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大学・研究所にある論文を検索できる 「Perifascial areolar tissue移植とヒト塩基性線維芽細胞増殖因子製剤を用いた難治創治療の実験的検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Perifascial areolar tissue移植とヒト塩基性線維芽細胞増殖因子製剤を用いた難治創治療の実験的検討

大島, 純弥 筑波大学

2023.09.04

概要















目:

Perifascial areolar tissue 移植とヒト塩基性線維芽細胞増殖因子製剤を
用いた難治創治療の実験的検討

指導教員:
人間総合科学研究科

疾患制御医学専攻

関堂充教授

所属:筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻
氏名:

大島純弥

【目的】

Perifascial areolar tissue(PAT)移植術は筋膜上の結合組織を面積を持ったま
まシート状に採取し、創傷被覆材のごとく露出組織に貼付する術式である。手
術手技は簡便であり、採取による犠牲も少ないといった特徴に加え、乏血流組
織の上にも速やかに肉芽を形成できるという利点がある。しかし基礎研究や検
証は行われておらず PAT 移植術のメカニズムや適応、治療の限界は不明である。
また本邦で創傷治療に広く使用されいてる ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子
(bFGF)製剤は各種組織移植との併用が報告されている。本研究の目的は PAT 移
植術において検討の乏しい基礎研究を行うため、PAT 移植を動物実験で検証す
ることに加え、PAT 移植と bFGF 製剤の併用効果を検討することである。
【対象と方法】
3 つの実験を行った。①ラットにおける PAT の組織検討を光学顕微鏡、電子
顕微鏡で行った。②頭蓋骨を露出させたラットに背部から採取した PAT を移植
する群(PAT(+))と頭蓋骨を露出させ移植を行わない群(PAT(-))に分け、PAT 移植術
の創治癒促進効果の検討を行った。③ラット背部の創にシリコンシートを挿入
し人工物露出モデルを作成した。bFGF 製剤を付加した PAT を移植する群
(bFGF(+))と付加しない PAT を移植する群(bFGF(-)) について移植後の PAT につ
いて遺伝子発現と組織切片での厚さを評価した。
【結果】
①EVG 染色において、背部全層の組織では黄色に染まる広背筋と肉様筋の間
に赤く染色される緩い結合組織の層を認めた。この層は主に網状の結合組織と
血管で構成されていた。単独採取での PAT は著明に収縮したが、結合組織の層
状構造は維持されていた。電子顕微鏡では、結合組織は広背筋に近い深部では
比較的走行が揃った層状に重なっており、中央部では網目状構造を呈していた。
②PAT(+)群では速やかに創治癒が進み、移植後 28 日で全てのラットにおいて創
治癒が得られた。一方 PAT(-)群では、創面積の縮小速度は遅く移植後 28 日目の
では創治癒が得られず、骨露出も残存していた。術後 7、14、および 21 日目に
おける、2 群の間の創傷面積に有意差を認めた。③bFGF(-)群に比べ、bFGF(+)
群の移植後 PAT では血管新生に関与する CD34 およびコラーゲン生成に関与す
る Col3a1 の発現が有意に高く、組織の厚さも bFGF(+)が有意に厚い結果となっ
た。
【考察】
①ラットにおいてもヒト同様にシート状の PAT の採取は可能であり、光学顕
微鏡、電子顕微鏡において結合組織の層状構造を確認できた。②ヒトの臨床例
で得られる結果と同様に、ラットにおける PAT 移植が骨露出創の治癒を促進す
ることを示していると考える。一方、頭蓋骨露出モデルは比較的欠損の小さい

モデルであるため、移植した PAT が biological ドレッシングとして機能している
結果とも考えられた。また創面積の評価のみであり、移植後の PAT の検討がで
きていなかった。PAT 移植は PAT 自体が創部で血流を得ることで生着し、創傷
治癒の足場となると考えているため、より条件の悪い創傷モデルにおいて、移
植後の PAT の詳細な評価を行うことが必要と考えた。③bFGF のもつ血管新生作
用と肉芽形成促進作用は PAT 移植においても有効と考えられ、人工物が露出し
にくい、より強固な被覆ができる可能性が示唆された。
【結論】
本研究は動物モデルにおいて PAT 採取を行い、難治創モデルへの移植を検証
した初めての研究である。骨露出創モデルでは PAT 移植による創治癒促進効果
が確認された。人工物露出創モデルでは bFGF を併用した PAT 移植によって人工
物が露出しにくい、より強固な被覆ができる可能性が示唆された。今後は PAT
移植のメカニズム解明と治療適応の確立、拡大のために詳細な検討が必要であ
る。 ...

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