書き出し
カイラル分子のイオン化反応過程の研究
概要
令和 4 年度
京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
カイラル分子のイオン化反応過程の研究
Ionization reaction process of chiral molecules
京都大学工学部物理工学科機械システム学コース生命数理科学研究室 筆本 涼太
研究成果概要
自然界の鏡像異性体の偏りがどのように発生したかについて、鏡像異性体中の電子と宇宙
に存在するニュートリノ等の粒子との弱い相互作用による反応が起源であるとの説が研究され
ている。本研究では、鏡像異性体分子とニュートリノの散乱により鏡像異性体分子中の共有結
合を担う電子が弾き飛ばされることで共有結合が維持できなくなり、フラグメント化すると考え、
アラニン、グリシン、セリン、バリンの 4 種類のアミノ酸を対象として、京都大学化学研究所スー
パーコンピュータシステムを利用してフラグメント化前後のエネルギーを比較することでフラグメ
ント化の可否を判定した。
また、フラグメント化の可否を判定するにあたって、フラグメント化後のエネルギー計算のため
に京都大学化学研究所スーパーコンピュータシステムを利用して切断される結合を推定する
手法を提案、検証した。 ...