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大学・研究所にある論文を検索できる 「遺伝子治療用ウイルスベクターの品質試験およびプロセス開発に必要となる技術プラットフォームの構築と事業化」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

遺伝子治療用ウイルスベクターの品質試験およびプロセス開発に必要となる技術プラットフォームの構築と事業化

齋藤, 俊介 神戸大学

2023.09.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

遺伝子治療用ウイルスベクターの品質試験およびプ
ロセス開発に必要となる技術プラットフォームの構
築と事業化

齋藤, 俊介
(Degree)
博士(科学技術イノベーション)

(Date of Degree)
2023-09-25

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8749号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100485933
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(別紙様式 3
)

論文内容の要旨





齋藤俊介



攻__科学技術イノベーション

論文題目(外国語の場合は,その和訳を併記すること。)

遺伝子治療用ウイルスベクターの品質試験およびプロセス
開発に必要となる技術プラットフォームの構築と事業化

指導教員

内田和久



) 2
, 000字∼ 4
, 000字でまとめること。

(氏名:

齋藤俊介

NO.l
)

目的物質を生産する生合成経路を構築するために必要な遺伝子を設計・合成し、合成した
遺伝子を細胞に導入することで生物システムを作り出す合成生物学は、様々な産業分野で
応用が進められる。特に、医療産業分野における躍進が目覚ましく、近年では「体内または
細胞へ遺伝子を運び、遺伝子を発現させ、発現したタンパク質が治療効果を発揮する」モダ
リティである遺伝子治療の承認薬も誕生した。近年の遺伝子治療に多く利用されるウイル
スベクターは細胞に DNAを導入することで生産される。ウイルスベクターを用いた遺伝子
治療は歴史が古く、 1
990年に世界で初めて米国で実施されたが、 2000年前後に死亡事故が
起き、低迷期を迎えた。しかし、遺伝子治療に関する研究は欧米を中心に継続され、 2012
年に先進国で初めて遺伝子治療用製品が承認(製品名 Gl
y
b
e
r
a
) されて以降、 2010年代後
半には世界で開発される遺伝子治療用製品の開発パイプライン数は著しく増大した。一方、
日本で進められる遺伝子治療を臨床試験は、世界の 2%しか占めておらず (
2
0
1
7年)、米国・
欧州諸国に大きく遅れている。
日本が遺伝子治療用製品の開発で大きく遅れをとった原因の一つとして、遺伝子治療に
用いるウイルスベクターとその原料となるプラスミド DNAを開発・製造できる体制が国内
に整備されていない点が挙げられる。薬の候補物質をヒトに投与できる品質を保証できる
よう、製造プロセスと品質試験法を開発する研究領域を CMC(Chem
i
s
t
r
y
,Manu
f
a
c
t
ur
i
ng

andCon
t
r
o
l
) と呼び、ウイルスベクターに関する CMCは、遺伝子治療用製品の開発にお
いて重要な研究課題として近年盛んに研究が進められる。高度な科学的専門性とレギュラ
トリーサイエンスの知識が必要となるウイルスベクターの CMCは、欧米では受託開発製造
企業 (CDMO;Con
t
r
a
c
tDevelo
pmen
t&Manuf
a
c
t
ur
i
ngOrg
an
i
z
a
t
i
o
n
) が中心的な役割を
担っているが、日本にはウイルスベクターの開発・製造を受託できる企業が非常に少ない状
況である。
本研究では、遺伝子治療に用いるウイルスベクターの CMCに必要となる技術プラットフ
ォームの構築を目指し、ウイルスベクターの品質試験とプロセス開発の技術に関する研究
を行った。さらに、本研究により得られた科学技術上のブレークスルーを社会的・経済的価
値創造へと繋げる事を目指し、日本を拠点とした遺伝子治療用ウイルスベクターの受託開
発事業を展開するために必要となる戦略構築(技術戦略、知財戦略、事業戦略、財務戦略)
を行った。
先端技術研究としては、近年の遺伝子治療に広く利用されるアデノ随伴ウイルス (MV)
ベクターの品質試験法として、 Dro
pl
etdi
g
i
t
a
lPCR(ddPCR)を用いたベクターゲノム (VG)
タイターの定量方法の検討を行った(第 2章

。 VGタイターは M Vベクターの投与量とし
て表記され、治療薬の有効性と安全性に大きく関係する非常に重要な品質特性である。これ
まで VGタイターの試験法として汎用されるリアルタイム PCRと異なり、 ddPCRは検量

(氏名:

齋藤俊介

NO.2
)

線を必要とせず、精度高く VG タイターを絶対定量できる。しかし、優れた特徴を有する

ddPCRを品質試験に利用しても、科学的妥当性に基づき適切な試験手順が設計されなけれ
ば、正しい VGタイターの定量結果を得る事はできない。さらに、重要な品質試験にも関わ
らず VG タイターの試験手順は研究機関毎に異なり、標準化された手順が無い状況も課題
である。本研究では AAVベクターの検体前処理工程に着目し、①DNase処理によるカプシ
ド外に存在する DNAの除去、②DNaseの不活化、③カプシドから一本鎖 DNA (ssDNA)
の抽出、④ドロップレットの作製と PCRの各ステップにおいて、熱処理パラメータが VG
タイターの定量結果に及ぼす影響を評価した。 DNaseの不活化は 50
℃以上でなされること
が多いが、 5
0℃から 65℃と加熱温度を増大させるにつれて VGタイターの定量値が低減す
ることが示された。本結果について考察するため、示差走査蛍光光度法を用いて、 1
5℃から

95℃まで AAVベクターを加温した際の ssDNA由来の蛍光強度についてモニタリングした
結果、実験に用いた全ての AAVベクター(血清型 1
、2、5、6
)において、 55℃付近で ssDNA
がカプシドから大きく漏出する温度(以降、 Trと表記)が認められた。 Trはタンパク質の
安定性の指標とされる Tmより低く、 ssDNAの長さや製剤処方成分にも影響を受けるため、
開発する製品毎に特性値として Trを把握することは、 VGタイターの試験手順を設計する
上で重要であることが示唆された。本結果に基づき、 ddPCRを用いた VGタイター定量試
験の検体前処理手順として、 Tr付近の操作を避けられるよ う、② DNase の不活化と③

ssDNAの抽出を 95℃で同時に行う 3ステップから成る方法を提案した。
ウイルスベクターの製造技術に関する研究としては、 AAVベクターの製造コストを低減
できる DNAについて開発を行った(第 3章)。近年、遺伝子治療に用いる AAVベクターの
非常に高額な製造コストは大きな問題となっており、原料となるプラスミド DNAに関係す
る費用がコストの多くの割合を占めている。本研究では、 AAVベクターの製造に利用され
る DNAの数を 3つから 1つに低減するため、 AAVベクターの産生に必要な全ての遺伝子
を 1つのプラスミドに搭載した DNA (統合型プラスミド)を、枯草菌による DNA集積技
術である OGABR
法を用いて構築した。統合型プラスミドを用いて一連の AAVベクターの
生産実験を行った結果、従来の製造方法(トリプルトランスフェクション法)と同等以上の
収量が得られた。枯草菌によって構築された DNAから AAVベクターが産生されることは
報告されてなく、本研究成果は特許としてまとめ、 2020年に 2件
、 2022年に 1件の特許
出願を行った。
第 4 章では、イノベーションアイデアである「日本を拠点とした遺伝子治療用ウイルス
ベクターの受託開発事業」を遂行する上で必要となる戦略についてまとめた。

(氏名:

齋藤俊介

NO.3
)

【技術戦略】
先端技術研究で得られた知見を活かし、遣伝子治療用製品の開発に必要となる技術プラッ
トフォームを国内に構築する。( 1) ウイルスベクターの品質試験•特性解析に必要となるデ

ジタル PCRを含む先端分析設備を選定し、高度な専門性を要する遺伝子治療に特化した受
2
) 統合型プラスミド等のウイルス
託分析サービスが実施できる体制を構築する。加えて、 (

ベクターの製造コストや品質の改善を目的とした技術開発に集中し、独自に開発したウイ
Jレスベクター製造用 DNAを用いて製造プロセス開発・スケールアップを実施できる体制を
構築する。
【知財戦略】
先端技術研究で得られた品質試験に関係する知的財産は、ノウハウまたは公開できる内容
については技術営業資料の材料として利用する。統合型プラスミド等の製造技術に関係す
る知的財産は、特許として権利を取得し、遺伝子治療用ウイルスベクターの受託開発事業を
行う上での模倣困難性を確保し、当社の事業価値を高める。また、特許を保有するウイルス
ベクターの製造技術は、製薬企業や CDMOにライセンスアウトし売上に繋げる。
【事業戦略】
環境分析 (PEST分析、 5F分析、バリューチェーン分析、 VRIO分析)を行った結果、「ポ
ストコロナ時代における日本の事業環境はウイルスベクターの受託開発事業にとって良い
方向に働く」、また「 DNA合成からウイルスベクターの開発まで一貫した遺伝子治療に関す
るバリューチェーンは持続的競争優位である」と分析した。さらに、ウイルスベクターの受
託開発事業に参入する上において、迅速な事業展開が重要であり、事業活動について選択と
集 中 が 必 要 と 考 え ら れ た 。 医 薬 品 の 製 造 を 行 う た め に 必 要 と な る GMP (Good

Manu
f
a
c
t
ur
i
ngPrac
t
i
c
e
) に準拠した製造活動(設備導入、人材採用・教育、文書整備を含
む)は、体制構築のために大規模な投資と長い時間を要するため事業戦略として適切でなく、
既に GMP基盤を有する CDMOと提携する戦略を取ることとした。
【財務戦略】
上記戦略に基づき策定した本事業の事業計画を、著者が所属する企業の財務計画に反映さ
せた。顧客に提供する複数のサービスの価格を基に売上計画を策定し、 2028年までの収益
構造と成長戦略を検討した。併せて、事業計画の達成マイルストンと年度毎に必要となる設
備投資や人員雇用を考慮し、資本政策を検討した。

以上のことから、高度な専門性を要する遺伝子治療用ウイルスベクターの分析技術と、独自

(氏名:

齋藤俊介

NO.4
)

の DNA合成技術やウイルスベクター製造技術と、 DNA合成からウイルスベクター開発が
可能なバリューチェーンを有する日本を拠点とした遺伝子治療用ウイルスベクターの受託
開発事業に必要となる戦略を策定し、大きな企業価値が期待できる事業計画を策定するこ
とができた。ウイルスベクターの CMCと製造の基盤が整備されていない日本の状況は、日
本の遺伝子治療用製品の開発において大きなボトルネックとなっており、この状況が続く
と、今後、遺伝子治療の領域で技術革新が起きたとしても、我が国では遺伝子治療用製品を
国産化できず、コロナワクチンと同様に海外からの輸入に頼らざる得ない状況になり得る。
本研究で策定した戦略を基づき、本先端技術研究の成果を社会実装し、技術プラットフォー
マーとして、日本の遺伝子治療の発展に貢献し、社会的・経済的価値を創出したい。

以上

(別紙1)

論文審査の結果の要旨

::五:ょ;f;クターの品質試験およびプロセス開発に必要となる技術プラット
職名

主査

特命教授

内田和久

副査

教授

蓮沼誠久

副査

准教授

副査

教授.





審査委員

区分

石川周
山本一彦

要 旨
遺伝子治療製品に関する産業分野は、非常に成長著しい分野となっている。その一方、製品化に必須の
遺伝子治療薬用ウイルスベクターの C
M
C*分野の研究レベルの向上が、製品化の拡大のスピードに追い付い
つかず、品質にもばらつきがあるなど課題が散見される。立ち遅れる C
M
C研究の課題は、品質試験に関す
る課題と製造プロセスに関する課題とに大別でき、それぞれ、技術のプラットフォーム化が期待される。
本研究では、品質試験に関する課題のうち、<先端技術研究 1:
第 2章>として最新のデジタル P
C
R(

下 d
d
P
C
R
) を用いたベクターのゲノムタイターを定量する方法を確立するとともに、<先端技術研究 2:
第 3章>として、アデノ随伴ウイルスベクター(以下 A
A
Vベクター)の製造に用いる統合型プラスミドの開
発を行い、第 4章では、両技術を社会実装して、 「日本を拠点とした遣伝子治療用ウイルスベクターの受
託開発事業」を目指すための戦略構築を行った。
*
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,M
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dC
o
nt
r
o
l
く第 1
章>序論
遺伝子治療とは「疾病の治療を目的として遺伝子または遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与するこ
と」と定義され、 2
0
1
8年に S
ci
e
n
c
e誌に掲載された総説「 G
e
n
et
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e
r
ap
yc
o
m
e
sofa
g
e
」では、invi
v
o療
法として、 A
A
Vベクターが遺伝子治療に必要不可欠な手法として挙げられている。遺伝子治療の開発は活
発化し、 2
0
1
0年代半ばから急激に遺伝子治療の開発パイプライン数が増大している。しかし、開発される
遺伝子治療のパイプライン数が増大するに連れて、遺伝子治療の普及において二つの大きな課題が表面化
してきた。一つ目の課題は、品質管理手法の問題で、ウイルスベクターはタンパク質と核酸を併せもつ構
造をとっているが、治療薬としてウイルスベクターを開発する以上、ウイルスベクターに対してヒトに投
与できる品質を保証する事が必須となる。しかし、現時点でも標準化された品質試験手順は存在せず、開
発機関ごとに規格や試験手順を設定している現状である。二つ目の課題は製造プロセス上の問題で、非常
に高額なウイルスベクターの製造コストにある。ウイルスベクターの現在主流となる製造プロセスは、製
造原料として主に複数のプラスミド D
N
Aを動物細胞に導入して培養し、得られたウイルスベクターをカラ
ムで精製し不純物除去して製剤化されているが、その製造コストのうち、原材料となる複数のプラスミド
D
N
A(
A
A
Vベクターの場合は 3種類)の価格が高いことが、その主たる要因である。第 1章では、これら 2
つの課題を整理し、次章以降で課題を解決するため、筆者の独自の視点を提示した。
く第 2章>デジタル P
C
Rを用いたアデノ随伴ウイルスベクターのゲノムタイタ一定量試験法に関する研

A
A
Vベクターの力価に関係する品質特性は最も重要であり、ウイルスベクターのゲノムタイターは、 A
A
V粒
子中に含まれる治療遺伝子を含む D
N
Aの定量値である。この定量値は A
A
Vベクター開発品や製品の投与量
として表記される点から非常に重要な数値であるが、従来の定量 P
C
R法では毎回標準品と比較して定量す
る方法論や技術的な課題、である変異を含む D
N
Aや不完全な D
N
Aも定鼠結果に反映されてしまう。

2ページにわたる場合
氏名

1

齋藤俊介

Rは核酸の絶対定量が可能な分析法として注目されており、定量法として精度が高いな
C
P
d
最近開発された d
Rの定量法とし
C
P
d
どの特徴からウイルスゲノムタイターの品質試験法としても有用と想定される。一方、 d
る前処理の各パラメ
ての活用には、前処理工程の適切な設定が重要であるので、試験検体の調製で実施され
ータが、ウイルスゲノムタイターの定量結果に及ぼす影響等について網羅的な評価を行った。その結果、
Vベクタータイターの関
A
Aが漏出する温度と A
N
yによりカプシドから D
r
et
m
ri
o
u
l
gF
n
ni
n
a
c
lS
ia
nt
e
r
fe
f
Di
Aのカ
N
e不活化、 3:一本鎖 D
s
a
N
e処理、 2:D
s
a
N
連性を見出した。それを活かして従来、 4ステップ(1:D
) で実施される前処理工程に代わる方法として、より定量値に信頼性が高く、か
R
C
:P
プシドからの抽出、 4
Aのカプシドからの抽出を同時に行う 3ステップの前処
N
e不活化と 3の一本鎖 D
s
a
N
つ頑健性に優れた 2の D
Rを用いたウイルスベタイター定量試験の検体前処理手順として提案し理系論文として投稿
C
P
d
理方法を、 d
した。

Vベクターの製造に用いる統合型プラスミドの開発
A
< 第 3章> A
Aを
N
Vベクターの製造方法のトランスフェクションは、 3種類のプラスミド D
A
現在主流となっている A
Aの原
N
3等の宿主細胞に同時に導入するトリプルトランスフェクション法であるが、そのプラスミド D
9
2
K
E
H
つに低減
1

A
N
D
ベクターの製造に利用される
V
A
A
課題である。本研究では、
料コストが高額であることが
A (統合型プラスミ
N
Vベクターの産生に必要な全ての遺伝子を 1つのプラスミドに搭載した D
A
するため、 A
V
A
R法を用いて構築した。統合型プラスミドを用いて一連の A
B
A
G
A集積技術である O
N
ド)を、枯草菌による D
の収量が得られた。
ベクターの生産実験を行った結果、従来のトリプルトランスフェクション法と同等以上
Vベクターが産生されることは報告されてなく、本研究成果は特許と
A
Aから A
N
枯草菌によって構築された D
1件の特許出願を行った。
年に
2
2
0
、 2
0年に 2件
2
0
してまとめ、 2
nシステム法の検証を完了し、シンプロ
io
ct
e
sf
n
a
r
et
l
g
n
Aによる Si
N
以上のことから統合型プラスミド D
ジェン社における社会実装の要素技術が整ったと結論した。
く第 4章>先端技術研究の社会実装に向けた戦略構築
本章では、品質試験法開発と製造プロセス開発という二つの側面から得られた先端技術研究の成果を社会
実装するため、イノベーションアイデア「日本を拠点とした遣伝子治療用ウイルスベクターの受託開発事業」
の事業化に向けて、技術戦略、知財戦略、事業戦略、財務戦略を検討している。その検討で大きく 2つ重要
な事項を見出し整理している。
Vベクターに集中)」とし、活
A
1つ目は事業範囲を選択と集中させ、事業領域を「遺伝子治療(最初は A
P下で実施せずに
M
G
かつ、製造に関しては
」に絞り込み、創薬を行わず
C
M
C
Aの設計・合成と
N
動の範囲を「 D
アライアンスで対応する方針とした。この絞り込みにより、遺伝子治療用ウイルスベクターの生産に関する
データを効率的に蓄積と開発のスピードの加速もできると考察している。さらに、本視点をシンプロジェン
A合成技術を有することで、
N
R法という D
B
A
G
社の技術戦略と事業戦略に反映させている。 2つ目は独自の O
この方法を用いた統合型プラ スミドの作成技術を主体とし た遺伝子治療用ウイルスベク ター製造プロセス
Aの自由な合成という観点で非常に価値があり希少である。また、バイオプロダクシ
N
開発は、プラスミド D
C
M
A合成と C
N
A合成技術と品質試験法開発を組合わせることが大きな強みであり、 D
N
ョンにおいて、独自の D
が戦略的フィットを形成することで、本事業のバリューチェーン全体で持続的な競争優位の状態をつくるこ
とができる結論している
C開発)、
M
C
以上の特色を活かした事業戦略として①プロセス開発(研究用ベクター)、②プロセス開発 (
。これらは遺伝子治
つのサービスを採択している
4

)
P
M
G
(
) 、④分析サービス
P
M
G
n
o
N
③分析サービス (
療用製品の開発ステージに沿う形で顧客に提案される。収益構造としては、これら 4つのサービスに、統合
dyの費用やライセンス料が加わる。
u
St
y'
t
i
1
bi
si
ea
型プラスミド等の特許技術に関する F

C上の主たる課題である品質に関する課題とプロセスに関する課題の
M
Vベクター開発における C
A
本研究は A
Vベクターのゲノムタイター定量試験法
A
Rを用いた A
C

d
両者について取り組んだ事例として価値が高く、 d
や製造に用いる統合型プラスミドの開発といった技術を社会実装し、新たな価値を創造する遺伝子治療用ウ
イルスベクターの受託開発事業の可能性を示した意義は大きいと考えられる。提出された論文は科学技術イ
ノベーション研究科学位論文評価基準を満たしており、学位申請者の齋藤 俊介は、博士(科学技術イノベ
ーション)の学位を得る資格があると認める。

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