リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「ヒト三角筋から上腕二頭筋運動ニューロンへのI群a線維による脊髄反射」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

ヒト三角筋から上腕二頭筋運動ニューロンへのI群a線維による脊髄反射

吉元 拓也 山形大学

2021.09.30

概要

運動ニューロンの興奮性を調節する機構の一つにI群線維の興奮を入力とした興奮性(促通)や抑制性の脊髄反射回路(抑制)がある。これらの回路は円滑な運動や姿勢の維持に関与すると考えられている。促通は筋の共収縮、抑制は交代性収縮に機能すると考えられている。

ヒト肩の運動に関与する筋として三角筋前部(DA)、中部(DM)、後部(DP)と上腕二頭筋(BB)がある。これらの筋に対して筋電図を用いて肩屈曲伸展による運動を調べてみると、DA、DM、BBは肩屈曲で共収縮、DPとBBは肩屈曲伸展で交代性収縮を示した。これは脊髄で異なる神経投射を示唆する所見であり、本研究では、post-stimulus time-histogram(PSTH)法とelectromyogram-averaging(EMG-A)法を用いて三角筋各部からBB運動ニューロンへの反射を調べた。

対象は健常男性7名の右上肢とした。被験者は椅子に座り、肩軽度外転位、肘屈曲位、前腕回外位とした。両方法ともにBBの筋電図を記録しながら条件刺激として腋窩神経DA枝(DA神経)、DM枝(DM神経)、DP枝(DP神経)に運動閾値直下の電気刺激(矩形波:1.0ms)を行った。また刺激強度を確認するために三角筋各部に記録電極を貼りつけた。

PSTH法では、DA、DM神経刺激により、それぞれ41個中26個、48個中29個のBB運動単位に促通が誘発された。この促通とBB同名筋促通の中枢潜時の差はDA神経刺激では0.1±0.3ms、DM神経刺激では、0.1±0.2msであった。ヒトシナプスを介する時間は1.0msとされているのでこの促通は単シナプス性の経路をとることが示された。EMG-A法では、DA、DM神経刺激により被験者全員に促通が誘発された。両方法ともに条件刺激を運動閾値直下で行っていることから求心性神経はI群線維であることが示された。さらにそのI群線維を鑑別するためにDAとDMに振動刺激を行うと、促通は消失し、回復までに30分以上要した。これは、Ia線維終末からの神経伝達物質の放出が抑制されていることが考えられる。また両方法においてDP神経刺激ではBB運動ニューロンに対し、促通も抑制も誘発されなかった。以上、ヒトDAとDMからBBへはIa線維による単シナプス性促通の存在が示された。ネコでは、DMからの促通はないとされているのでこの促通は前肢から上肢への移行に伴う反射回路網の変化を示すものと考えられた。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る