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大学・研究所にある論文を検索できる 「超音波検査法と排尿日誌を用いた経腟分娩後早期の尿閉・尿意知覚異常の推移と関連因子の探索」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

超音波検査法と排尿日誌を用いた経腟分娩後早期の尿閉・尿意知覚異常の推移と関連因子の探索

吉田, 明莉 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation

超音波検査法と排尿日誌を用いた
経腟分娩後早期の尿閉・尿意知覚異常の推移と関連因子の探索

東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
家族支援看護学講座

ウィメンズヘルス・周産期看護学分野
氏名 Name 吉田

明莉

【背景】産後の尿閉は、分娩時の末梢神経障害によって発症し、自排尿を全く排出できない完全尿閉と、排
出はできるが一定量以上の残尿がある潜在性尿閉がある。完全尿閉、潜在性尿閉どちらも短期的・長期的な
合併症を引き起こすことが報告されており、早期に評価する必要がある。尿意知覚は、排尿の起点として重
要だが、分娩時に障害されるため産後早期の尿意知覚異常にも着目する必要がある。
【目的】本研究では、経腟分娩後女性において、産後の尿閉発症の実態とその関連因子(研究 1)、産後の
尿意知覚異常の実態とその発症と回復遷延の関連因子(研究 2)を明らかにする。
【方法】本研究は、経腟分娩予定の単胎妊娠女性を対象とした縦断観察研究である。妊娠後期、産後 2-6 時
間の初回排尿時は超音波検査法(エコー)を用いた膀胱容量測定を行い、下部尿路症状を調査した。産後
1-4 日には、膀胱容量と下部尿路症状に加えて排尿日誌を用いて排尿状況を調査した。産後 1 か月は下部尿
路症状のみを調査した。定義として完全尿閉は自排尿がない場合とし、潜在性尿閉は残尿量 150mL 以上、
残尿量 100mL 以上、排尿効率 70%未満として 3 つの指標を比較検討した。尿意知覚異常は、排尿日誌から
排尿量に反応する尿意の程度より、正常・低下・亢進に分類した。
【研究 1 結果】産後 2-6 時間に初回排尿時調査を実施した 117 名を分析対象とした。発症率は、完全尿閉は
産後 2 時間に 30.2%、産後 6 時間に 1.8%であり、潜在性尿閉は産後 2-6 時間の初回排尿時に 36.7%、産後
24 時間に 1.1%であった。産後 2 時間の完全尿閉発症には吸引分娩(adjusted Odds Ratio : aOR 3.94)と
尿意消失(aOR5.73)が関連し、初回排尿時の潜在性尿閉発症には分娩第 2 期所要時間 30 分以上(aOR2.69
- 3.12)と尿勢低下(aOR4.60 - 10.95)が関連していた。
【研究 2 結果】排尿日誌から尿意の評価が可能な 92 名を分析対象とした。有病率は、尿意低下は初回排尿
以降 24 時間までに 34.2%、産後 72 時間から 96 時間までに 5.6%、尿意亢進は産後 96 時間までに 20.7%で
あった。産後初回排尿以降 24 時間の尿意低下には分娩所要時間(分娩第 1 期と第 2 期の所要時間の合計)
840 分以上(aOR7.11)と産後初回排尿前膀胱容量 450mL 以上(aOR4.43)が関連し、産後 24 時間以降の
1

(書式18)
回復遷延には初回排尿時完全尿閉(aOR10.41)が関連する傾向が認められ、産後 96 時間までの尿意亢進に
は妊娠後期の腹圧性尿失禁(aOR11.59)が関連していた。
【結論】研究1では、尿閉の発症率は完全尿閉では産後 2 時間から 6 時間、潜在性尿閉では産後 2 時間から
24 時間にかけて減少するため、それぞれの発症は産後 6 時間、産後 24 時間までに同定が可能であることが
示唆された。完全尿閉発症には吸引分娩と尿意消失が関連し、潜在性尿閉には分娩第 2 期所要時間と尿勢低
下が関連し、尿意が消失していても膀胱充満がある場合は排尿誘導または導尿を行い、尿勢低下がある場合
は潜在性尿閉を疑いエコーを行う必要性が示唆された。研究 2 では、尿意低下の有病率は産後 24 時間から
96 時間にかけて減少し、産後 96 時間までの尿意亢進の有病率は 20.7%であることが明らかとなった。尿意
低下の発症には分娩所要時間と初回排尿前の膀胱容量、尿意低下の回復遷延には初回排尿時完全尿閉が関連
し、膀胱充満を予防するケアの重要性が支持された。尿意亢進には妊娠後期の腹圧性尿失禁が関連し、産後
早期には骨盤底機能低下による尿意亢進が発生することが推察された。 ...

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