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大学・研究所にある論文を検索できる 「High-mobility group box 1 fragment suppresses adverse post-infarction remodeling by recruiting PDGFRα-positive bone marrow cells」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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High-mobility group box 1 fragment suppresses adverse post-infarction remodeling by recruiting PDGFRα-positive bone marrow cells

後藤, 隆純 大阪大学

2020.06.30

概要

〔目的(Purpose)〕 近年, 間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell;MSC)を障害組織へ綉導し自己再生能を促進させる因子としてHigh mobility group box1(HMGB1)が注目されている.我々は, HMGB1のMSC誘導ドメインを元に, HMGB1製剤を開発した.本剤は骨髄由来MSC(bone marrow derived MSC;BM-MSC)を障害組織へ誘導させ, 組織修復を促進させる.そこで今回, 心筋梗遊心不全モデルラット(myocardial infarction model;MI model)に対しHMGB1製剤を静注する事により, 梗塞後心筋リモデリングが抑制され, 心機能が改善する事を仮説とし, 検証した.

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
方法:
実験① HMGB1製剤のMI modelに対する有効性の検証
 SD rat(♂, 7w)でMI modelを作成, 梗塞2週後HMGB1(3mg/kg;n=14), またはPBS(3ml/kg;n₌12, as control)を4日連続で静脈投与した.心エコーによる心機能評価(投薬前, 投薬1, 4週後)を行い, 投薬4週後に心臓摘出しRT-PCR, 病理組織により心筋リモデリングを評価した.
実験② HMGB1製剤による, 心筋梗塞部へのBM-MSCs誘導効果の検証
 Wister rat(♂, 5w)に致死量照射(8-10Gy)し, 翌日GFP-Wister ratから採取したCD4negGFP陽性骨髄(1*106ml)を尾静脈から骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)し, GFP陽性骨髄細胞移植モデルラット(GFP-BMT model)を作成する.BMT5週後, 実験①と同様にMI modelを作成し, HMGB1を投与(HMGB1群;n=8, PBS群;n=7)した.投薬4週後に心臓摘出し, RT-PCR, 病理組織学的に, 障害心筋へのBM-MSC誘導効果を評価した.また, 障害心筋へ誘導されたBM-MSCのparacrine効果, 及び分化能について, 病理組織学的に評価した.
実験③ リアルタイムイメージング法(intravital imaging)による, BM-MSCの障害心筋への集積評価
 実験②のGFP-BMT model(梗塞2週後)を新たに作成し, HMGB1静注による骨髄細胞の心筋梗塞部への誘導を、多光子顕微鏡を用いたintravital imaging systemにてreal timeで観察した(HMGB1・静注後0-12時問).また, 障害心筋におけるMSC誘導因子の発現を評価するため, 代表的なhoming factorであるSDF1の障番心筋での発現傲を, RT-PCR及び病理組織学的手法を用いて評価した.
結果:
実験① 投薬4週後の心機能評価では, HMGB1群の方がcontrol群に比較して, LVEFが有意に萵値であった(HMGB1 vs. control;48.6±5.5% vs. 33.9±5.3%, p<0.01).病理組織評価では, HMGB1群において, 有意な心筋組織の線維化抑制, 心筋細胞の肥大化抑制, 血管新生亢進を認めた.HMGB1群では障害心筋におけるVEGF-A mRNA発現量が有意に高値(1.63±0.64 vs. 1.18±0, 25, p<0.05)であり, また, TGF-β mRNA発現量は有意に低値(1.13±0.25 vs. 1.66±0.75, p<0.01)であった.
実験② 障害心筋におけるGFP mRNA発現量はHMGB1群で有意に高値(1.8±0.5 vs. 0.9±0.2, p=0.017)であり, 障害心筋のGFP+/PDGFRα+細胞数はHMGB1群で有意に高値であった(1418.7±243.7 vs. 589.8±66.5/mm2, p 実験③ 心拍動下intravital imagingにて, 障害心筋にGFP+/PDGFRα+細胞が継時的に, 有意に増加する事を確認した.正常心筋と比較し, 梗塞2週後の障害心筋では, SDF1 mRNA発現量が有意に高値(障害心筋vs正常心筋;2.2±0.5 vs. 0.9±0.2, p<0.01)であり, SDF1が髙発現する障害心筋辺縁部にBM-MSCが有意に集積していた.

〔総括(Conclusion)〕
MI model ratにおいて, HMGB1静注により, 自己BM-MSCsが障害心筋へ誘導され, 心機能改善効果を認めた.

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