タンデム反応を基盤としたマクロラクトン構築法の開発

概要

海洋生物が生産するマクロリド化合物は抗腫瘍活性など人類に有用な生物活性を示すことから、医薬品のシーズとして注目されている。

Neopeltolide や enigmazole A、exiguolide に見られるように、大環状骨格内にテトラヒドロピラン（THP）環を含有する海洋マクロリド天然物が多く存在することが知られている。しかし生産生物から単離できる試料量が少なく、化学合成の難易度も高いため効率的な合成法の開発が望まれている。本研究では Au および Ru 錯体を用いた触媒的タンデム反応を基盤とし、THP 環を含むマクロリド化合物を効率的に合成する方法の開発を行った。