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大学・研究所にある論文を検索できる 「非天然ヌクレオシドの開発」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

非天然ヌクレオシドの開発

平島, 眞吾 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
非天然ヌクレオシドの開発
Development of unnatural nucleosides
京都大学 理学研究科 化学専攻 生物化学研究室

平島 眞吾

研究成果概要
核酸は遺伝情報を保存・伝達する生体分子であり、その機能は主に塩基部分が担う。
塩基の構造を改変して得られる非天然ヌクレオシドは核酸の研究における有用なツー
ルである。2-フルオロアデニン(2FA)はフッ素化塩基の一つであり、フッ素 NMR プ
ローブや薬剤分子等として研究されてきたが、2FA の導入による核酸の高次構造への影
響は調べられていない。核酸医薬品などにおける 2FA の活用に向けて、2FA を導入し
た核酸の物性評価に取り組んだ。
DFT計算による2FAの物性予測のためにスーパーコンピュータを利用した。実験において、
2FAとシトシンのミスマッチ塩基対が天然のアデニンとシトシンのミスマッチ塩基対よりも高い熱
的安定性を示した。アデニンとシトシンのミスマッチ塩基対を含む二本鎖DNAの結晶構造
(Nature 1936, 320, 552.)から、アデニンのプロトン化と異性化がミスマッチ塩基対の形成様式
として提案されている(Figure 1)。そこで、2FAとアデニンそれぞれのpKaと異性化の活性化エ
ネルギーをDFT計算により予測した。計算により2FAでのプロトン化と異性化はアデニンより起
こりづらいことが示唆されたため、2FAとシトシンのミスマッチは他の要因で安定化された可能
性が高い。最終的には、融解温度から推定された熱力学的パラメータに基づき、芳香環のフッ
素化による脂溶性の増加が引き起こしたエントロピー利得が原因ではないかと考えた。[1]
また、前年度に行った分子動力学計算から算出されたヌクレオソーム中でのFRET効率の
理論値を、実験で得られたFRET効率の考察に活用した論文が受理された。[2]

Figure 1. 結晶構造から予想される 2FA とシトシンからなるミスマッチ塩基対の形成様式。(a)
アデニンの N1 位のプロトン化による塩基対形成。(b) アミノ-イミノ異性化による塩基対形成。
発表論文(謝辞あり)
[1] Hirashima, S.; Sugiyama, H.; Park, S. Characterization of 2-Fluoro-2’-Deoxyadenosine in
Duplex, G-Quadruplex and I-Motif. ChemBioChem 2022, 23, e202200222.
[2] Hirashima, S.; Park, S.; Sugiyama, H. Evaluation by Experimentation and Simulation of a
FRET Pair Comprising Fluorescent Nucleobase Analogs in Nucleosomes. Chem. Eur. J. in
press. ...

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