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大学・研究所にある論文を検索できる 「APR-246 induces apoptosis and enhances chemo-sensitivity via activation of ROS and TAp73-Noxa signal in oesophageal squamous cell cancer with TP53 missense mutation」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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APR-246 induces apoptosis and enhances chemo-sensitivity via activation of ROS and TAp73-Noxa signal in oesophageal squamous cell cancer with TP53 missense mutation

小林, 照之 大阪大学

2021.12.31

概要

〔目 的(Purpose)〕食道扁平上皮癌はp53遺伝子の変異頻度が約9割と極めて高く、その大部分はミスセンス変異が占める。p53遺伝子変異は癌の悪性度や治療抵抗性に関わるとされ、重要な治療標的となり得る。本研究では食道扁平上皮癌に対する変異p53機能回復薬APR-2利の作用機序および化学療法との併用効果にっいて検討した。

〔方法(Methods)〕In vitroでは異なったp53 statusの食道扁平上皮癌細胞株(p53野生株:KYSE410 KYSE960、p53ミスセンス変異株:ΤΕ1,4, 5,8,10, P53フレームシフト変異株:ΤΕ9、ρ53ナンセンス変異株:ΤΕ14)を用いてAPR-246投与によるcell viability/apoptosisアッセイ、ROS評価、p53 family(p63/73)やapoptosis関連シグナル(Western Blot)を評価した。さらに、APR-246と化学療法(DTX、5-FU、CDDP)との併用投与による抗腫瘍効果(isobologram法)および関連シグナルの発現解析を行った。In vivoでは、食道扁平上皮癌細胞株(KYSE410、TE8)を用いた皮下腫瘍モデル、食道扁平上皮癌患者の腫瘍組織由来のPatient Derived Xenograft (PDX)モデルを用いたAPR-246の抗腫瘍効果をそれぞれ評価した。

〔成績(Results)〕食道扁平上皮癌細胞株に対するAPR-246単剤のΚ50はp53ミスセンス変異株で低く (TE1/4/5/8/10= 10. 5/9. 9/14. 3/7. 9/11.7 μ mol/L)、それ以外のp53フレームシフト・ナンセンス、野生株では概ね高値であった (ICso:W14=34. 6/24. 3. KYSE410/960=31. 6/20. 8 μ mol/L)。p53ミスセンス変異株においては、APR-246単剤投与によりρ73、とくにΤΑρ73およびNoxa発現、ROS活性の上昇を認め、apoptosisの指標となるcleaved PARPが強く誘導された。これらの現銀はN-アセチルシステインをAPR-246と併用投与することでキャンセルされた。さらに、NoxaのsiRNAによるknock down下ではAPR-246投与によるapoptosis誘導、cleaved PARP発現上昇は減弱し、またp73の siRNAによるknock down下ではAPR-246投与によるNoxa - cleaved PARP上昇がそれぞれ抑制され、apoptosis誘導が減弱した。一方で、p53野生株ではNoxaまたはp73のsiRNAによるknock down下でもこれらの現象は認めなかったことから、食道扁平上皮癌に対するAPR-246単剤の作用機序としてp53ミスセンス変異株に選択的なROS活性の上昇およびP73 ・Noxa発現上昇によるapoptosis誘導が重要であると考えられた。化学療法との併用効果に関しては、とくにP53ミスセンス変異株において増加または相乗効果を認めたが、とくに5-FUとの併用で顕著であった[Combination Index=0.58-0. 72 (0. 8以下で相相乗効果)]。これは、APR-246と5-FUとの併用投与でAPR-246によるKOS活性の誘導がさらに増強し、p73-Noxa経路を介したapoptosis誘導が一段と高まったことが寄与した。in vivoにおいても、p53ミスセンス変異株(TE8)の皮下腫瘍モデルでのみAPR-246と5-FUの併用効果(腫瘍volume: 5FU/APR- 246/APR-246+5FU=358/330/99mni3)がみられ、腫瘍組織ではROS活性の誘導およびp73 · Noxa発現上昇による apoptosisの増強を認めた。さらにexonS, 7のミスセンス変異を伴う食道扁平上皮癌患者由来腫瘍を用いたPDXモデルにおいても同様にAPR-246+5-FUの併用効果(腫瘍volume: 5FU/APR-246/APR-246f5FU=358/274/104mm3)を認め、腫瘍組織においてROS活性の増強、p73/Noxa発現上昇およびapoptosisが誘導されていた。

〔総 括(Conclusion)〕食道扁平上皮癌に対するAPR-246は、p53ミスセンス変異株特異的なROS産生を介したp73- Noxa上昇によるapoptosis誘導が主な作用機序であり、化学療法でもとくに5-FUと併用することで抗腫瘍効果およびこれらのシグナル変化が一層増強されることが示唆された。

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