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大学・研究所にある論文を検索できる 「ショウジョウバエ胚の上皮組織安定性を維持する上皮成長因子受容体シグナルの研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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ショウジョウバエ胚の上皮組織安定性を維持する上皮成長因子受容体シグナルの研究

吉田, 健太郎 ヨシダ, ケンタロウ 神戸大学

2023.03.25

概要

動物の体表や器官の表⾯を覆う上⽪組織は、外界からの有害な刺激や液体の侵
⼊から物理的なバリアとして働き、個体の内部を保護している。この上⽪組織の
バリア機能は、細胞間接着によって上⽪組織の完全性が維持されることで担保
される。⼀⽅で、上⽪組織の完全性は、細胞分裂や細胞死、形態形成のような発
⽣現象によって⽣じる機械的なストレスや細胞間接着の再構成によって、不安
定化する。これらの発⽣現象に対して、上⽪組織の構造が安定して保たれる仕組
みはわかっていない。本研究では、上⽪成⻑因⼦受容体 (EGFR)シグナルの存
在が、ショウジョウバエの胚表⽪組織の安定性維持を保障する役割を検証した。
EGFR は、進化的に保存された膜貫通型の受容体チロシンキナーゼである。
EGFR の活性化は、Ras-Raf-MEK の古典的 MAP キナーゼ経路を介して、細胞
外シグナル調節キナーゼ (ERK)の活性化を導く。活性化した ERK は転写因⼦
や細胞⾻格と相互作⽤することで、多様な細胞応答を引き起こす。例えば、EGFR
や ERK の活性化は細胞死抑制や創傷治癒を促進し、上⽪組織の恒常性を維持す
ることが知られている。ショウジョウバエの胚発⽣では、EGFR 依存的な ERK
の活性化は、rhomboid の発現によって遺伝的に制御されている。rhomboid が
発現した領域では、EGFR のリガンドである Spitz が分泌される。この遺伝的に
制御された EGFR 依存的な ERK 活性化は、胚表⽪組織の細胞分化や形態形成に
関与することが⽰唆されている。
本研究では、ERK 活性の FRET プローブを⽤いて、胚発⽣中の EGFR 依存的
な ERK 活性パターンのダイナミクスを明らかにした。さらに、蛍光デキストラ
ンのインジェクションによって、ERK の活性化は、形態形成によって胚表⽪組
織とビテリン膜の機械的な接触が失われる領域で⽣じていることが明らかにな
った。このことから、EGFR シグナル、形態形成、そしてビテリン膜が胚表⽪組
織の安定性に影響している可能性を考えた。
そこで、EGFR シグナルの存在が胚表⽪組織の安定性に与える影響を検証する
ため、EGFR 機能⽋損変異体が、胚発⽣の段階で頭部構造が⽋失するという特徴
的な表現型に注⽬した。EGFR 機能⽋損変異体では胚全体でアポトーシスが増
加する。 ...

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