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大学・研究所にある論文を検索できる 「Paleoenvironmental reconstruction using geochemical and rock magnetic analyses for carbonates obtained from the Kingdom of Tonga, South Pacific」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Paleoenvironmental reconstruction using geochemical and rock magnetic analyses for carbonates obtained from the Kingdom of Tonga, South Pacific

福與, 直人 東京大学 DOI:10.15083/0002006689

2023.03.24

概要

論文審査の結果の要旨
氏名

福與 直人

本論文は全 4 章からなる。第 1 章はイントロダクションであり、トンガタプ島を中心
とした南太平洋の古気候や人類の定着と移動、そしてテクトニクスに関するこれまでの
先行研究をまとめ、本研究の目的を論じた。研究背景として、中期完新世の高海水準期以
降のトンガタプ島の Fanga’uta ラグーンの閉鎖と生物生態の変化を挙げ、環境変動のパ
ラメータの定量化の重要性を説くとともに、本研究で地球化学的・地球物理学的定量化を
目指すことを述べている。
第 2 章は、ラグーン周辺のフィールド調査、主にラグーンの水の温度・塩分・安定酸素
同位体組成、そして二枚貝 Gafrarium tumidum の現生試料と完新世の貝塚から産する
試料の放射性炭素同位体、安定酸素同位体、体サイズをもとに、生息環境の指標の定量化
を試みた。特に、放射性炭素のリザーバ効果の指標である ΔRlagoon を提唱し、それを用
いて外海(南太平洋)とラグーンとの海水交換の度合いを解析するともに、体サイズと併
せて過去 2500 年間の塩分の定性的変化やラグーンの孤立を明らかにした。また、GIA モ
デルを用いた中後期完新世のトンガタプ島の相対的海水準変動をシミュレートし、中期
完新世の高海水準期においてもせいぜい現在+0.8 m 程度の海水準であったことが示され
た。これに対しトンガタプ島の中期完新世サンゴ化石は+2 m の海水準を示し、明らかに
相対的海水準だけでは説明できない。テクトニックな隆起の寄与が必要である。この隆起
速度は、GNSS による最近のトンガタプ島の隆起速度より一桁低く、数千年規模の長期
的な地殻の隆起を反映していると考えられる。
第 3 章では、同じくトンガタプ島の鍾乳洞で採取された石筍について、放射性炭素分
析と走査型 SQUID 顕微鏡を用いた磁性鉱物の同定と定量を行った。対象とした石筍試
料は、放射性炭素記録から、暗灰色の表面部分が中期完新世、ハイエイタスを挟んで明灰
色の内部が後期更新世最終氷期に成長したものであることが判明し、その中の磁性鉱物
の分布から表層の中期完新世の暗灰色部で磁性鉱物の濃度が高く、磁鉄鉱に加えて赤磁
鉄鉱が含まれていることが分かった。このことは、完新世での鍾乳洞上位の土壌の酸性化
を示唆しており、人類の活動による土壌酸性化、あるいは火山灰降灰による土壌酸性化の
いずれかによるものとされた。
第 4 章は総合的な考察と結論である。ここでは、第 2 章と第 3 章で得られた知見を基
に、トンガタプ島の完新世の気候変動、人類の移動の可能性、テクトニックな地殻変動に
ついて議論した。
なお、本博士論文第 2 章のうち、放射性炭素リザーバ効果とモデリングに関する研究
は、Geoffrey Clark, Anthony Purcell, Phillip Parton, 横山祐典との共同研究であるが、
論文提出者が主体となって分析及び解析を行ったものである。また、第 3 章のうち、走
査型 SQUID 顕微鏡を用いた石筍の磁性鉱物マッピングに関する研究は、小田啓邦、横山
祐典、Geoffrey Clark, 山本裕二との共同研究であるが、論文提出者が主体となって分析

を行ったものである。これらの論文について、論文提出者の寄与が十分であると判断す
る。
したがって、博士(理学)の学位を授与できると認める。

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