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NLRP6欠損T細胞はGVHDを悪化させる

須藤 将裕 山形大学

2021.03.31

概要

【諸言】腸上皮や免疫細胞に多く発現しているNLRP6(NOD-like receptor family pyrindomain containing 6)は、自然免疫で重要な役割を果たすインフラマソームの一種である。これまで、腸上皮におけるNLRP6の機能については明らかにされているが、T細胞における影響は不明である。

【目的】NLRP6欠損(NLRP6 KO)マウス由来T細胞をドナーとし、GVHD重症度と生存率を検証し、活性化T細胞におけるNLRP6の機能解明を目的とした。

【方法】マウス骨髄移植モデルを利用した。ドナー骨髄細胞として野生型(WT)C57BL/6(B6)マウスを、ドナーT細胞としてWT及びNLRP6 KOマウスを用いた。レシピエントには、BALB/cマウス(主要組織適合抗原(MHC)不一致)、C3H.swマウス(MHC一致マイナー抗原不一致)を用い、それぞれ放射線照射後にドナー細胞を輸注し、経時的にGVHD重症度と生存率を観察した。WT及びNLRP6 KOマウス由来T細胞の活性化とアポトーシスの測定は、非特異的T細胞受容体刺激にて行った。移植片対腫瘍(GVT)効果は、マウス骨髄移植時に少量の腫瘍細胞を同時に移植し、IVISを用いて腫瘍の変化を経時的に撮影し評価した。

【結果】MHC不一致移植(B6→BALB/c)では、NLRP6 KO T細胞をドナーとした場合にGVHD重症化と死亡率の増加を認めた。一方、MHC一致マイナー抗原不一致移植(B6→C3H.sw)では、重症化と死亡率は同等であった。GVHDにはCD4+T細胞及びCD8+T細胞依存性の発症機序があることから、CD4+T細胞とCD8+T細胞に分けて移植を行うと、MHC不一致移植ではCD4+T細胞を移植した際に顕著なGVHDの増悪を認めた。NLRP6 KO T細胞がGVHD悪化を誘導する原因を調べるために、非特異的T細胞受容体刺激をin vitroで行い、NLRP6 KO CD4+T細胞はWTに比べて増殖が顕著でアポトーシスの減少が認められたことから、長期間生存する活性化CD4+T細胞の影響と推察された。尚、GVT効果については、NLRP6 KO T細胞でWTよりも強い傾向があった。

【考察】マウス骨髄移植モデルにおいて、T細胞におけるNLRP6の発現は活性化やアポトーシスの制御に深く関与しており、とりわけCD8+T細胞よりCD4+T細胞に与える影響が大きいことから、CD4+T細胞依存性GVHDの制御に関係していると考えられた。つまり、T細胞に発現するNLRP6を制御することで、MHCクラスⅡ不一致移植におけるGVHDの重症化を抑制できる可能性がある。これまで、T細胞におけるNLRP6機能に関する報告は少なく、本研究の意義は大きい。

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