リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Fragmentation of cell-free DNA is induced by upper-tract urothelial carcinoma-associated systemic inflammation」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Fragmentation of cell-free DNA is induced by upper-tract urothelial carcinoma-associated systemic inflammation

中野, 剛佑 大阪大学

2021.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
 上部尿路上皮癌(upper tract urothelial carcinoma : UTUC)は診断時に筋層浸潤性であることが多く、予後不良な疾患である。診断においてはCT-urographyや逆行性腎盂造影、尿管鏡等が用いられており、確立した血液バイオマーカーは存在しない。近年では、血中遊離DNA (cell-free DNA : cfDNA)が、癌患者における低侵襲バイオマーカ一として注自されている。これまでに複数の癌種で、断片長が短小化したcfDNAが増加していることが報告されている。本研究では、UTUCB者におけるcfDNAの臨床的有用性を評価するとともに、癌患者で短小化cfDNAが増加する生物学的意義を検討することを目的とした。

〔方法(Methods)〕
 2016年1月から2019年12月までに当院で診断されたUTUC患者50例を対象とした。全例病理組織学的に尿路上皮癌と診断した。未治療時に採取した血漿からcfDNAを抽出し、断片長、濃度を測定し健常者と比較した。cfDNAの断片長は、マイクロチップ型電気泳動装置にて測定し、cfDNAの濃度として血漿1ml中のACTBのコビー数を定量的リアルタイムPCR法で評価した。cfDNAの断片長と濃度それぞれのUTUC診断能をロジスティック解析とROC曲線解析で評価した。予後はカプランマイヤー法にて生存曲線を算出し、ログランク検定を行った。さらに、健常者から採取した末梢血単核細胞( PBMCs ) を炎症性サイトカイン(TNFa、IL6、IL-lra)を添加した培®液中で培養し、培趂上淸中のcfDNAの断片長を評価した。

〔成績(Results)〕
 UTUC患者では健常者と比較して、有意にcfDNAの断片長が短く(p=0.007)、濃度が髙かった(p=0.042)。cfDNAの断片長によるUTUCの診断精度は中程度(AUC=0.72)であった。また、多変量解析により、cfDNAの断片長は独立したUTUC診断予測因子であることが示された(オッズ比= 0.807、95%CI 0.653〜0.955,p=0.024)。さらに、cfDNAの断片長は、疾患の進行に伴って短くなる傾向を示し(p<0.001)、断片長の短い群では長い群と比較して予後不良の傾向を認めた(p=0.083)。また、cfDNAの断片長と相関する因子を探索するため、種々の血液マーカーとの比較を行った結果、cfDNAの断片長は炎症系マーカーとの相関を認めた(CRP[r =-0.612]、NLR [r =-0.530]、Alb [r = 0.618])。さらに、cfDNAの断片長と、膀胱癌において予後不良と関連すると報告されている炎症性サイトカインの血清レベルとの問に強い負の相関を認めた(TNFa[r= -0.837]、IL-6 [r=-0.964]. IL-lra [r=-0.911])。これらの結果から短小化cfDNAの増加に全身性炎症が関速していることが示唆された。また、TNFaを添加した培地で培養したPBMCsの培獲上清中では、未処理のPBMCs培獲上清中と比較して、短小化cfDNA断片の割合が有意に増加していた。IL6、IL-lraでは短小化cfDNAの増加は認めなかった。さらに、短小化cfDNAの増加はTNFaの濃度依存的に亢進し、TNFa阻害剤(R-7050)により減弱したことから、TNFaによる直接作用であることが示唆された。

〔総括(Conclusion)〕
 cfDNAの断片長は上部尿路上皮癌のバイオマーカーとして有用であり、TNFaによって短小化しており、全身性炎症を反映している。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る