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大学・研究所にある論文を検索できる 「フェロセン配位子を基盤にした新規なケイ素低配位化合物の合成」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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フェロセン配位子を基盤にした新規なケイ素低配位化合物の合成

潘 楊 Han You 名古屋市立大学

2021.03.24

概要

有機化学において重要とされる小分子変換反応の多くは、様々な遷移金属触媒を用いて達成されている。特にパラジウムやロジウムに代表される遷移金属元素は、様々な酸化数を取ることができ、配位子との相互作用により柔軟に電子状態を変化させることができるため、小分子の酸化的付加や還元的脱離反応が速やかに進行することが知られている。その一方、希少で高価な遷移金属の枯渴問題を重視し、遷移金属が用いられていた反応を、クラーク数の髙い典型元素で代替する研究が注目されている。

中でもケイ素をはじめとした高周期1 4族元素の場合、炭素や酸素との結合が非常に安定であり、小分子変換反応への活用という観点での研究はほとんど進んでいなかった。しかし近年、かさ高い置換基による立体保護効果を活用して、様々な高周期14族元素の低配位化学種が合成されてきており、これらの化学種が小分子に対して高い反応性を示すことが明らかになった^久 つまり、パラジウムなどの遷移金属元素と同じ、酸化的付加ができることは既に証明されている。しかし、続く反応過程に問題がある。まず、隣接するアミノ基やシリル基などの安定化効果を受ける一方、反応性も同時に落ちるため、「単離出来る安定性』と「小分子変換できる反応性」を併せ持つ「低配位ケイ素化学種J が必要になる。もう一つの問題は4 価の状態から2 価に戻すことが困難である、すなわち還元的脱離が起こりにくい、ということである。それを解決するには、可逆的に酸化還元が可能な低配位ケイ素化合物が必要になる。その解決策として、当研究室では2009年に世界初めて酸化還元が安定な2価ケイ素化合物を単離することに成功し、その鍵となるのはフェロセニル基である3»。フヱロセニル基が隣に付くことにより、元々酸化還元に対して不安定な2価化学種が安定に存在することを明らかになった。

そこで本研究では、かさ高いフェロセニル基を活用して、酸化還元挙動の安定化及び速度論的安定化を施した新規低配位ケイ素化合物を設計し、その合成•単離及びェチレンや二酸化炭素の変換反応を目的とした。

初めに、フェロセンを出発物質とし、立体保護能を有するフェロセニル配位子を合成した。次に、ケイ素を導入し、これに合成したフェロセニル配位子(-Fc*)を導入することで、対応するジクロロジフェロセニルシラン(Fc*FcSiCl2)を合成した。これに、種々な還元反応を検討し、低配位ケイ素化合物の合成•単離を試みた。さらに、シクロヘキセンと[1+2]環化付加を行うことで、温和な条件下で低配位ケイ素化合物を瓶詰め可能な前駆体の合成に成功した4)。

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