーT 細胞が宿主⾮造⾎細胞上のアロ抗
原に慢性的に曝露されると、エフェクター機能が著しく低下したドナーT 細胞疲弊が
促進されることを⽰しており、CNI 投与中の慢性 GVHD の発症には Treg 減少だけ
でなく、ドナーT 細胞疲弊の抑制による慢性活性化が必要と考えられる。最近、カル
シニューリン阻害剤の主要な作⽤である NFAT の阻害によって、慢性ウイルス感染
や腫瘍モデルにおいて T 細胞疲弊が抑制されることが報告された。従って、CNI に
よる GVHD 予防では、ドナーT 細胞疲弊が抑制されることで、逆説的にドナーの抗
宿主免疫寛容の誘導に失敗してしまう可能性が考えられる。しかし、実際に CNI が
allo-HCT 後のドナー T 細胞疲弊にどのような影響を与えているかは不明である。
そこで、本研究では、GVHD マウスモデルと養⼦免疫マウスモデルを⽤いて、CNI
が allo-HCT 後のドナーT 細胞疲弊の動態に及ぼす影響を検討した。
【材料と方法】 マウスの HCT では、前処置として 11Gy の全⾝放射線照射を⾏
い、主要組織適合遺伝⼦複合体半合致の allo-HCT を⾏った。移植⽚として、アロ抗
原を特異的に認識する 2C-TCR トランスジェニックマウス(2C)由来の純化 T 細胞 1
x 106 個と、ポリクローナル TCR を発現する Ly5a マウス(WT)由来の純化 T 細胞 1 x
106 個、および野⽣型 B6 マウス由来の T 細胞除去⾻髄細胞 5 x 106 個を輸注した。
CNI 投与実験では、シクロスポリン(Cyclosporine: CSP) 25mg/kg を移植後 day 0 か
ら day28 まで連⽇投与した。抗 PD-L1 抗体(PD-L1 mAbs)投与実験では、初回
500μg、2 回⽬以降 200μg を移植後 day0 もしくは day14 から day42 まで投与し
た。 ...

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