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書き出し

慢性腎臓病モデルマウスを用いた腎間質線維芽細胞の役割に関する研究

中井, 琢 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation

慢性腎臓病モデルマウスを用いた腎間質線維芽細胞の役割に関する研究

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻
酸素医学分野
氏名 Name

中井



腎臓間質の線維芽細胞は、尿細管間隙を埋めるように存在し、実質組織の支持にはたらいている。慢性腎
臓病では、細胞外基質を過剰に産生する筋線維芽細胞へと形質転換して、腎線維化を引き起こす。腎皮質の一
部の線維芽細胞は、赤血球造血因子エリスロポエチン(EPO)を産生する能力を有しており、REP(renal EPO
producing)細胞と呼ばれる。腎間質線維芽細胞は様々な性質を有する多様な細胞によって構成されているが、
各細胞における詳細な性状は不明である。本研究では、EPO 産生能の有無に着目した腎皮質線維芽細胞の細分
類を行い、病態環境における各細胞分画の性状解析を行った。
Epo 遺伝子が活性化した経験のある細胞が Cre-loxP システムによって標識される遺伝子組換えマウスでは、
皮質全域の線維芽細胞が標識されているが、標識された細胞のうち低酸素応答的に Epo 遺伝子が活性化する細
胞は一部である。Epo 遺伝子を制御する低酸素誘導性転写因子 HIF を活性化する薬剤を投与した場合も、低酸
素環境で Epo 遺伝子が活性化しない細胞では Epo 遺伝子発現誘導を認めなかった。この結果より、腎皮質線維
芽細胞には、実際に EPO 産生能を有する REP 細胞とかつて EPO 産生能を有していたものの喪失した細胞
(Post-REP 細胞)が存在することが明らかとなった。さらに、慢性腎臓病モデルである片側尿管結紮を施す
と、Post-REP 細胞は筋線維芽細胞マーカーである aSMA を高発現するとともに高い増殖能を示し、腎線維化の
主体となっていた。
REP 細胞と Post-REP 細胞の性状比較のために、1 細胞レベルで網羅的に遺伝子発現情報を取得することので
きるシングルセル RNA シークエンスを行なった。クラスリング解析および分化系譜予測解析から、腎皮質線維
芽細胞は EPO 産生能に基づいた細分類が可能であり、REP 細胞から Post-REP 細胞へと分化していくことが確
認された。さらに、REP 細胞は、間葉系幹細胞様の遺伝子発現様式を有しており、REP 細胞と Post-REP 細胞を
分離するマーカーとして間葉系幹細胞マーカーのひとつである細胞間接着分子 ICAM1 が同定された。障害腎に
おいても、腎皮質線維芽細胞は ICAM1 の発現の有無によって二分され、Post-REP 細胞分画である ICAM1 陰性
の線維芽細胞は過剰に細胞外基質を産生していた。これらの結果から、腎皮質線維芽細胞には、REP 細胞を起
源とする階層性の細胞集団が存在しており、EPO 産生能を喪失した Post-REP 細胞は腎障害に伴って細胞外基
質を過剰に産生する筋線維芽細胞へと形質転換することが明らかとなった。本研究の成果は、腎間質における
線維芽細胞の役割を詳細に明らかにし、慢性腎臓病の分子病態を理解する上で重要な知見である。 ...

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