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大学・研究所にある論文を検索できる 「オルガノイド培養と網羅的ゲノム解析を用いた膵胆道癌の個別化医療システムの開発」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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オルガノイド培養と網羅的ゲノム解析を用いた膵胆道癌の個別化医療システムの開発

椎原 正尋 東北大学

2021.03.25

概要

背景:膵胆道癌は高悪性・難治性で治療選択肢が少なく予後不良である。予後改善の方策として個別化医療があげられる。オルガノイド培養とは組織の構築・特徴を保つin vitro三次元培養法であり、生体内に近い状態を維持するとされている。膵胆道癌についてオルガノイド培養とゲノム解析を用いた個別化医療システムを開発した。

方法:膵胆道癌手術切除検体からオルガノイド培養を既存のプロトコルを改変して行なった。並行して切除腫瘍組織のwhole exome解析を行い、変異遺伝子プロファイルを明らかにして、オルガノイドが腫瘍組織のゲノム変異を維持し、病理学的性質が一致することを確認した。変異プロファイルから治療標的分子候補を抽出し、候補分子標的薬の効果をオルガノイド培養細胞で確認した。

結果:オルガノイド培養を膵胆道腫瘍54例に試みて、30例(55.6%)でオルガノイドを得た(膵癌:8/20、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN):2/6、胆道癌:12/20、胆嚢癌:6/6、乳頭部癌:2/2)。培養されたオルガノイドはballoon-like organoidsとsolid organoidsの2種類を呈していた。Balloon-like organoidsには腫瘍特異的遺伝子変異が検出されず、癌オルガノイドではないことが示唆された。Solid organoidsは分子病理学的特徴が手術腫瘍検体とよく一致し、癌オルガノイドと確認された.Whole exome解析からin silico analysisでdriver mutationsを検出し、そこから治療標的候補を抽出した。胆嚢癌例で変異遺伝子ILKに着目し、その阻害剤を用いてオルガノイドで細胞増殖アッセイを行い、増殖抑制効果を確認し、さらに同分子の主要基質であるリン酸化AKTの発現減少を確認した。

結論:外科切除腫瘍検体を用いたオルガノイドとwhole exome解析から個別に分子治療候補を拾い上げ、その効果を実際の腫瘍検体由来のオルガノイドで確認することで膵胆道癌の究極の個別化医療システムを開発した。改良を加えて迅速化・汎用化し臨床応用を実現する。

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