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大学・研究所にある論文を検索できる 「The discovery of PKCγ as a novel sleep-regulating element and analysis of its phosphorylation signaling.」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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The discovery of PKCγ as a novel sleep-regulating element and analysis of its phosphorylation signaling.

小野, 宏晃 東京大学 DOI:10.15083/0002006934

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名

小野

宏晃

本研究は、ゲノム編集技術、ウイルスベクターによる遺伝子過剰発現系、リン酸
化プロテオミクスを組み合わせて覚醒状態の維持に関わる因子の同定を試みたものであ
り、以下の結果を得ている。
1. Triple-target CRISPR により Protein kinase C(PKC)の遺伝子ファミリーに属す
る 7 種類の遺伝子について遺伝子欠損マウスを作製し、Snappy Sleep Stager (SSS)および
脳波筋電図測定を用いて睡眠表現型の解析を行った。その結果、Prkcg の遺伝子欠損マウス
は、覚醒から睡眠への遷移確率の有意な増加と、睡眠時間の有意な延長を示した。
2. AAV を用いた全脳スケールの遺伝子過剰発現系を用いて PKCγ とその変異体を
マウスに過剰発現させ、SSS を用いた睡眠表現型解析を行った。その結果、PKCγ のリン
酸化活性亢進型変異体を過剰発現した場合に覚醒から睡眠への遷移確率の有意な減少と、
睡眠時間の有意な短縮を示した。この効果は、リン酸化活性喪失型変異体では見られない
ことも示した。
3. 生化学的な PKCγ のリン酸化活性評価系と、セリンとスレオニン残基をグルタ
ミン酸に置換した変異体(リン酸化模倣変異体)ライブラリーを用いて、網羅的な変異体
アッセイを行った。その結果、7 種類の変異体(S192E、T208E、T212E、T214E、S251E、
S349E、S352E)はリン酸化活性が亢進することを示した。
4. AAV による過剰発現系と変異体ライブラリーを用いて、PKCγ のリン酸化模倣
変異体が睡眠覚醒表現型へ与える影響を調べた。その結果、T39E と S664E を過剰発現さ
せた場合には、睡眠時間が減少することを示した。
5. 野生型マウスと Prkcg 遺伝子欠損マウスのリン酸化プロファイルをリン酸化プ
ロテオミクスによって比較した結果、CACNA1A, CACNAB4 などの神経活動を制御する機
能的タンパク質のリン酸化が減少していた。また、パスウェイ解析によって、Prkcg 遺伝
子欠損マウスでは長期増強やドパミンシグナル、カルシウムシグナルに関わるタンパク質
のリン酸化が減少していることを示した。
以上、本論文はマウスにおいて、覚醒状態の維持に PKCγ が関わることを明らか

にした。また、リン酸化模倣変異体ライブラリーを用いた網羅的なアッセイと睡眠表現型
解析から、PKCγ はリン酸化模倣状態によってリン酸化活性が変化することを見出し、睡
眠表現型に関与する可能性のある残基として T39 と S664 を見出した。さらに、PKCγ は下
流で種々の機能的シグナリングを修飾することを見出した。本研究は、覚醒維持に関わる
新たな因子を同定し、その分子機能を解析することで、睡眠覚醒の制御機構の解明に重要
な貢献をなすと考えられ、学位の授与に値するものと考えられる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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