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大学・研究所にある論文を検索できる 「Transient effects of forebrain ischemia on fetal heart rate variability in fetal sheep」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Transient effects of forebrain ischemia on fetal heart rate variability in fetal sheep

前田 佳紀 三重大学

2022.05.09

概要

Introduction (導入)
胎児心拍数モニタリング (cardiotocography;CTG) は臨床において分娩時または妊娠期に胎児 健康度を評価 するため広く 用 いられているが、胎児心拍数細変動 (fe talheart rate variability; FHRV)はその中でも最も重要な評価 項目である。

Background (背景)
心 拍細 変動 (heart rate vari ability; HRV)は主に遠心性の交感神経と副交感神経によって生み 出されているが、大脳皮質、中脳、脳幹部を含む全ての中枢神経の構成要素がお互いに関わって機 能することで調整されていると考えられている。

Objectives (目的)
選択的な前脳虚血によって FHRVが変化するという仮説を検証する目的で実験を行なった。

Methods (方法)
ヒッジ胎仔 16 例をそれぞれコントロール群 8例、虚血群 8例に割り当てた。 Near-term に相当 する 128 士1日妊娠期(ヒッジ胎仔満期=140 日)に帝王切開により暉出した胎仔に心電図(electrocardiogram; ECG)電極 脳波 (electroencephalography; EEG)電極、後頸部筋電図 (electromyography; EMG)電極、 腕頭動脈にカ テーテルを留置した。また可逆性の膨張式カフを両側頸動脈に留置した。手術 4、5日後に虚血群において 30 分間、連続的にカフを膨張させ両 側頸動脈を閉塞し、前脳虚血モデルを作成し た。一 方で、コントロール群に対しては偽閉塞を行な った。虚血 24 時間前から虚血時、虚血終了後 7日間にわたり ECG、EEG、頸部 EMG、平均動脈 血圧 (mean arterial pressure; MAP)、動脈血液ガスを記録した。FHRV解析では時間領域解析 により SDNN(Standard Deviation of NN intervals)、RMSSD(Root Mean Square of Successive Differences) 、周波数領域解析によ り超低周波成分 (Very Low Frequency; VLF)、低周波成分(Low Frequency; LF) , 高周波成分 (HighFrequency; HF)、非線形解析により Sample Entropy (SampEn)を得た。

Results (結果)
EEGの振幅は虚血直後から強く 抑制され、その後も 7日間に渡って低下した (p<0.001) 。FHRV に関しては、虚血開始後最初の 5分間において RMSSD (p<0.01 )、 SDNN (p<0.05) 、VLF(p<0.05)、 HF (p<0.05) が有意に増加していた。対照的にこれらの変化 に遅れて SampEn は虚血開始 10 -30分で上昇していた (p<0.05)。虚血解除後には、直後の 1時 間で VLF の減少が (p<0.05) 、1-3 時間で SDNN および VLF の減少が認められた(いずれも p<0.05)。SampEnは 1-3 時間を通して増加した (p<0.05、図 5)。その後 7日間の観察期間では、 いずれの FHRVもコン トロ ール群に比 して有意な変化 は見られなかった。

Consideration (考察)
本研究では、重度脳障害と関連する 前脳虚血が FHRVに与える影響は、虚血後 3時間以内にと どまり,一過性であることが示唆された。虚血中最初 の 5分間に見られた FHRV増加は、ヒ ッジ 胎仔において重篤な低酸素症や asphyxia に対する初期の反応を示している。また、虚血解除後 3 時間以内に見られた SDNN、VLFの減少および SampEnの増加は、低酸素虚 血 (hypoxia ischemia; HI) 後、 1~6時間に生じる潜伏期 (latent phase) で見られる脳代謝の全体的な低下と関連して いると考えられる。それ以降から 7日間までの回復期 (secondaryphase)では、全身性の HIで 見られるような FHRV 減少が観察されなかった。これは、脳幹部も同時に障害される全身性 HI と対照的に、前脳領域のみの障害では HRVに影態しないこと、すなわち胎児期の HRVは脳幹部 のみで調整されていることを示唆する。成体や新生児においては、前脳領域が HRVに影孵してい ることを合わせて考えると、胎児期には自律神経投射に対する前脳の機能的な調節制御が、抑制さ れていると考えられる。

Conclusion (結論)
ヒッジ胎仔において前脳虚血による FHRVの変化は限定的であった。 FHRVは脳幹部 に由来するものであり前脳の神経発達や代謝に関する意義は乏しい可能性が示唆された。

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