リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「4. 室温溶融塩中におけるフッ化銅電解を用いたフッ素ガス製造」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

4. 室温溶融塩中におけるフッ化銅電解を用いたフッ素ガス製造

松本, 一彦 萩原, 理加 京都大学 DOI:10.5796/denkikagaku.22-FE0022

2022.09.05

概要

フッ素ガスF2は激しい反応性から特別な取り扱いが必要な物質であるとともに,その合成方法は極めて限られている1−3.学術的には多くの無機・有機化合物を合成する出発物質として,熟練した技術を持つ研究室で使用されているが4,工業的にはウラン濃縮用途のUF6や絶縁ガスのSF6の合成に利用されるほか,高分子の表面修飾に利用されている.また,半導体分野では希ガスとの混合ガスがエキシマレーザー用に普及している.5

後述の通り,F2は1886年にフランスの化学者HenriMoissanがフッ化水素HFの電解によって初めて単離した6,7が,その後現代に至るまで,本質的な電解法は変化していない(以下に反応式を示す).

アノード:2F−→F2+2e−(1)
カソード:2H++2e−→H2(2)
全反応:2HF→H2+F2(3)

反応電子数は異なるが,水電解で酸素ガスO2と水素ガスH2が生成することと類似させて捉えると理解しやすい(生成物の特性や安全性は大きく異なる).

これまでのF2電解製造は大規模な装置を使用した限られた事業所での操業を前提として進められてきた.一方,より簡便に小規模なF2利用を必要とする産業や学術機関があるのも事実である.また,これまでに高圧のF2ガスボンベを保有することができた事業所でも,安全性を重視してこのような使用方法を避ける方向性が検討されており,これは世界的な潮流でもある.このような背景のもと,筆者らは過去の研究成果を見直し,小規模なF2利用に適したF2製造法を模索してきた.本稿では室温におけるフッ化銅の電解によるF2製造について,関連分野の背景を含めてまとめる.

この論文で使われている画像

参考文献

1. H. Groult, J. Fluorine Chem. 119, 173 (2003).

2. R. J. Ring, D. Royston, A Review of Fluorine Cells and Fluorine Production Facilities: Australian Atomic Energy Commission Research Estrablishment, Lucus Heights, (1973).

3. J. F. Ellis, G. F. May, J. Fluorine Chem. 33, 133 (1986). .

4. H. W. Roesky, Efficient Preparations of Fluorine Compounds, Wiley, Hoboken, (2013)

5. フッ素化学入門 2010-基礎と応用の最前線, 独立行政法人日本学術振興 会フッ素化学第 155 委員会,三共出版 (2010).

6. H. Moissan, C. R. Hebd. Seances Acad. Sci. 102, 1543 (1886).

7. A. Tressaud, Angew. Chem. Int. Ed., 45, 6792 (2006).

8. K. Matsumoto, R. Hagiwara, Fluorohydrogenate Ionic Liquids, Liquid Crystals, and Plastic Crystals, Chap. 5 in Advanced Fluoride-Based Materials for Energy Conversion, T. Nakajima, H. Groult (Ed.), Elsevier Inc., Amsterdam, p. 103 (2015).

9. W. L. Argo, F. C. Mathers, B. Humiston, C. O. Anderson, Trans. Am. Electrochem. Soc., 35, 335 (1919).

10. P. Lebeau, A. Damiens, C.R. Hebd. Seanc. Acad. Agric. Fr. 181, 917 (1925).

11. G. H. Cady, D. A. Rogers, C. A. Carlson, Ind. Eng. Chem. 34, 443 (1942).

12. G. H. Cady, J. Am. Chem. Soc., 56, 1431 (1934).

13. K. O. Christe, Inorg. Chem., 25, 3721 (1986).

14. J. Schmedt auf der Ggnne, M. Mangstl, F. Kraus, Angew. Chem. Int. Ed., 51, 7847 (2012).

15. F. C. Mathers, P. T. Stroup, Trans. Am. Electrochem. Soc. 66, 245 (1934).

16. R. V. Winsor, G. H. Cady, J. Am. Chem. Soc., 70, 1500 (1948).

17. K. Matsumoto, K. Shima, T. Sugimoto, T. Inoue, R. Hagiwara, Angew. Chem. Int. Ed. 60, 7887 (2021).

18. 毛利 勇,海地 正明,特許第 4211983 号 (2008.11.07).

参考文献をもっと見る

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る