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大学・研究所にある論文を検索できる 「Organization of Fronto-limbic projections underlying emotional control in macaque monkeys: a virus tracing study」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Organization of Fronto-limbic projections underlying emotional control in macaque monkeys: a virus tracing study

吉野, 倫太郎 東北大学

2023.09.25

概要

われわれヒトを含む霊長類の脳は、呼吸・心拍の制御、反射・本能行動や、ホメオスタシスなどにかかわ
る脳幹部、記憶や情動にかかわる大脳辺縁系、さらには、認知や判断にかかわる大脳新皮質というように、
生命の維持に直接関わる基盤的な機能からより複雑な適応行動の発現のための高次な機能へと、階層的に構
成されている(MacLean, 1990)。このなかで、大脳辺縁系に属する帯状皮質の前方部(前部帯状皮質(anterior
cingulate cortex: ACC))は、構造的にも機能的にも、脳幹やその他の大脳辺縁系領域、そして高度な認知機能
を司る大脳皮質の間にあり、脳の中の情動情報と認知情報のあいだを「取り持つ」はたらきをしていると考
えられていて、意志決定や社会行動、あるいは、その障害としての様々な精神疾患と関係の深い領域とし
て、注目されている。本研究では前部帯状皮質を中心とする詳細な神経回路図を作成することで、脳がどの
ようにして情動情報と認知情報を統合しているのかを解明することを目指した。
ヒトの脳機能イメージングの研究によると、前部帯状皮質(ACC)は、他者や時間割引率を考慮した行動の
価値の計算や、それに基づく行動や反応の制御に重要な脳領域であると考えられている(Klein-Flügge et al.,
2022)。たとえば、ACC は金銭的な損得(Fujiwara et al., 2009)のような主観的な情動体験に関連する刺激だけ
でなく、利他的な行動(Dal Monte, Olga, et al., 2020)、異なる時間スケールにおける行動の価値 (Behrens et al.,
2007)など、自他の行動や、長期的な戦略を考慮した行動の価値に関連する活動を示す。また、ACC に病変
が生じると、行動の労力とそれによって得られる報酬量に基づく意思決定機能(Effort-based decision-making)
が阻害されることや(Walton et al., 2002)、直近の結果のみを考慮した行動を取るようになることが知られてい
る(Kennerly et al., 2006)。同様に、慢性的な不安や喜びの喪失を伴い、様々な社会的な行動が障害されるうつ
病の患者では、ACC 腹側部の灰白質の減少や活動異常が見られる(Drevets et al., 1997)。
また、最近の研究では ACC の小領域、膝下部(sgACC)、膝前部(pgACC)、背側部(dACC)は、異なる情動
の制御に関わることが示唆されている。例えば、ACC は被験者が悲しみを浮かべる表情提示された場合は
sgACC が、喜びの表情を提示された場合は pgACC が、そして熱による侵害刺激を受けた場合や怒っている
表情を提示された際には dACC が主に活動のピークを示す(Vogt, 2005)。また、うつ病患者において、不安な
ど負の情動に関する症状は sgACC に関係するのに対し、pgACC は無気力などの快情動により関連する症状
に関連する可能性が報告されている(Myers-Schulz et al., 2012)。すなわち、sgACC は負の情動、pgACC は正
の情動、dACC は身体的な刺激によって起こる負の情動に、それぞれ別々に関わる可能性がある。 ...

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